親知らずを抜く為に、入院をした。その①

 ここ最近、歯の痛みが気になってしまってしょうがなかった。
 ある日行きつけの歯医者さんでいつもの点検をしていた際によく「全体的に問題はないんだけど、親知らずの部分がね・・・」と険しそうな声でよく言うようになっていた。
 確かに、妙に奥歯に違和感を覚えるようにもなっていた時期だから、これを機に一気に全部抜きたいと思い、今日に至っている。

 一日目では、まず事前のアンケート用紙を書いていく。アレルギーはないのか、服用している薬などはあるのか、早歩きはどれくらいかかるのかといった質問が多かった。担当医と思われる、白髪だらけの還暦中盤と思われる医師からは、俺が口ごもったりすると、同じ質問に圧(そこに声色を変えている感じ)を入れて出してくるので、答えるのに必死だったのを思い出す。時代ゆえのコミュニケーションとでもいうべきなのか(?)。

 そして、この日の昼食。ロールキャベツ・ほうれん草と茸と卵のまぜたもの・玉ねぎとパプリカの膾・大豆(というより、若干きな粉っぽい?)のプリンといった、如何にも健康を意識しました感のあるような献立だった。満腹とまではならなかった。

 そして、その日の0時以降から【食べること】、翌日の午前9時から【飲むこと】をそれぞれストップさせられる。吐いてしまった際に胃に食べ物が残っていると、誤嚥性肺炎になってしまう恐れがあるかららしい。麻酔の副作用で、吐いてしまう可能性もあるらしい。
 まあ、前日から普通に怖い緊張すると言った感情の方が圧倒的に勝っていたので、言うほど何も口にできなかったんだが……😅

 この日の夕食は、玉ねぎ・ピーマン・人参・豆腐・鳥そぼろの煮物、出しのきいたシーチキン、切り干し大根とキュウリの和え物、キウイという献立だった。お盆で運ばれるところからもう、小中学生の頃の給食みたいだなとしんみりした。キウイは苦手だったので、唯一残した。

 この病院は夜9時には消灯というルールになっている。しかし、眠れない。寝ようと思ってても、麻酔で眠っている最中に鼻の穴にチューブを通して呼吸用装置を動かしていると考えただけで怖そうだと感じたからだ。

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