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【映画感想】すずめの戸締まり【ネタバレなし】

総括

「すずめの戸締まり」観た!
大筋はおもしろい!ファンタジー要素と少女の成長物語。
コミカルさもありつつ、近年では一番重い内容にもなってたね。
終盤近くで演出の上手さも合って涙こぼしちゃった。
ただ、ファンタジー設定がちょっと説明不足だったんじゃないかなって個人的に思ってます。
それが最終的にノイズだったかな

感想

今作は「君の名は」、「天気の子」の新海誠監督の最新作。
ガールミーツボーイの座組で、少女が旅をしながら成長を描いていくロードムービー。
ジブリへのラブコールと、正直面白くなかった「星を追う子ども」で扱ったガッツリファンタジー要素へのリベンジに挑戦してる作品だったね。
「もののけ姫」、「となりのトトロ」、「魔女の宅急便」とか観てるだけでもあれ?これって?って気づくぐらいにはジブリリスペクトが全力。
全体のストーリーやテンポは新海節があるものの近年で一番印象が丸い作品に仕上がってます。
音楽もRADWIMPSと陣内一真さんと共作ということで劇伴としての質が非常に上がってます。
MVと揶揄して最近の新海さんを敬遠してるひとは今作はおすすめかもしれない。
今作で気付かされたのは、ボーイ・ミーツ・ガール、ガール・ミーツ・ボーイの座組は扱ってるんだけど「震災」をずっと新海さんは扱ってるなとしっかり気づかせてくれたんだよね。
劇場で配られてた冊子にも書いてあったんだけど、
震災”阻止”する「君の名は」
震災”受け入れる”「天気の子」
そして今作は、震災”寄り添い悼む”作品だったよね。
だから、描かなければいけないところを真正面から描いているし、それに胸が苦しくなって落涙してしまったのよね。

ただ、個人的には大筋のファンタジーは良かったものの・・・。
PVに出てくる猫、ダイジンの説明やキャラのケアが甘すぎる。
そのせいで、観終わったあと・・・ダイジンの行動原理は飲み込めるけど存在と価値が飲み込めん。
あまりに意図的に隠しすぎた結果じゃないかなと自分は思うんだけれど・・・。
ダイジンの存在が今作のファンタジー要素では”要”だったので、最終的にだいぶ有耶無耶にされた感が強いのが残念。

そんなわけで、近年では一番丸くて、見やすい映画にはなっている。
ファンタジー要素も基本的には成功しているが、ちょっと雑な部分が見えるかな。
あとは丸くなったことで・・・「君の名は」、「天気の子」は誰かの中の一番を取れた可能性が強かったんだけど、今作は誰にとっての一番にはなりづらい作品じゃないかなという評価です。
新海監督、本当にエンタメ作品つくるの上手になったよね。
「天気の子」まではまだ不安が拭えなかったんだけれど、今作で正真正銘のヒットメーカーに成ったんだなと感じました。

(71点/100点満点中)


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