鳳虹庵日記 1
馬と鰐
2011年11月19日
先日、馬神神社の祭神がスサノオなのはなぜか?
という問いがありまして、ちょっと考えてみました。
馬神神社というのは、三井寺の近くにある長等神社の境内社です。
考えたことを簡単に書きますと、
三井寺の元は、延暦寺です。
その延暦寺は、都の鬼門を守護しており、山王信仰と結びついております。
山王神の使いは、猿なわけで、
これを「魔去る」とかけて厄除けの神にしているわけです。
山王信仰の本山日吉大社には、日神と水神が隠されています。
猿は、サルタヒコも表しているわけで、
日吉大社東本宮には、内御子社に猿田彦神が祀られています。
その後には、悪王子社という名を刻まれた小さな石碑があります。
元々は、悪王子社に猿田彦神は祀られていたのかもしれません。
悪といのは、わるいという意味ではなく、凄まじいという意味で、
スサノオの荒魂を祀ることが多いですが、
ここでは、猿田彦で山王の荒ぶる子供という意味でしょうか・・・
古い日神と水神は、その威力のため、荒魂に変えられている場合が多いですが、もっと言うと、スサノオに上書きされている場合があるように思います。
マサルの猿は、古い太陽神サルタヒコを意味しています。
サルタヒコは、比叡山の北にある比良山の比良明神であり、
近江最古の白髭神社の白髭大明神でもあります。
日神は、比良山に坐ます。
おそらく水神は、比叡山の日吉山王に坐るのだと思います。
その水神が馬だと思うのです。
馬は、雨乞いに使われます。
水神、白山比咩は、白馬に乗ってやってきました。
馬と水神は、深い繋がりがあります。
水神の使いが馬だと言ってもよいと思います。
だから、馬神神社の祭神は、馬の使い手である水神だと思います。
すなわち水の女神です。
だから、その女神は、スサノオによって上書きされたというのが僕の想像です。
僕の考えでは、マサル信仰は、「魔去る」でありながら、
馬猿信仰なのだと思います。
それは、とりも直さず、水神と日神の信仰です。
古い信仰の力を、仏の守護神として取り込むのは、仏教の行ってきた形です。
マサル信仰も山王信仰によって取り込まれた古い信仰だと思います。
さて、なぜ水神が馬を使うのかは・・・
次回に続けます。
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