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火力発電の特徴と取り巻く環境の変化

2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組みの中で、火力発電の在り方について書いていく。
火力発電は周知の通り、大量のCO2を排出し環境性に優れていないという特徴がある。カーボンニュートラル実現に向けて、火力発電を続けることは好ましくないのは明らか。
脱炭素化と電力の安定供給確保の両立は最重要課題であり、今後の火力発電の在り方はどのようになっていくのだろうか。

火力発電の特徴

日本では、発電方法の8割以上を火力発電に頼っている。
安定的に電力供給できるメリットもある一方で、地球全体に関わる大きな問題も抱えている。
火力発電とは化石燃料を燃焼してできたエネルギーによって発電するシステム。
火力発電の中でもメジャーなものは「汽力発電」である。
汽力発電とは化石燃料を燃焼して蒸気を発生させ、その蒸気を発電機につながったタービンにぶつけて回すことで、エネルギーを生み出す方法。他には化石燃料を燃焼した際の燃焼ガスでタービンを回す「ガスタービン発電」や汽力発電とガスタービン発電を組み合わせてた「コンバインドサイクル発電」などがある。

火力発電のメリット

火力発電が広く採用されている理由を書いていく。
安定的な発電が可能
天候に左右されることなく、燃料があれば安定的に供給ができる
エネルギー変換効率が高い
水力発電の次にエネルギー変換効率が高い
出力調整が柔軟
必要なときに必要な分だけ供給できる
再エネのバックアップ電源として重要
狭い土地でも発電所が建設できる
火力発電所は比較的狭い土地でも建設できるため、コストが低く工期が短い。建設時の制約が少ない

火力発電のデメリット

CO2を大量排出する
地球温暖化対策として全世界がCO2削減に取り組む中、火力発電は地球温暖化を促進させる大きな要因
燃料の価格変動が激しい
日本はエネルギー資源に乏しく、化石燃料は海外からの輸入に依存している。そのため、国際情勢により火力発電の燃料である化石燃料は急激な価格変動が起こりやすい
燃料枯渇の恐れ
この先50年程度で化石燃料が枯渇することが懸念されている

火力発電を取り巻く環境の変化

・近年、原子力発電所の再稼働や再生可能エネルギーの普及により、火力発電の発電量の割合は減少傾向
・火力発電の発電量は依然として全体の6割~7割を占めており、引き続き主要電源を担う
・太陽光や風力等の再エネの増加により、調整力を生かし、再エネのバックアップ電源として果たす役割も担う
・近年のエネルギー情勢の大改革を受けて、世界各国においても火力政策に大きな変化が生じている。一方でカーボンニュートラルに向けた中長期的な取組みの重要性は変わらない





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