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オロロンパガラスとカラスの大集会

トトロの森のような田舎の家に
住んでいた時のことです。

ある日、町で買い物をして
田園地帯を走る道路を家に向かって
車を走らせておりますと

空を暗くするほどのカラスの大群が
私の後を追いかけてきます。

ギャーギャーカーカーという
鳴き声も不気味なら
どこからか湧いて出てきたような
数のカラスにも恐怖を覚え
なぜ私を追いかけてくるかも謎でした。

家に着くと、斜め向かいにある枝の
広がった松の大木にカラスが
集まっていました。

どうもその日は、近隣のカラスが集まる
大集会がその松で開かれている様子でした。

観察していると、カラスは階級社会の
ようでした。
トップのカラス以下、下っ端に至るまで
日々の役割が決まっているようで

家の近くの電信柱に常駐していたのは
「オロロンパ」と鳴く
オロロンパガラスでした。

カラス同士で呼びかけ合い
合図を送ったりして
業務連絡をしている模様。

こんな調子で集会の段取りも
決まるのだろうか?
彼等はどんな方法で特定の日にちと
場所を確認しあうのだろうと
思ったものでした。

カラスはよく集団で喧しくトンビを
追いかけていましたが
トンビがスイと尾羽を動かし
瞬く間に上昇し

遥かな高みから下で騒ぐ彼等を
馬鹿にしたように見下ろす様が
いつ見ても格好良かった。

カラスの大集会の行われていた
松の大木は、数年後、松食い虫に
やられて枯れてしまいました

私が住んでいた15年あまりの間に
家の周りの松はほとんど全て
松食い虫にやられて枯れました。

風の強い日など、松が倒れる音が
あちこちで響き、怖かったです。

自然を求めて田舎暮らしを
していたけれど
都会に居るときよりもっと自然の
荒廃を身近で感じた日々でした。

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