見出し画像

農業情報プラットフォームを作る

【はじめに】農家さんとの出会い

そもそも!なぜこんなことを始めようと思っているかを伝えたいです。

大学生である僕が農業に入り込んだきっかけは、農家さんに出会ったことでした(当たり前ですが笑)。

新規就農で、食育活動や地域の活動にも積極的に取り組んでいる方や、農業界が魅力的になるようにと人が来る畑を作る方もいました。
とてもアグレッシブで、楽しそうで、ワクワクする、そんな姿を見ていて、素敵な思いを持ちながら農業をしている姿がかっこよく見えました。
それが農業に惹かれ、魅了された理由です。
「この業界に浸かってみたい。」と思い、各地の農家さんを訪ねました。

【現状】農業界の事情

多くの農家さんとの出会いや話の中で、農業界というものが若干見えてくるようになりました。

【見えてきたこと】農業が広い知見を持つ専門職であること

農業とは立派な専門職です。
さらに言うと、広い知見を必要とする専門職です。
農家さんはよく農薬や、土壌のpH, ECについて話したりしています。植物生理についても学び、植物ホルモンや休眠、代謝産物にまで目を向けています。農業機械についても、「自分で直せなきゃ、お金かかるじゃん」と、トラクターを自分で直しちゃう農家さんもいます。
その会話の中では多くの化学用語や専門用語が飛び交い、一般人にはとても理解できないものです。

また、農業は知識を持って応用する力が必要とされます。
圃場の形や傾斜、土壌の質、降雨量、日射量、風量など、全く同じと言うものはなく、その圃場ごとに質が異なります。それを見極め、知識を応用させることで、圃場に対する投資を行います。それは必ずしも良い結果と言うわけでなく、try-and-error で経験をつけていきます。
農業は経験と言われる所以もわかります。

さらに、農家さんは事業主でもあります。新規就農者はベンチャー企業です(農家さんが言っていました)。当たり前なんだけど、非農家からすると忘れてしまうことでもあります。
つまり、農家さんは経営を行わないといけません。もちろん、会計や事務作業などもあります。さらに、個人向けに売り出している人はマーケティングやブランディングも行う必要があります。やるべきことは無限に出てきそうです。
普通の企業でさえ、頭を悩ます部分でもある経営を栽培と共に行なっているのです。コンサルという仕事が農業にあってしかるべきでしょう。

農家さんは専門的な栽培と経営を同時に上手に行う必要があり、広い知識と経験が必要です。

こうした前提で、経験も知識も少ない新規就農者が戦い難い状況です。栽培だけでも、専門的な知識経験の薄い新規就農者は不利です。そこに経営を行うスキルまで含めると、自立するのですら大変だと思います。実際、5年以内の離農率も3割になります(農水省統計より)。
「経験から学べ」とすると、本当に10年とかかかってしまいます。その長い期間(試行錯誤期間)でしっかりと生計を立てるというのはあまりにもリスクが大きく感じます。

経験はやった事があるか、ないか。
知識は知っているか、知らないか。
前者後者で、コストにかなりの違いが出てきます。しかし、知っていれば行動を起こせるが、知らなければ経験にすら至れないです。
知っているという前提が重要そうです。つまりノウハウです。
農業界をノウハウの視点から見てみました。

【課題】農業ノウハウ

そもそも、農業界で栽培や経営のノウハウはどこで築かれているのか。

・口コミ(人から人への伝達)
・マスメディア(新聞、本など)
・Webメディア(インターネット)

これらが主流だそうです。特に口コミの力は強く、わからないことがあれば取り敢えず電話して聞いてみることも多々あるそうです。確かに、自分の地域の人に聞いたことは一番保証されると思います。それは土壌成分や気象条件がほとんど等しいとできるためです。マスメディアやインターネットも自分の知らない知見をうまくかき集めて、多くの人に知らせてくれます。
しかし、これらの情報媒体だけでは賄えない部分も存在しています。
そこに着目しました。

農業ノウハウのニーズ(必要なセグメント)

①情報伝達のスピード
情報伝達のスピードはインターネット媒体ほど早く、新聞や本など発信源の時間に拘束されるものほど遅くなります。農業のWebメディアが多くなってきたのも最近の話です(僕の知る限りでは)。口コミのように情報を人から人へ繋ぐものは時間が多くかかります。その代わり情報量は多いでしょう。

②情報の方向性
情報の方向と言っても、何を意味してるかわかり難いかもしれないです。
ここで言いたいことは、情報の発信源から情報が投げられるだけで、受信側からの再発信は出来ないということです。口コミなら、その場で農家さんと話し合うことが出来ますが、新聞は語りかけても対応してくれません。

③現場に近い情報
Webメディアや新聞などのマス媒体では、現場から少し離れた視点で話がされる。これは当たり前のことで、ライターが現場に行って書くためです。しかし、農業のように実践(経験)が重要な位置を占める場合、現場に最も近い、生の情報は非常に大切なものだと思います。

④体系的な情報
知識や経験などはまとまっていること(体系化)で効果を発揮します。わからない事があった時に、調べて使える。これが正しい情報のあり方ですよね。
農業でも同じく、わからないことや困ったことを解決してくれるツールとして、情報は体系化された状態で保存されるべきです。

農業界のノウハウをため込み、いつでも使える現場の情報置き場があれば、必要な広い知識を得る事ができ、身の回りの問題解決を行えると考えています。
ノウハウを知ることで、自ら共有していくことで、さらに自分たちの農業を発展していける。そんな農家さんたちに利用して欲しいです。


【プロダクト】作りたいもの

農業の情報共有プラットフォーム

Tonbeeは鳥の鳶が由来。鳶は次の日の天気を教えてくれる。そんな未来の農業を導いてくれるようなプラットフォームにしたい、という思いから。

農家さんが有益だと思う情報を共有したり、質問したいことをインターネット上に公開して、コメントや回答を得るサービスです。
農業版の知恵袋やnoteだと思ってくれたらわかりやすいかもしれないです。

主な機能
①投稿機能
ユーザーは現場の有用な情報を公開し、共有する事ができる。またコメントなどでやりとりも可能。質問を投稿する事で、全国の農家さんから回答が返ってくる。
②フォロー機能
ユーザーは有益な情報をもらえるユーザーをフォローしたり、気になるトピックをフォローする事ができ、ホーム画面ではそれらがタイムライン式で流れてくる。
③カテゴリー&トピック機能
投稿された情報はカテゴリーとトピックに同時に分類され、検索する事ができる。
④ログ機能
その日一日の作業記録を書き出す事ができる。公開、非公開設定もつける。⑤気象情報グラフ
気象情報と照らし合わせながら使える情報なのかを判断してもらう。客観的な情報に基づいた投稿ができるような整備。

【プロダクト】僕らのコンセプト

①情報の共有
農業の情報はもっとオープンになっているべきだと思います。人知の発展は共有によって生まれました。使った事のない農業機械はレビューを聞きたいし、虫が多く出てしまった時には、対処法や予防法が知りたい。ハウスの張り方や、台風対策を教えて欲しい。多くの人が気軽に情報を交換できば、小さな発展が生まれ、いつかは大きなものになると思います。

②情報の蓄積
年々、気象状態も大きく変化してきています。そんな時に仲間農家に伝えられることはないでしょうか。霜から守る方法は? 高温に耐えられる品種は?
そんな少しずつの事が積み重なれば、生きる情報になると思います。

③新しいアイディア
それぞれが持つ知恵を集めて、また新しい知恵を生み出す。そんなサイクルを繰り返して、日本の農業をスピード感を持って発展させたいです。

④体系化された情報
情報はまとめておくべきです(先ほど言いました笑)。いつでも使える形にして、新規就農者で何もわからない人、最近新しい機械の導入で悩んでいる人など、ピンポイントで欲しい情報を届けられるようにしたい。

【最後に】

僕の出来心で始めたこのサービスを通して、"農業界"が盛り上がって欲しいと思っています。農家さんも農機屋さんも資材屋さんも。みんなが少しずつ力を合わせれば、ポテンシャルしかないこの農業界もっと大きくなると思っています。「やっぱり農業といえば日本だな。」なんて外国人に言われたらとってもcoolです。笑

これまで、多くの農家さんと関わってきました。かっこいい姿も見てきたし、厳しい現実を一緒に見させてもらいました。色々な経験の中で、畑が好きになり、農家さんのことが好きになりました。そんな農家さんのことを少しでも支えることができたら幸せだと思って動いています。

-----頑張るぞ!!!