女子バスケ・アメリカ代表解析

◎    ベルギー代表戦 オリンピック予選(2024年2月)

アメリカ代表
・第1Q~第3Q
割愛します。
・第4Q
3ポイントシュートが得意なガードのイオネスクがコートインすると、3ポイントが得意な選手2人(コリアー)が次々と3ポイントを決めてスコアタイまで追い上げたシーンが第4Q序盤早々に見受けられた。この時に、アメリカ代表のビハインドが大きかったため、ギアチェンジ(イオネスク、トラージなど得点力が高い選手を次々と投入)を図ったと考えられる。
中でも際立ったのは、イオネスクのロング3ポイントシュートとスクリーンを利用した3ポイントショットが特に狙われがちだと見受けられる。

アメリカ代表に対するベルギー代表のディフェンス
1. ほとんどの場合、両手を挙げたままディフェンスを行っていた。
その根拠は、手を挙げただけで、タフディフェンスのような守備方法に見られやすい。ボールパスが出しづらい点が挙げられる。
2. ディフェンスリバウンドが2~3人体制でやっている。アメリカ代表は屈強なリバウンダーがいるため、完全にリバウンドを取るよりも、ティップパスなどが多く見られた。簡単に言えば、容易にリバウンド取られないように上ではじくといった方法である。自信あるわけではないが、アメリカ代表に対してベルギー代表はペース&スペース戦術をとっていた可能性があったと考える。その根拠としては、オフェンステンポがゆったりで、ペリメーターラインの周辺でタフディフェンスが多く展開されていた。また、カッティングプレーが多く見受けられ、ミドルレンジやドライブショット・ペリメーターシュートにおけるスペースが空くためのスペーシングやパス回しが多かったため、ペース&スペース戦術がとられていたのではないかと考えた。
3.アメリカ代表は、ベルギー代表に対してグリッド・グラインドやポストセントリック戦術を活用したのではないかと考える。(根拠が少ないため、予測にとどめます。)

日本代表のオフェンス強化・向上するには?
まず、アメリカ代表のディフェンスがルーズボールに対する相手ターンオーバーを仕掛ける(隙を見せるとダブルチームや強力なプレッシャーかつディナイボール)傾向が高い。また、パスの方向を読んでからのパスカットや常にスティールを仕掛けることからルーズボールに対するオフェンス対策をしなければならない。強いプレッシャーによるルーズボール及びターンオーバー・トラベリングの続出がベルギー代表にて多く見られたことから、ルーズボールにおけるヘルプオフェンスもしくはカバーをするといった対策練習が必要となってくる。
また、ベルギー代表ではカッティングとその連係プレーが良く機能されていた。
特に、中にドライブやパスをする際にアメリカ代表のディフェンスが中に集結しやすい事象が多く発生し、外に待機しているシューターにパスされてそこからのシュート(オープンシュートが多い)がほぼ外さずに決めていた。
つまり、決めなければならない場面でしっかり決めることが必須であることが伺える。この場面は、豊富な機動力と高度な連係プレー・3ポイントが強みの日本代表にとっては非常に対策しやすい攻略方法でもあり、連係プレーの精度をより向上し、なおかつ3ポイントがより高精度へと向上するとアメリカ代表も日本代表をより警戒しなければならなくなる。しかしながら、日本代表に対して3ポイントをより警戒しているのはどの強豪国代表も共通ではある。しかし、日本代表の過去の強豪国相手の試合と照らし合わせて見ると、仮に日本代表に対して対策をするならば、ガードとフォワード陣による中へのドライブ警戒や3ポイントの対策(全体的に言えば、ペリメーターディフェンス・ドライブディフェンス)を入念に施せば、日本代表の得点力を封じることが容易にできてしまうリスクが非常に高いのではないかと考える。根拠を挙げれば、日本代表のPFとCはペイントエリアに待機する時間が少なく、大体の場合、ペリメーターライン内の近くもしくはペリメーターラインの外に待機する時間帯が比較的に多いことから、この傾向を知ると簡単に対策取られてしまう可能性が高いと考える。この対策を破るとすれば、連係プレーの精度やテンポ良く・バランスよくオフェンスを展開すること、3ポイントやミドルシュート・プルアップシュートなどを効率よく決める必要(決定打を欠くことを極力減らす)がある。
そして、オフェンスリバウンドよりもディフェンスリバウンドに対する意識をオーバーウェイトする必要性も考えられる。ディフェンスリバウンドはしっかり取りきる意識も強くなければ、ずっとひっきりなしに相手オフェンスが続いてしまうという緊張感が漂う時間が長くなってしまうことがベルギー代表戦では確認した。リバウンドの際は身長差があれば、リバウンドティップもしくはティップパスといった対策方法も考えられる。オフェンスリバウンドも重要だと考えられがちだが、一番肝心なのはディフェンスリバウンドを優先的にとることであり、リバウンダーを最低でも2人ほどは取りに行くという認識をした方が戦術展開しやすのではないかと考える。
対策攻略方法としては、アメリカ代表のディフェンスを想定した非常にタフなヘルプディフェンスとルーズボール処理が得意な選手と非常にタフなディフェンスを得意としたチームとの練習を組み、身長差を想定したリバウンドティップなどの練習が効果的だと考えられる。
実は言うとアメリカ代表のペリメーターディフェンスを仮に攻略してしまった場合は、オーストラリア代表と中国代表などに応用可能である。
その根拠が、常にタフなペリメーターディフェンスとインサイドのディフェンスが高い中国代表と、パス回しが得意で、常に強いオフェンス意識を持つオーストラリア代表の2チームの攻略が容易になるのではないかと考える。
最後に、日本代表PGもしくはSGの選手で中と外を引っ掻き回す役があれば、相手チームにとってディフェンス攪乱が可能になり、相手選手にとって混乱が生じやすいことを考えられる。そのため、オフェンスにおいて比較的有利に展開しやすくなるのではないかと考える。
次に、ベルギー代表がアメリカ代表ディフェンスに対して行った戦術は、速いパス回しによるオープンシュートのクリエイトやドライブによるイージーショットなどが挙げられる。また、スクリーンを多用しており、スクリーンとハンドオフ活用による戦術でアメリカ代表のディフェンスがたびたび崩れていた。このことから、スクリーンを多用したオフェンス戦術は有効だと考えられる。
ベルギー代表オフェンスを見て考察すると、オフェンステンポが速い場合だと相手オフェンスのテンポも速いため、スタミナ不足という自滅のような負のスパイラルに陥る可能性が大きくあり得る。そのため、オフェンステンポはゆっくりめの方が持続的にテンポ良く攻守切り替えが可能である。
日本代表の戦術スタイルとしては、効率の良い3ポイントシュートの多用によるパターンが多い。しかし、アメリカ相手だとアメリカ側が日本のオフェンス戦術の合わした攻守戦術をとることが考えられるため、3ポイントシュートの多用に加えてペリメータ内でのショットやドライブなどをバランスよくオフェンスする必要性が高いと考える。
そのほかにも、ベルギー代表の攻守では、PFが2人体制で戦術展開しており、1人がリバウンド要員でもう1人がインサイドスコアラーのような役割をしていた。(※これは、アメリカ代表も採用している)
アメリカ代表では、タフプレッシャーでオフェンステンポが悪くなった時、ダブルチームが有効だとされている。(日本代表はすでに採用している)

作成者:Heybow


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