暮しの手帖さん達①

暮しの手帖第5世紀28号

2024年1月25日発売の「暮しの手帖」早春号でご紹介させて頂いた「春待ちキャップ」。素晴らしいメンバーに恵まれたこの時の制作について、少し書いておきたいと思います。

小山内さん(拙著の編集をして下さった方)が暮しの手帖編集部の平田さんと一緒に私宅へ来て下さったのは、2023年春のある日のことでした。
初めてお会いした平田さんは、優しくて明るい素敵な方。すぐに打ち解けてお話しさせて頂き、女子会のようで、とても楽しかったのを覚えています。その日は顔合わせのつもりでしたが、サンプルをご覧頂いた途端、彼女の顔がぱっと明るくなって「わー!かわいい〜」って。「(早春号発売の)1月下旬は寒さが底を迎えているけれど、レモンイエローの日差しが心を明るくしてくれるような季節。軽やかな素材や色に惹かれる…」。そんな私の話を一心にメモして下さり、編集部で検討して頂けることになりました。ちょっと神がかったひとときにびっくりしましたが、同時に、この話はきっと上手くいく、そんな確信めいたものも感じていました。これまでの経験から、良い仕事になる時は、ご依頼の前に作品やデザインが出来ていることが多いのです。そして実際に企画が動き始めたのは「あみものノート」(文化出版局刊)が校了したすぐあとのことでした。

その日の仕事部屋

このキャップはとてもシンプルです。なので幅広い年齢の方に身に着けて頂けたら、また、読者の方々に口絵(写真)ページに自分を重ねて頂けるように、という皆の思いがありました。それで日々の生活の一場面として撮影すること、性別・世代の違う方々にモデルをお願いすることになりました。そうして決まったのが、写真家のアミタマリさん、息子さんの飛立(ひたち)さん、料理家・エッセイストの麻生要一郎さんでした。写真は川島小鳥さんにお願いしました。小鳥さんの写真は、「人」がその人らしく生き生きとしている、そしてどこか明るい。そんなところに惹かれました。

(つづきます)

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