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コンビニの店員さんにも只者じゃないと思われたいby松真ユウ


人の記憶に残りたい。人の脳に自分という存在を植え付けたい。誰からも相手にされない人生なんてあまりに虚しすぎるからーー。

こんにちは。記録より記憶に残る男・松真ユウです。

皆さんは過去にこんな経験をしたことがないだろうか。

・初対面じゃない人から「はじめまして」と言われた

・友人から自分も参加していたハズの飲み会でのエピソードを聞かされた

・合コンをした女の子に街で声をかけたら「あんた誰?」と言われた


これらの経験をしたことがあるそこのアナタは、残念ながら人の記憶に残らないタイプの人。昔の友人にはもう絶対忘れられているし、次の同窓会には絶対呼ばれないし、早いところ何か手を打たなければこれからの人生で何度も虚しい思いをすることになるだろう。

そこで今回は、そんな方々を救うべく「人の記憶に残る振る舞い方」について考察してみようと思う。

考察の舞台はコンビニ。

毎日無数のお客さんと接するコンビニの店員さんは、いちいち見ず知らずのお客さんのことなど記憶しない。そんな店員さんに「コイツは只者じゃねぇ」と思わせることができれば、自分の存在をアピールできたことの証明になる。店員さんの記憶に残るために買うべき商品は何なのか、そして、レジにおいて取るべきアクションは何なのかーー

存在感がティッシュの片割れよりも薄い残念なアナタは、このコラムを読んで無色透明な人生に彩りを加えていただきたい。それではいってみよう。


①【鬼ころし(180ml)&履歴書】を買う

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店員さんに手っ取り早く只者じゃねぇと思わせる最強の組み合わせがコレ。

鬼ころし単品だとただのヤベーヤツ(偏見)だが、履歴書が加わることで店員さんのバランス感覚は崩壊する。

人の記憶に残るために最も重要なのは緊張と緩和。さらに、その人の背景にある物語を想像させることも肝要だ。

「鬼ころしなんて攻撃的な名前のお酒と履歴書を買うなんてどういうことかしら。鬼をころす仕事かな?」とか、「この鬼ころしはきっと、酒浸りだった毎日に別れをつげる最後の一杯なんだ……明日からはそう、もう4年も会ってない娘に会うために…仕事に就いてきちんと働くつもりなんだわ……頑張ってください!」とかいう気持ちが店員さんの心の中で芽生え、仕事中も帰宅後もアナタの行く末を案じてくれるようになる。


②【ペットフード&七味】を買う

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「この人は相当切羽詰まってんのかな」
「でもちょっと美味しく食べようとしてんな」
「そもそもペットフードはそんなに安くないから単純に好きなだけなのかもしれないな」
…などなど、店員さんの脳内で様々な感情が渦巻く魅惑の組み合わせ。

読者諸氏の中には、「いやいや、ペットフードと七味を買っただけでそこまで想像力を働かせる人いないでしょ、強引だわ」なんて思った方もいるかもしれない。だが、この2商品をレジに持っていきつつ、「お箸も付けてください」と言えばどうだろう。決定的だ。ヤベーヤツ決定だ。

店員さんに「あの~コチラ、ペット…」と言われたら、ニヤリと笑おう。もうダメ押しである。なお、商品に「ヒューマングレード」と表記されているペットフードは実際に人が食べても平気らしいので、細心の注意を払い、これを除こう。


③【祝儀袋×50袋】を買いつつ「ココのATMは何百万まで下ろせますか?」と聞く

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一度に祝儀袋を50袋買うヤツはこの世にいないため、その行為だけでも顔が広くて金持ちなヤツというオーラを醸し出すことができる。トドメを刺す感じで、店員さんに件の質問を投げかけておけば万全。「いくらまで〜」ではなく、あえて「何百万まで〜」というウザい聞き方をすることで、あなたの存在は店員さんの脳により深く刻まれる。

店員さんが「20万までです」と返答してくれたところで、優しく微笑みながら「300万下ろしたいんで今日から15日連続でお金を下ろしに来ます」と告げれば完璧だ。次にコンビニに行ったら店員さんに求婚されるかもしれない、というオマケまでついてくるぞ。

ちなみに、この③番の技を使った翌日に①番の「鬼ころし&履歴書」ムーブを繰り出せば、店員さんの心をよりかき乱せること請け合いだ。


④晴れの日に息を切らしながら【ビニール傘&ストッキング&ピザまん】を買う

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もはや状況が意味不明すぎて、逆に店員さんの記憶に残ること請け合い。緊急時に購入する商品の組み合わせは、普通その背景を連想させる。例えば、マキロンと絆創膏を買ったら店員さんは「どこかを怪我したんだな」と思うだろうし、乾電池と携帯式充電器を買ったら店員さんは「スマホの充電が切れたんだな」と思うだろうし、そこに疑問が生じるケースは少ない。しかし、ビニール傘とストッキングとピザまんの組み合わせに限っては100%推測不能。急にそれらのみが必要になる状況なんて、『ビニール傘をさして、ストッキングを履いた人がピザまんを貪り食う』そんな前衛的なパフォーマンスアートか、黒魔術の儀式の場合しかないため、店員さんはなるべく目を合わさないようにその場をやりすごし、帰宅して寝て悪夢にうなされるのだ。


⑤【キムチ&にんにく&コンドーム】を買う

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デートの前日ですら控えるべき食べ物を本番直前にムシャムシャ食べる…という破天荒っぷりを見せつける男らしい組み合わせ。

「エチケットなんてクソ喰らえ、むしろクソを喰らうのはこのオレだ」

そんなメッセージが伝わってくるこの組み合わせは、店員さんの一生の記憶として残る可能性すら秘めている。もちろん、コンドームは店内にある商品の中で最もサイズが大きいもの(もしくは最も高価なもの)を購入するのが基本。そうすることによって、二つの意味で芯が太い男であることを暗にアピールする狙いもある。


…とまぁ色々と考察してみたものの、ダラダラと机上の空論を並べられたところで全く信用できませんという方も多いことだろう。そこで今回は、これらのテクニックが本当に通用するのかどうかを実際にコンビニに行って検証してみようと思う。

実践するのは⑤「キムチ&にんにく&コンドーム」。商品をレジに持って行った時の店員さんのリアクションが今から楽しみで仕方ない。



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家から徒歩3分のコンビニに到着。なんだろう。まるで勇者になった気分だ。この扉の先に何も知らない生け贄(店員さん)がいることを想像するとニヤニヤが止まらない。

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過去に何度も買ったことのある「国産白菜使用のキムチ」。心なしかいつもより美味しそうに見える。

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にんにくが置いてなかったから、おつまみコーナーにあった「つまみにんにく」で代用。うむ。体中に力が漲ってくるようだ。無事に任務を完遂したら、今夜はコレをつまみに祝杯をあげよう。

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コンドームがレジの目の前にあるのは予想外だった。最薄の「オカモトゼロワン」も捨てがたいが、今回は最も高価な「オカモトの薄型0.02」に決定。よし。準備は整った。早速これらを持って生け贄(店員さん)の元へ向かおう。

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生け贄(店員さん)はおそらく20〜30代の女性。すまし顔でレジに商品を並べたら、ほんの一瞬目が合った。マスクの裏の表情は若干はにかんでいるようにも見える。もしかして恋に落ちたのだろうか。あまりの男らしさに。あまりの芯の太さに。いずれにせよ、その眼差しが他のお客さんには見せたことのない特別なものであることは明白。検証は大成功を収めたと言って良さそうだ。


そんなワケで、今回の検証は無事に終了。数ヶ月後、再びあのコンビニを訪ねてあの店員さんに「僕のことを覚えていますか?」と聞いてみようと思う。そしたらきっと、店員さんは目に涙を浮かべながらこんなセリフを吐くに違いない。

「あなたのことを忘れた日はありません」

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文:松真ユウ
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