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年末なので生産者さんへの愛と尊敬の気持ちを声高に叫びたい

はじめまして。

農家さんや漁師さん(以下、生産者さん)のこだわりの食材を、直接お取り寄せできるECサイト食べチョクで生産者さんのサポートとサクセスを担当しておりますしょーごと申します。

実は私自身も実家の三重県で米農家を営む祖父を継ぐために、米農家としても修行中です。現在は東京と三重県の二拠点居住という新しい生活のあり方に挑戦しています。

...いえ、少し盛りました。
2020年はこの新しいライフスタイルに挑戦する予定だったのですが、コロナで思うように東京と三重を行き来することができず、稲刈りが終わった秋以降は東京で行き場のないエネルギーを使って、全力で食べチョクの生産者サクセスを担当しております。

この記事では、そんな生産者を名乗ることにやや気後れを覚える私が
生産者(見習い)(仮)として、食べチョクで半年間取り組んだ生産者サクセスの業務と、実際に出会った素晴らしい生産者さん達の姿をご紹介できればと思います。

ご一読いただいたあと、食べチョクへの“スキ!“の気持ちが少しでも大きくなったら嬉しいです。

試練の年となった2020年

改めて書くまでもないことですが、本当に今年は一次産業の生産者さんにとって未曾有の試練の年となりました。


4月5月は、前代未聞の緊急事態宣言で外出自粛。ホテルや飲食店も休業に追い込まれ、多くの生産者さんが突然販路を失いました。第二波、第三波とコロナの影響が続き、先行きの見えない中で日々変わらずに生産活動を行うことが、どれくらい大変だったことか...。

ただ今年の試練はコロナの影響だけに止まりませんでした。
7月にはほぼ毎日雨が降る例年にない長梅雨。降り続けた雨で多くの生産者さんが損害を受けました。また大きな台風や豪雨で多くの商品が失われました。

その一方で秋は気温が下がらず作物が育ちすぎ、多くの食材の価格が下落し多くの生産者さんを苦しめました。
本当に1年通して大変な思いをされた生産者さんが多かったのではないでしょうか。

実際に食べチョクで働く中で、いくつもの生産者さんの廃業を目の当たりにしてきました。これは一次産業だけに限りませんが、先祖代々続いた事業の廃業を決断する時の気持ちは、どれほどのものでしょうか。今思い出しただけでも胸が締め付けられます。

生産者サクセスの役割 -より多くの生産者さんに販路を。

そんな2020年だったこともあり、食べチョクには"Web上での直販"という新しい販路を求める多くの生産者さんにご登録いただきました。

生産者の増加(201909-202009)

9月以降も引き続き生産者さんの数は増え続け、今では登録生産者数は3,300件を超えます。それに伴いもちろん食べチョクの流通額も増加していきました。

流通額(201909-202009)

私自身は、生産者さんが一気に増加し流通額も伸びつつある6月に、ビビッドガーデンに生産者サクセスの担当者として入社しました。そもそも「生産者サクセスってなんやねん。ググっても出てこないぞ(そりゃそうだ)。」というところから少しでも生産者さんの役に立てるようあの手この手を試しています。

すごくシンプルに整理すると下記のような考え方です。
初級編:生産者さんに食べチョクの使い方をどのようにお伝えできるのか?
中級編:より生産者さんご自身や食材の魅力を伝えてもらうために何ができるのか?
上級編:生産者さんにもっと食べチョクを好きになってもらうためにできることは何か?

コロナにより出荷先を失った生産者さんの中には、これまでは飲食店やホテルなどいわゆるBtoB向けの出荷がほとんどで、BtoCでの販売がなかった方もいらっしゃいます。まさにビジネスモデルの転換に立ち会う必要があったのです。
また、パソコンやスマホをこれまであまり使っていない生産者さんも増えてきました。カスタマーサクセスとは少し異なる状況の中で悪戦苦闘の日々が続きました。

社員2人とインターン生で運営している生産者サクセスチームのチームとしての力もまだまだで、生産者さんのサクセスに僕たちが寄与できるのは、現時点で肌感よくて15%程度。

悔しいけどこれが今の実力です。


にもかかわらず、この一年食べチョクがより多くのお客様にご利用いただけるようになり、ご満足いただけているのは何故か。広報の下村さんの圧倒的な機動力によりメディア露出が増えたことも、マーケの松浦さんの練り込まれたマーケ戦略と実践の効果はもちろん大きいのですが、やはり最後は生産者のみなさんがお客様のことを想いやり、食べチョクを通してお客様と接してくれたこと。ここに尽きるかと思います。

▼広報の下村さんとマーケの松浦さんのnoteはこちらから

食べチョクの生産者さん達と共に、"WOWを届ける"

"WOWを届ける"はビビッドガーデンの行動指針ですが、生産者さんと一緒に商品を作り、お客様にお届けしていく中で多くの"WOW"が生まれました。

生産者サクセスとして、商品の販売を促進する面で生産者さんに働きかけていたのは主に以下の3点になります。
1) 基礎作り:生産者さんの間でのノウハウの共有
2) 商品作り:キャンペーンと商品企画
3) ファン作り:お客さんとのコミュニケーション

1) 基礎作り: 生産者さんの間でのノウハウの共有
多様なバックグラウンドを持った生産者さんにご出品いただいているのは食べチョクの一つの強み。そのような生産者さんの経験や知見を、日々の業務に生かせるような場づくりを行いました。
よりお客様に満足いただくために何ができるのか?をいつも考えていただいている生産者様ばかりなので、毎回多くの方にご参加いただき、翌日から変化があったと嬉しいお声をいただきます。

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上の写真は、以前ECサイトのカスタマーサポートとして働いていた経験をお持ちのお米とアスパラのYOZE FARMさんと食べチョクCSの小高さんと一緒にお客様対応について考える会のものです。

生産者さんが持つ具体的な悩みに実践的なアドバイスをいただきました。またそれに加え、生産者さんと食べチョクがパートナーシップを強めて、よりお客様にご満足いただけるサービスにしていくためのきっかけとなる会になりました。
(後日、厳しいお声をいただいたお客様に真摯にまっすぐに対応なさっている生産者さんの姿を見て私は泣きそうになりました。)

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次の写真は、プロカメラマンとしても活動され、食べチョクではお野菜やスイーツの販売をされているKoike lab. -creative office-さんと食べチョクの平野さんと一緒に魅力を引き出す写真の撮り方を学ぶ会のお写真。


そんなことまで話しちゃっていいの!?という内容までプロの目線で写真の撮り方お話しいただきました。こだわりの商品だからこそ、その魅力をお客様にしっかりお伝えしようと、お忙しい中にもかかわらず多くの生産者さんが真剣にメモをとりながら話を聞かれていました。
プロ向けの機材がないとできないことではなく、スマホでもできる/一度知ってしまえば明日から実践できるプロお墨付きのアドバイスを提供してくれた小池さんには感謝しかありません。当日の内容はしっかりと資料化して、食べチョクにご登録いただいた生産者さんであれば誰でも見れるように整えております。


2) 商品作り:キャンペーンと商品企画

魅力的な商品をお客様にお届けするために、食べチョクではキャンペーンと企画を大事にしています。生産者サクセスチームでは、普段から魅力的な商品作りができる生産者さんを探しています。そしてキャンペーンの際に生産者さんとタッグを組み、商品がより魅力的になるよう相談しながら進めています。

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クリスマス限定商品_バナー

福袋_バナー

(全ての生産者さんが参加できるような公募制の企画も!)

食べチョクにはサービス精神に溢れる生産者さんが多いので、「いや、それは原価割れしませんか…?」という商品も多数(笑)

なかでも一番印象に残っているのは、フルーツの丸末果樹農園さんの24時間限定の七夕ギフト。赤と黄色のさくらんぼ七夕ギフトセットでしょうか。

『七夕ギフト』とは新型コロナウイルス感染症の影響で長く会うことができない、三戸町と東京で離ればなれになっている遠距離恋愛のカップルがきっかけで誕生した贈り物です。
「もうすぐ七夕。あの子は、彼女と織姫や彦星みたいにずっと会えていないんだな。何か贈ってあげられないかな」
そんな園主との話しから、7月7日に彼から彼女への贈り物を考えました。7粒の黄色いさくらんぼ月山錦と、7粒の赤いさくらんぼ(2L~4Lサイズ)を贈り物用にパッケージにし、七夕ギフトが誕生しました。
2人のように長く会えていないカップル。七夕に特別な人への贈り物を考えている方に。7月7日前後の指定日限定で私たちの一番をお贈りします。
(※商品説明から引用)

素敵すぎる...!私たちのチームからは絶対に提案できない商品です。
まさに生産者さんが企画側の期待を超えるWOWの瞬間です。


3) ファン作り:お客さんとのコミュニケーション

「食べチョクではご自身の屋号で販売いただくので、皆様ご自身にファンがつく仕組みですよ」ということを今年は色々なところで、何度も生産者さんにお話しさせていただきました。食べチョクにはお客さまに楽しんでいただけるよう、想像を超える工夫を凝らしてくださる生産者さんが数多くいらっしゃいます。
大好きです。

お野菜のブロ雅農園さんの段ボール。こんなのおうちに届いたら嬉しすぎる。

段ボールといえば、こんなひと工夫を加えてくれる生産者たちさんも。

梱包の工夫

おいもを中心とするお野菜のいろや農園さん(左)と珍しいお野菜を出品される才菜園さん(右)の段ボール。
お分かりいただけますでしょうか...「テープで梱包された段ボール箱が開封しにくい問題」を解消するために、テープの端が折り曲げられていたり、剥がす順番を指定していただいたり。発送前に手作業で、ここまでしてくれる生産者さん。WOWすぎます。好きになってまうやろ。

生産者さん独自の企画でお客様にWOWをお届けしている生産者さんも。
さまざまなトマトを販売するファームアベタさん。
この発想はなかった...好きです。


食べチョクのサイトの中にももちろん愛があふれています。

鮎を出品してくれている湯川水産さん。


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お礼の言葉は「あゆがとうございます」です。リピーターの方(お客様)が真似をして「あゆがとうございます」を使っているのを発見した時には僕の好きゲージが爆発しました。いつもあゆがとうございます。


そしてもう一つご紹介させていただきたいのが、先日発表された食べチョクアワードでも総合1位を受賞された安曇野ファミリー農産さん。シーズン終了時にお客様宛に書かれたメッセージを一部抜粋します。
全文はこちらから

そんな時に突然父が倒れました。そして祖父が倒れ、そのあと祖父は認知症になりました。もうりんごを作ることはできないと思いました。

憧れていた祖父は別人のようになり、私の名前も忘れていました。
「そこの兄ちゃん畑に連れて行ってくんねえか?」と祖父に言われ、
私は「はい。」と言い、畑に行きました。

祖父の代わりに自分の運転で初めて畑に行くと祖父は
「隆一ここは切る。ここは切らない。」
そこには天皇賞を受賞した技術員の姿がありました。

さっきまで名前を忘れていた祖父がりんごの木と私の前だと昔の姿に戻りました。
おじいちゃんは人生をかけて、りんごの研究をしてきたんだと。
そして孫の私に伝えたいんだと。 

涙が止まりませんでした。
祖父の昔からの口ぐせは「隆一にりんご作りの全てを教える」でした。
おじいちゃんの意思を継ぎたい。そしてわたしはりんご農家になることを決めました。
(中略)
海外に負けない祖父のこだわりのりんごを全国の人に届けたい。
大変な世の中だけど一人でも多くの人をこだわりの
りんごで幸せにしたい。

その思いから食べチョク様での販売を始めました。
食べチョク様なら私の思いをお届けできると思ったからです。
(※安曇野ファミリー農産さんのコミュニティ投稿より一部抜粋)


安曇野ファミリー農産さんの真っ直ぐで飾らない言葉は多くのファンに届き、想いが伝わりました。またそれだけでなく運営事務局も、本当に食べチョクを運営して良かった、このサービスは間違ってなかったと勇気をもらうことができました。
(私は何回読んでも涙が出んですよね、これ。歳かな。うっ...)

2021年への"覚悟"

書いているうちにいつのまにか私の生産者さん達に対する愛を吐露するコーナーになってきて、だいぶ趣旨からずれきたので(笑)、この辺りで筆を置きたいと思います。今回ここでご紹介した生産者さんは本当に氷山の一角。まだまだ紹介したい生産者さんがたくさんいすぎて、この領域においては無限に語れるのですが、それはまた次の機会に。(なにしろこの記事では一切商品に関する感動には触れてないですからね笑)

私がお伝えしたいのは、食べチョクには本当にお客様想いで魅力的な生産者さんがたくさんいて、このサービスに一番生産者の皆様に近いところで関わることができて本当に幸せだということです。

まだまだ私は生産者としては一年生で、これからは自分の圃場の未来も作っていかなければいけない身です。つまり普段仕事で関わる生産者さんは、皆さん私の先生であり先輩です。憧れの先輩生産者さんがお客様に最大の満足をお届けしている様子を目の当たりにし、愛も尊敬もますます深まるばかり。そしてそんな生産者さんのサクセスに携わることで、いつのまにか人として救われているのが自分だったりもします。来年はさらに生産者さんのサクセスに寄与するとともに、自分の生産者としての道もしっかりと拓いていきます。

もう数時間後にやってくる2021年はどんな年になるでしょうか。
そんなことは正直誰にもわからないし、なるべく良い年になることを願うことしか僕たちにはできない。でも、きっとお客様想いの強くしなやかな生産者さん達と、そして食べチョクの仲間達となら、どんなことが起きても乗り越えていける気がする。

いや、乗り越えてられるように毎日を過ごしていこう、と強く思うのです。

2021年はいい年になりますように。
みなさま、良いお年を。

(感想・コメント・叱咤激励はTwitterなどでいただけると嬉しいです!😁)

#私の仕事


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