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猜疑心のない君

マッチングアプリでの婚活にも慣れてきたが、いろんな人と一気にマッチングをしてしまうと返信対応が大変なため、1人もしくは多くても2人に留めてマッチングし、メッセージを重ねていた。
しかし、じっくりメッセージを重ねてから会うと、自分の中ですでに”話し方”や、”雰囲気”、”表情”までもが完璧に出来上がってしまっており、そのギャップに耐えられない事態に陥る。

メッセージのやり取りだけで身勝手な妄想の恋に落ち、はじまってもいない妄想の恋に破れ、これまた身勝手に擦り切れていく。
やっぱり人って孤独なんだと沁みた。

前回の”目的地に辿り着けない君”のように、リアルで1日過ごしてみることが何より重要ではあるが、まずはアプリのサービスにある”通話デート””ビデオ通話デート”でタイムパフォーマンスを上げることも、謎の無駄傷を負わないために必要だと感じた。

目的地に辿り着けない君のお話はこちら↓


通話デート

朝起きて、マッチングアプリを開く。
AIから届くおすすめの人をチェックしたり、マッチング相手からのメッセージを確認することがルーティン。
最初のころは、間違えて逆にスワイプして”いいね”を送ってしまい、ミスマッチングの返答によく焦ったものだ(笑)
こんな経験から、ありえないスペックや年齢差の方から”いいね”が届くと、”間違えて右にスワイプ”したか、”ロマンス詐欺”と思う自分がちょっとだけ悲しい。でもそれがやっぱり真実とも思う。

さておき、年齢も近くて山登りが趣味のお相手から”いいね”が届いていた。
お相手の顔は、三分の一程度の露出でぼやけており、あまり分からなかったが、自己紹介メッセージがとにかく元気で明るいオープンマインド強めなところが好印象であった。
また、海を愛する人は移り気だが、山を愛する人は一途だ。
昔、誰かが言っていたようなこともこじつけてマッチングした。

即メッセージが飛んできた。
「マッチングありがとうございます!○○と言います!」
そんなメッセージの最初のやり取りがポンポンと早朝から続いた。
「よかったら電話で話しませんか?!」
キタ!!!電話!!!でも早っっ?!いやいや、乗らねば!
早朝のマッチング数分後に”通話デート”を実行した。

自己紹介文のイメージ通り、方言丸出しで底抜けに明るく気さくなお相手だった。当時からも詐欺は多かったが、お相手は、この先が心配になるほど猜疑心のないお方であった。
そんなお相手に安心感を得たわたしは、すぐにリアルでのお食事デートを受け入れた。
しかし、実際にリアルで逢うまでの期間、お相手のプロフ写真は1日置きに変わって非常に落ち着かない様子であった。
顔を半分出してみたり、極端にわからない写真にしてみたり、おちゃらけた変なポーズ写真にしてみたり。
ちょっとした要注意人物状態であったが、やはり一度通話していることが大きな安心材料になっていた。

リアルデート

通話デートの翌週末にお相手が予約してくれたお店へ。
会社の近くまで車でわたしを迎えに来てくれることになった。
アウトドアが好きなお相手だけに、いざという時に就寝できるワンボックスのハイエースで登場。ふむふむ。
気になったのは、ナンバープレートの”ナンバーが1”であったこと。
これが気になるのは、わたしだけであろうか。根拠がないのに引っかかる。
でもお相手にとって大切なナンバーなのかもしれない。
実際にお相手に特別なナンバーの理由を聞いてみた。
「意味ないけど、なんか”1”っていいじゃん?」
まったく意味はなかった。
こんなこと多いよな。こちらが考えるほどお相手は至ってなんにも考えていない。
内心ズッコケ、猜疑心の塊である自分を恥じた。

お店へ到着。
イタリアンのお店と聞いていたが、ピザやパスタの食べ放題のお店であった。
いい歳になってからは食べ放題はコスパ悪すぎだが、初回からなんともほっこり癒される選択(笑)
食べたいものをたくさん食べようではないか!という恥じらいも見栄もなんにもないところがまたお相手らしくて良かった。
安心安全を確保したわたしは、いつもよりオープンになり今までのことや家族の話までたくさん話をすることができた。

年末に近かったこともあり、お正月の過ごし方についての話題に。
お相手は毎年20人ほど、近所の友達家族が実家に集結し、それはそれは賑やかなお正月を過ごすようであった。
大人数が苦手なわたしは、そのような中に入っていけるのか不安を抱いた。
営業や接客業の経験が多く、一見コミュニケーションオバケのわたしのプライベートはわりとコミュ障である。
相変わらず猜疑心のないお相手は、わたしを気に入ってくれてすぐに交際を申し込んでくれた。
早い。展開が早すぎてついていけない。
というか、猜疑心の塊でもあったわたしは、いったん”踏み込んでみる”という勇気も持てなかったし、プロフ写真のように多動なお相手にリラックスできなかったということが大きな理由である。
安心安全 = リラックスではないのだな。
このような時、わたしのような者に”結婚”は一生無理ではないかと思うのだ。

婚活アドバイザー

お相手はお付き合いに発展しなくとも、こうして出逢ったのも何かのご縁だからということで、まずは友達になろうと言ってくれた。
このような懐の大きな方はそうそう居ないだろう。
その時もそう思ったが、お相手は子供を望んでいた。
一方で、わたしは望んだところで難しい年頃であった。この点も外せないポイントだと感じ、やはり飛び込むことはできなかった。
ただ、このお相手にはこころから幸せになってほしいと願った。

そして、気になっていたプロフ写真の異常な変化についてヒアリングしてみた。
アプリ初心者のため、”知り合いに見られたら”という想いと、”顔を出さないとマッチングしない”という現実に揺れ動いていたとのこと。
そこで、僭越ながら”結婚につながるマッチングプロフ写真”をアドバイスした。何を勉強したわけでもなく、わたしの独断と偏見である。

  1. 肩から上の顔写真
    硬い表情ではなく、自然なやわらか笑顔

  2. 服装は清潔感!おしゃれは不要
    明るめの無地のシャツか、白地にネイビーのボーダーTシャツ

  3. 全身写真
    小さかったり、後ろ姿でもOK!イメージと雰囲気が伝わるようなもの

  4. アプリで載せる写真は3枚まで
    あまりにたくさん載せていると、ベテランの会員と見られる

プロフィール文は定型文ではなく、ちゃんと人となりがわかるもので、長すぎず短すぎず丁度よい文章量だったのでそのまま。

お相手は、さすが”猜疑心のない君”である。
言われた通りすぐに修正し、翌週には結婚につながる出逢いを勝ち得た
お相手は、すごくすごく感謝してくれた。そしてわたしにも絶対幸せになってほしいから、必ず誰か見つける!と(笑)
いやいや、安心禁物!目の前の幸せに集中せよっ!!
己のことは己でなんとかする!とキツめにお断りを入れた。

”猜疑心のない君”の出逢いと義理堅さに感謝?!永遠の幸せを祈る 南無

その後、わたしのお相手を探し出し、ほんとうに紹介してくれることになるのだが、これはまた次回のお楽しみ!


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