回顧録⑰
株式会社を決めたとき、まず独立したオーナーたちにそのことを伝えました。
しかし、反応は私が思っているのとは違うものも多かったです。歓迎してくれないオーナーやスタッフもいたのです。本当に驚きでした。
私の日ごろの行いが悪かったのだと思います。
私が儲かるために会社にしたいだけといわれたり、社長の役職がほしくて会社にすると言われたり。そのためにあるお店のスタッフたちはほとんど辞めてしまいました。後で聞いたのですが、スタッフたちは仕事を辞めるようにオーナーたちに説得されたらしいです。本当にショックでしたが、それも自分の人徳のなさだと反省しました。
またあるオーナーは、個人事業主という形態のほうがやりがいがあり、このまま個人事業主のままでいたいということでした。人の価値観はそれぞれ。彼女との決別も違う意味でつらいものでした。
様々な憶測や流言が私の自信を失わせ、さらにコロナが長引き金銭的に追い込まれていきました。それはお店をだした時とは比べられないくらいの重圧でした。
そんな中、よくわからない、初めての株式会社化についてきてくれたオーナーたちがほとんどでした。私を信じてくれたこと、そしてお互いに信頼し合っていること、普通の人ではできない経験をさせてもらいました。
一番うれしかった言葉が『どんなことがあっても、一緒にのりこえる、私たちは一蓮托生』といいてくれたこと。その時は本当に1000人の応援を得るよりも勇気が出ました。
それからは、どうしたらスタッフをクビにすることなく、店舗も閉鎖せず、つづけていけるかを考えないといけない日々でした。様々な方法を考えました。例えば、消毒液。大きいサイズを買って小分けにしてすべての店に配布するなど、そんな100円200円のことでさえ、節約しないといけなかったのです。
利益率を考えると、店舗も半分くらいにしないといけないし、売り上げを上げられないスタッフは雇用契約できない。間違いのない事実でした。
コロナが終わったら、お客様も戻ってきてくださるということはわかっていました。でもなかなかコロナが終わらず。
とうとう2021年10月、株式会社が立ち上がりました。
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