見出し画像

この複雑で難解な時代を"したたかに"生きるために、わたしたちが今できること

母校である鳥取県立倉吉東高等学校で、トーク&座談会をする機会をいただきました。

話すテーマは
『この複雑で難解な時代を"したたかに"生きるために、わたしたちが今できること』

わたしが伝えられるもの、届けられるものは限られていますが、それでも、わたしが彼らと過ごすこの時間が、彼らの人生にプラスとなる時間なったらいいなと思っています。

今回、声をかけてくれて、最初から最後までやり取りと調整をしてくれた元同級生の小松先生、急な訪問にもかかわらず今回の公演を校内の正式なイベントととしてギリギリまで調整してくださった進路指導担当の桑田先生、そして倉吉東高の福光校長、竹中教頭、前田先生、谷口先生をはじめとした先生方と生徒の皆様。ありがとうございます。

もっとフワっと訪問しようと考えていましたが、小松先生と桑田先生の、生徒や地元の未来を思う気持ちに私も強く動かされ、寝る間を惜しんで「わたしになにができるか」を真剣に考えさせていただきました。

本当に価値のある時間をありがとうございます。



イベント全体の概要と目的

今回は全3部制で行いました。
① こばやしの講演
② 小松先生とこばやしのインタビュートーク
③ 生徒さんたちが参加して一緒に座談会

それぞれの目的

===①こばやしの講演===
ここでは、これからの世界を生きるうえで役立つ羅針盤を渡し、前向きに行動できるような希望のタネを提供したい。

===② 二人でトーク===
ここでは在校時の様子を振り返りながら、事前に生徒さんからもらった質問に答えたい。
・受験までのモチベーションをどう維持したか、不安の乗り越え方
・勉強以外で、今やっておいたほうがいいこと
・将来が決まっていないときの、道の選び方
など

===③ 参加型での座談会===
ここではざっくばらんにお話しながら、「いまこの環境をどう活かすか。使えるものってなに?」をみんなでアイデア出ししたい。
これに正解は無く、むしろすべて正解で、"それぞれの目線で"アイデアや考えや想いを出すことを通じて、自分らしさの価値を発揮できる経験と、「この環境で使えるものってたくさんあるじゃん」って感じてもらうことを大切にしたい。

加えて、イベントの前後は、生徒さんたちと一緒に準備と片づけを行いました。

せっかくいただいた貴重な機会。
彼や彼女たちのことをもっと知りたい。
さらに言うと、「自分とは違う世界に住んでいる人が、なんか立派なことを話していた」という他人事の感想で終わらせたくない。

そんな気持ちで挑みました。

とは言っても私は高校生について全く詳しくありません。

生徒さんのことをよく知っている小松先生と桑田先生には、深夜や休日、仕事の合間など、本当にお忙しいなか、事前に何度も相談に乗っていただきました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。


この複雑で難解な時代を"したたかに"生きるために、わたしたちが今できること


私が在校していた15年前と比べ、世界はさらに複雑に難解になってきています。

きっと高校生たちをとりまく状況も、わたしがいたころとは大きく違うでしょう。

そんなかでも、普遍的に活きる考え方、特に、これからの世界を"したたかに"生きるうえで役立つような羅針盤と希望のタネを渡せたらと思いながら、お話をしました。

ここではそのときのスライドを掲載します。

複雑化している時代を生き抜くための基礎体力として、地図や羅針盤や武器となる知識や経験や経歴は重要。

でもそれだけでは十分じゃありません。

長年築きあげて来たものが一瞬で崩れてしまうかもしれない激動のいまを"したたかに"生きるためには、

『いまこの瞬間と場を最大限生かし切る』という考え方がすごく大切。

生き抜くための基礎体力として地図や羅針盤は重要、
そのうえで『いまこの瞬間と場を最大限生かし切る』という考え方がものすごく大切
狭い意味でのモテではなく、広い意味でのモテです
経沢香保子『自分の会社をつくるということ』

ビジネスをするうえでも、この不確かな時代を生きるうえでも、個の時代に自分の名前で活動するためにも、『いまこの瞬間を最大限活かしきる。この瞬間の価値を最大限高める』というマインドや思考方法を鍛えることすごく大切で、『人間としてモテる』ことは重要なスキルです。

そしてなにより、『いまこの瞬間を最大限活かしきる。この瞬間の価値を最大限高める』ということは、『自分の選んだ道を正解にすること』でもあり、その『一瞬一瞬の積み重ねが可能性をひろげ、未来を創る』んじゃないかなと思っています。


(オススメ参考記事)




高校生が抱える疑問や、小松先生からの質問に対して本音トーク


ここでは、高校時代の同級生である小松先生と対談する形で、在校当時の様子を振り返りながら、事前に高校生のみなさんからいただいた質問に応えさせてもらいました。

(ここでは質問の一部を紹介し、実際こたえた内容は割愛いたします)

・受験までのモチベーションをどう維持したか、不安の乗り越え方
・勉強や学歴が社会でどう役立つのか、高みを目指す意味
・高校時代の勉強について、心がけていたことと、役立ったこと
・勉強以外で、今やっておいたほうがいいこと
・将来が決まっていないときの、道の選び方
・農林水産省ってどうやって入るの?どんなお仕事?
・文理(特進)クラスを希望した理由は?
・時間の使い方はどうしてる?

などなど


「私たちの使えるもの。できること。」について考えを深める

有志での座談会の様子(掲載許可をいただいています)

聞いて終わりじゃもったいないと思い、有志を募っての参加型の座談会を提案させていただきました。

今の東高の様子や生徒さんたちの見ている世界を知りたかったのもあります。

そのため、あらかじめテーマは決めていたものの、その場の流れで柔軟に話せたらというかたちで進めました。

座談会中もですが、座談会後、生徒さんが前のめりで一緒に話してくれたのがすごく嬉しかったです。


最後に。そしてこれから。

今この瞬間の価値を最大限高めるというマインドと、人との出会いと繋がりが、人生を豊かにし、未来を創ると考えています。

オンライン学習も普及していなかった時代に、難関進学塾もないこの田舎から、わたしが東京大学に入れたのは、当時の同級生たちと倉吉東高の先生たちのおかげだと思っています。

特に先生方には、本当に様々な機会をつくっていただき、いまでも頭が上がらないくらい手厚くサポートしていただきました。
このときの経験と結果が、いまの私の人生の可能性を大きく広げてくれています。

当時の学年主任で数学担当の米村先生、担任で化学担当の木村先生、化学の河本先生、国語の甲斐先生、英語の置名先生、物理の前田先生、数学の福田先生。進路指導担当で数学担当の芝野先生。

お忙しいなか、「ここの問題が分かりません、教えてください」「おすすめの参考書や勉強法をおしえてください」「毎日、問題を解いて持っていくので添削してください」という図々しい私のお願いを快く聞いてくださり本当にありがとうございました。
田舎の高校生だった私たちに、刺激的な機会をたくさん作っていただきありがとうございます。

いつか地元や母校に恩返しや恩送りができたらと思っていたなか、今回、元同級生の小松先生からFacebookでメッセージをもらいました。

このメッセージがなければ、わたしがこの場でお話しすることは無かったでしょう。

さらに、先生方の熱い思いと、小松先生の5,000字をゆうに超えるLINEメッセージ、そして未来に向けて挑戦している生徒さんに心動かされて、「この一回のイベントで終わらせず、今回であった生徒さんたちとは継続して接点を作って応援していきたい」と思えました。

そして「本当に、人との出会いが人を動かし未来を創るんだな」と、
そう感じると同時に、改めて思いました。

ただでさえ複雑で変化がはげしい時代。地方ではさらに、自分の未来を描き創っていくことが難しくなっているのかもしれない、と。

  • 比較的大きな企業や、そもそも大学自体がないから、圧倒的にロールモデルが少ない。ロールモデルに触れる機会がない。
    そのため自然と、将来の夢も視野も狭まってしまう。大学受験も就職も、自分事として下りて来づらい。

  • 人と繋がる機会が少ない。特に、日本や世界で活躍する人たちや、ある分野のトップで活動する人たちとは、めったに出会えない。
    そのため、上を目指すにしても、良質な機会や繋がりをつくるハードルやコストが圧倒的に高い。触れられる情報も限られる。


オンラインが発達し、いろんな人が、場所や時間といった制約にとらわれず繋がれるようになりました。

地方でもチャンスは増えていると思います。

ただ、現実として、表面的には繋がっていても、実際は「遠い世界」のままなんてことはよくあります。

だからこそ、今回の出会いが少しでも外と未来につながるよう、今回協力してくれた生徒さんや先生とはゆるやかに繋がりながら継続して接点を作っていきたいと思います。



倉吉東高等学校は日本海側で初めて、国際的な大学入学資格が得られる『国際バカロレア』の教育プログラムの認定を受けました。来年度いよいよスタートするそうです。

〈国際バカロレア〉インターナショナルスクールの卒業生に国際的な大学入学資格を与えようと、1968年に設立された国際バカロレア機構(本部・スイス)が定めた教育プログラム。問いに対する正解を学ぶ従来の教育法と違い、正解がないことを前提に思考の枠組みを身につけることを重視する。年齢に応じて四つのプログラムに分かれ、倉吉東高は16~19歳が対象のディプロマ・プログラム(2年間)の認定を受けた。昨年6月時点で同プログラムを実施するのは国内63校。入試では東京、京都、岡山、広島、早稲田、慶応など70を超える大学で活用されている。

【朝日新聞デジタル】倉吉東が山陰の高校で初認定された「国際バカロレア」って何するの?



今回の座談会でも、海外への希望と、ワクワクをもって学生生活に望んている生徒さんたちの顔見て、すごく希望を感じました。

わたしにできることで、今後も力になりたいです。
今回はありがとうございました!



(関連記事)




いただいたサポートは、本を買って、美味しいご飯を食べて、いろんなところに行って、また、明日からのエネルギーにさせていただきます。ありがとうございます。