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「こういう時なんと言えばいいか」問題


家を出る時は「行ってきます」だし、漫才を終わらせる時は「もうええわ」だし、どんな状況にも必ず選ぶべき最善の言葉が存在する。例に挙げたようなシンプルな状況であればその選択を間違えることはないだろうが、人間同士の感情が複雑に入り組んだデリケートな状況において、それを瞬時に選択することはなかなか難しい。

例えば仲の良い友人が目の前で意中の女の子にフラれた時、あなたはどんな言葉を投げかけるだろうか。空気を壊すことなく、相手を傷付けることなく、あなたは最善の言葉を選択することができるだろうかーー。

みなさんこんにちは。正しい言葉の選び方を世に発信し続けて十余年、ベストワードクリエイターの松真ユウと申します。

私は今まで、多くの人が抱いている「こういう時なんと言えばいいか分からない」をもれなく2秒で解決してきました。私が指導した生徒達は皆、口を揃えてこう言います。

「先生のおかげで地球の居心地がよくなりました」

そうです。私の手にかかれば、どんなにデリケートな状況でも瞬時に最善の言葉を選択できる夢のような能力が身に付くのです。もう怖がる必要はありません。不要な対人トラブルは、少しの工夫で簡単に回避できるのです。

そんなワケで今回は、私が過去に作り出した「状況別のベストワード」を一部抜粋(全部で5000パターンくらいある)して紹介していこうと思います。この記事を読めば、あなたの言語中枢が刺激され、言葉を選ぶセンスとスピードが鍛えられること請け合いです。

■Lesson1:友人が受験に失敗した時


受験は人生を大きく左右する一大イベントです。志望する学校の入学試験に落ちた時の絶望感は、当然ながら当人にしか知り得ません。ましてや同じ学校を志望していて、自分だけがその学校に合格したとしたら…最悪の場合、友人との関係が壊れてしまう可能性もゼロではないと思います。そんな時は、優しく肩を叩きながらこんな言葉を投げかけましょう。

「空は下から見上げたほうが綺麗だよ」


弱ったメンタルとロマンチックの相性は抜群。一見、相手のことを見下しているように感じるこの言葉も、落ち込んでいる友人の心にはストレートに響くハズです。自分が受かって相手が落ちたという事実がある以上、その構図自体をなくすことは不可能。重要なのは、抽象的な表現でその印象を緩和することなのです。また、空というスケールの大きなものを引き合いに出すことによって、受験の失敗が実はちっぽけなことであると暗に伝える狙いもあります。

■Lesson2:上司に鼻毛が出ていることを指摘する時


鼻毛が出ていることを教えてあげるべきかどうかは、意見の分かれるところだと思います。しかし、教えてあげない派の方々はその鼻毛が孕んでいるリスクに気付いていないのではないでしょうか。例えば、上司の無防備な鼻毛が原因で大事な商談が破談してしまったら、巡り巡って自分の首が締まる可能性もあるのです。言い換えれば、上司の鼻毛に自分の首を絞められる可能性があるワケです。相手に恥ずかしい思いをさせずにリスクは回避したい…そんな時は、鼻毛付近をじっと見つめながらこんな言葉を投げかけましょう。

「部長、鼻毛から鼻の位置がズレてます」


鼻毛が鼻から飛び出しているのではなく、鼻が鼻毛を置き去りにしていると教えてあげてください。人間の感覚とは不思議なもので、鼻毛主体で考えると恥ずかしく感じるのに、鼻主体で考えるとそこまで恥ずかしく感じなくなります。あなたの指摘を聞いた上司が鼻毛を鼻に押し込むのではなく、鼻毛の位置を固定したまま鼻(顔)をスライドさせて事なきを得たらあなたの勝ち(鼻毛を抜いたら鼻毛が主体の行動になるので負け)。今夜の大事な商談は、滞りなく成立することでしょう。

■Lesson3:彼女のオナラを聞いた時


気兼ねなくオナラができる関係になることは、付き合いたてのカップルが最初に迎える関門です。特に女性はオナラを恥ずかしがる傾向が強く、そのためだけにわざわざトイレに移動する人も少なくないと聞きます。しかし、オナラはいつ何時やってくるか分からない厄介な生理現象。予期せぬタイミングで彼女がやらかしてしまう可能性を考慮して、彼氏は常に万全の受け入れ体制を整えておかなければなりません。もちろん、重要なのは彼女に恥ずかしい思いをさせないこと。明らかなオナラの音が聞こえた時は、数秒の間を置いてこんな言葉を投げかけましょう。

「臭すぎてなんか興奮してきたわ」


オナラをする彼女とそれを嗅いで興奮する彼氏。どちらの方が恥ずかしい人間であるかは言うまでもありません。そんなあなたを見兼ねた彼女がさらに上を行く恥ずかしいセリフを投下してきたら(例:だったらもっと臭くしてあげようか)、そこから先は恥とプライドを賭けたチキンレース。お互いがそれぞれの優しさに気付くのが先か、どちらかがどちらかを嫌いになるのが先か…いずれにせよ、彼女のオナラの記憶は匂いとともに消え去ることでしょう。

■Lesson4:母親にAVを観ているところを見られた時

人生最大のピンチです。上手く誤魔化さなければ一巻の終わりです。万が一AVを観ているところを母親に見られてしまったら、なりふり構わずこんな言葉を発しましょう。

「母さん…父さんが出てるんだけど…」


後先を考えているヒマはありません。優先すべきは、とにかくこの場を乗り切ること。母親が良い感じに絶句したところでテレビの電源を落とし、悲しげな表情で「ちょっと散歩してくるわ…」と告げて一刻も早くその場から脱出しましょう。なお、父親を売ったことに罪悪感を感じる必要はありません。あなたの父親だって、同じ経緯で祖父のことを売っているハズです。

■Lesson5:子供に「赤ちゃんはどこから産まれてくるの?」と聞かれた時


当然、幼い子供に真実をすべて教えるわけにはいきません。かと言って、明らかな嘘を教えるのも子供のためにはなりません。精子、卵子、性交…といった専門用語は当然NG。大事なのは真実に方便とメルヘンを織り交ぜつつ、子供にざっくりとしたイメージを掴んでもらうことなのです。真っ直ぐな眼差しで子供が件の質問を投げかけてきたら、絵本を読み聞かせるようなテンションで優しくこう言いましょう。

「お父さんの斧をお母さんの池に落とすと中から神様が赤ちゃんを連れて来るんだよ」


この文章だけで、赤ちゃんを作るためにはお父さんとお母さんの協力が必要であることは十分伝わります。難しい言葉は必要ありません。露骨な嘘も必要ありません。なお、お父さんの斧・お母さんの池という言葉を少し卑猥に感じるのはあなたがスケベな大人だからです。純粋無垢な子供は、実際のお父さんの斧がカチカチであること、実際のお母さんの池が…(以下、自粛)とにかく、そんなことは知る由もないのです。


…というワケで、今回の講義はココまでです。


今回紹介した状況以外にも、言葉に詰まりやすいデリケートな状況は多数存在します。もし「こういう時なんと言えばいいの?」と疑問に思うことがあれば、いつでも私に相談してください。もれなく2秒で解決して、必ずや貴方の人生を豊かにしてみせましょう。


文:松真ユウ
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