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『エイジレス・ライフデザイン』の心得ノート その2 人生デザインに大切な『ワーク&ライフ・ハーモナイゼーション』思考

岡田大士郎
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長時間労働に起因した社会問題と、その改善に向けた「残業ゼロ運動」的「働き方改革1.0」は大分定着化してきました。

経営者にとって第1ステップの課題は、36協定の遵守乃至見直し、業務の効率化による時間外勤務の削減...といった「労働時間」問題。

「労働時間」とは、労働法規・法令等を遵守した「雇用契約」に基づく「仕事に拘束されている勤務時間」ともいえます。

仕事は自分だけの問題ではありません。
私たちは、お客様やチームメンバーとの関係性等を考慮しながら仕事をしています。
「時間外労働」の問題を画一的に論じてしまうと、日本の創造性や社会力に悪影響を及ぼす懸念があります。

組織に属し、裁量労働として「雇用」されているナレッジワーカーの人びと、例えば、企業内弁護士、勤務医師、コンサルタント、企画職、クリエイター等、また、「事務所」に所属して芸能,アーチスト活動をしている人たち、更には、個人事業主であっても、実質的に「雇用」に準じる働き方をしている人たち....は、定形勤務に向かない働き方をしている人たちです。

これらの人たちに対しても、「労働時間」あるいは「所定勤務時間」の概念を当てはめて、過労死の危険レベル(月80-100時間とされているようですが..)を超えない指導をすることになれば、日本の活力やクリエイティビティが削がれてしまいかねません。

私は、「仕事」と「雇用契約に基づく労働」を同じレベルで論じるべきではない!と思っています。

強制的、又は強制されなくても社会的スティグにより、「やらされ感」や「やるしかない」状況での「労働」は、苦役となり「ストレス」が積もり重なるとメンタルに支障をきたす事になります。

一方、楽しんで、自主的に「好き」な事に没頭する「仕事」は、メンタルに陥るリスクは低いものです。(とはいえ、やり過ぎは禁物ですが....)

要は、サービス提供等の固定勤務型定形仕事であれ、裁量労働制で働く知識創造型仕事であれ、自分自身で「仕事のデザイン」をしてゆく事が大切なのです。

雇用側は、被雇用者がこうした自立的な仕事のデザインが可能となるシステム、言い換えればフレキシブルな就業条件と仕事スタイルの提供責任があります。
正に今、コロナウィルス対応で余儀なくされている「テレワーク」などは、 フレキシブルな「仕事デザイン」を制度として導入するきっかけになると思います。

「仕事のデザイン」とは、視点をより広げて見れば、従業員一人ひとりの「人生時間のデザイン」とも言えます。

世の中では、仕事と生活の調和をとって「健全」に仕事に従事しよう、との意味で「ワークライフバランス」といった呼びかけがされますが、私は、『ライフ&ワークハーモナイゼーション』の暮らしと仕事スタイルこそが「人生デザイン」には必要! と思っています。

言わずもがなですが、仕事とプライベート時間をきちっと区別する事は大切です。
家族で過ごしている時間、それは、最も大切にすべきコミュニティである「家庭」の団欒時間に、意図的に「仕事」を持込む事はマナーに反します。

単視眼的な視点ではなく、より広い視点で「ライフ&ワークスタイル」の在り方や、ウェル・ビーングの本質を考慮した組織社会、人間社会の「場」つくりへの取組をしてゆきたいものです。

これも、エイジレス・ライフライフシフターの心得の一つです。

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