一番最初の不幸。

一番最初の不幸、それは動物園のフードコートで食べた物でした。

季節はまだ3月、雪が多く残っている中で
旦那の仕事が出張が多くなることがわかって
遊びにも行けなくなるだろうから…と
珍しく旦那が張り切って行くことになりました。


4歳の女の子、ゆっちゃんと1歳になったばかりの女の子、あんちゃんを連れて雪の残る動物園に行くことはなかなか大変ではありましたが子供たちは大喜びで動物園の端から端までを練り歩きました。

「ちょっと小腹が空いたね」と園内にある休憩スペースに入り、そこにあるフードコートで軽食を取ることにしました。

ポテト、フランクフルト、アメリカンドッグと定番の物を頼んで席に戻って子供たちと食べていると少し遅れて旦那が戻ってきました。

「○○ホテルの料理長が監修してる期間限定のニシンのコンフィだって!美味しそうだから買ってきた!」

コンフィとは食材を低温の油でじっくりと長時間かけて煮込んだ物だそうでポスターにも書かれていました。

旦那に「食べてみ」と差し出されて受け取りましたが油っぽい物が苦手で
紙コップに結構な量の油が入っていてその中に沈んでいるニシンを食べることに抵抗があって
小さめの一切れを口に含みました。

口に広がる青魚の強すぎる匂いがしっかり溶け込んで、さらに古くなって少し酸味を感じるような油の風味鼻から抜けると「これあまり食べちゃいけないやつじゃないか?」と瞬間的に思い、カップを旦那に返しました。

「うん、美味しいんだと思うんだけど油が臭くて嫌な匂いがしてる。私は苦手かもしれない。
油はしっかり切って魚だけ食べたほうがいいと思う」

そういうと旦那はそれを食べて
「は?うまいじゃん」とバクバク食べ始めます。


そうだ、この人は私が臭いと感じる匂いを「うまそう」と言う人だ
と納得しているうちに旦那はあっという間にそれを完食してなんなら紙コップにつがれた油すら飲み干していました。

「あーあ、しーらない。腹壊すさ。」
そう思いながら食べたものを片付けて再び動物園を散策して閉園時間まで楽しんでから帰路につきました。


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