見出し画像

腐ったミカンと奇妙な硬貨

チームでお仕事をしていて、リーダー的な立場にいるあなたへ。あなたが決めた規格というものがあります。ご多聞にもれず、規格外の人は必ずチームにいます。

そんな人を「腐ったミカン」とするか「奇貨居くべし」と捉えるかで随分と評価が変わるんだろうなと思います。


「腐ったミカン」

というのは暗喩です。腐ったミカンが箱の中に入ってると他のミカンまでだめになるという意味です。そんな人などいないぞ!このバカチンがあ!

と、言いたいところだけどね。

腐ったミカンではないのに「お前はダメだ」、と烙印を押される人もいるし、腐ったミカンであることに偉い人が気付かない類の人もいます。

腐ったミカンとは、いると他の人の足を引っ張ったり、他人をダメにする人間のことです。

具体的な言動は色々ありますが、他の人を否定しかしない、他人に厳しく自分に甘いことを公言して憚らない、公私混同するような人のことです。

こういう人はどこに行ってもいます。今のところ、僕には深く関わらないことしか対抗策がありません。他の対抗策もできるようになれたら楽だなあ。

「奇貨居くべし」

きかおくべし、と呼びます。

バイト先でお会計をしていた時のことです。2400円の買い物した年配のお客様がいました。その人が500円玉を持っていなかったかはわかりません。

とにかく、年配のお客様が五百円札を使ってお会計しようとしたことが大事なのです。

流通量が少ないからしかるべき所に行けば500円以上の価値になることは間違いありません(こういう知識を僕はこち亀で仕入れました。こち亀の連載が終わって久しいですが、今の子ども達って「知ってると得する」知識をどうやって得てるんだろう。鬼滅かな?)。

何より年配のお客様が頼れるのは結局のところお金なので、こんなところで使わないようお願いしました。そしてお客様は世界の野口を3枚生贄に捧げ、600円を召喚しました。

どこかが変わっているが、貴重な物だから大事にする。これが「奇貨居くべし」です。

「奇貨居くべし」を続けると待っているのが「鶏鳴・狗盗」です。「キングダム」の前の時代に成立しました。そんな言葉が今でも残っているということはある程度再現性が担保されていると考えて妥当でしょう。

本来は四字熟語として「鶏鳴狗盗」(けいめいくとう)と使うのが正しいです。しかし、鶏鳴と狗盗は共通の登場人物の出てくる別のお話なんです。「ドラえもん」の「バイバイン」と「アンキパン」だと思ってください。

昔の中国に支援してる友達が3000人いる孟嘗君(もうしょうくん)という人がいました。学生向けのアパート経営してる大家さん、というイメージが近いです。にしても3000人は多いな。

孟嘗君が支援する条件が「何か一芸に秀でていること」でした。支援する人達の中には高学歴な人が多かったようです。

しかし、学歴がないのに支援している人たちもいました。その中にはもはやボーカロイドクラスのモノマネ師やルパン並みの泥棒までいました。

このモノマネ師と泥棒が活躍した故事はタイトルつきで現代に伝わっています。

それぞれ「鶏鳴」と「狗盗」です。

その頃の中国は各地方に王様がいて、それぞれ勝手に独立国として主張していました。

孟嘗君は政治にも大きな影響力がある人でした。学生向けのアパートを複数経営していて政治家としてもめっちゃ優秀なDAIGOってイメージです。

そんな孟嘗君が住んでいた国、「斉(せい)」を潰そうとしたのが「秦(しん)」です。秦の王様は孟嘗君を自分の国の総理大臣にしようとしました。しかし、どこかの誰かがデマを流したせいで、孟嘗君はホテル待機させられ殺されそうになるんです。

オファーを受けようとしただけなのに。


孟嘗君はまだ死にたくないんで、どうにかして殺す命令をキャンセルしようとしました。すると、秦の王様のお気に入りの女に、秦の王様にあげちゃった服を渡せば命が助かるとわかりました。

はい、泥棒の名人の出番ですよ。泥棒名人は上手いこと服を盗み出し、孟嘗君のホテル待機解除をアシストしました。これが「狗盗」です。「キツネの毛皮の服を盗んだ」って意味です。

軟禁されなくなったとはいえ、秦の国を脱出しないといつ殺されるかわかりません。夜中にこっそり逃げ出した孟嘗君一行は、鶏の鳴き声を合図に開門する関所(空港の搭乗口とか駅の改札)に夜の2時頃着きました。

鶏は別の一匹が鳴きだすとそれに続く習性があります。ただ、とんでも無く昔の中国です。紙すらない時代の中国です。イエス様生まれてません。当然、iPhoneもYouTubeもWi-Fiも飛んでない。

なので、孟嘗君の友達のモノマネ師が鶏の真似をし、本物の鶏がそれに続く。

そして、関所が開く。

こうして孟嘗君は秦から脱出できました。

時代を問わず、西洋も東洋も関係なく、

「自分が及ばない」友達を作れ、

という主旨の言葉は今に伝わっています。

そうしたら成長することに貪欲でいられる。貪欲で頑張り続けるのがどんどん難しくなっている世の中です。いい友達や一芸に秀でた友達に囲まれることで変化の波に対応していけたらいいな、と思ってます。












頂いたお金は本代にありがたく使わせていただきます。