中島らもと町田康について私が思うこと。
お酒を我慢しながら、ずっと前に買って積読になっていた、町田康の「シラフで生きる」を読み終わった。
以前は途中まで読みつつ美味しいお酒を飲んでしまった本だ。
結論から言うと、この本はお酒に悩んでいる人のバイブルだと思った。
町田康を初めて読んで、そのリズム感に乗れない場合は「何いっとんねんこのおっさん」になる場合も多々あろうが、もともと好きな人はとことんドライブされるだろう。
とにかく、私はこの本を爆笑しながら読んで、私もいけるんちゃうん?と清々しい気持ちになった。町田康で清々しくなるとは!
そこで思い出したのが中島らも。お酒に討ち死にしたとことん真面目でおかしな作家。若い頃から大好きだった。
らもさんは、やめようとは思わなかったんだろうな。冷静に自分とアルコールについて分析していても、どこか「でも自分とは関係ない」と思っていたのではないか。らもさんは自分の人生を横から眺めて、「コイツも大変だな」とクスッと笑っていたような気がする。
対して町田康は、もっと好奇心を持って自分を見ていると思う。「ここで酒やめたら、どんな人生と作品になるだろう?」と言う謎の前向き感があったのではないか。
そんな訳で、らもさんは死んでしまったが、町田康は死なない道を選んだ。お酒をやめてどんな人生と創作世界に進むか、読者を新たな世界に誘ってくれるだろう。
ものすごく楽しみだ。
そして、その作品をシラフで手に取って読む自分も、楽しみ。顔がニンマリするのを感じつつ、町田康に一生ついていこう。と思った。
続く
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