見出し画像

女神浪漫紀行 6

女神浪漫紀行6 日吉大社西本宮

新年を迎えて少し過ぎた頃、ミワは滋賀県に在住する古くからの友人と大津で落ち合うことになった。ミワは、京都に住んでいるため滋賀の友人とは、年に何回か会って美味しい料理をあてにお酒を飲みながらいろいろと四方山話に花を咲かせるのが恒例のお楽しみになっている。大概は、お店の多い河原町通りから何本か離れた通りに位置するお店で飲むことが多いのだが、この日は、友人の誘いもあり、珍しく大津で飲むことになった。

待ち合わせは夕方の為、ミワはそれまでの時間を久しぶりに大津の神社へ参詣することにした。昼を少し回った後、ミワは大津市に入っていた。この日のアクセスは、京阪三条駅から京津線に乗り込み、びわこ浜大津駅で石坂線に乗り換え、終点の坂本比叡山口駅で下車した。坂本の町は、明智光秀の坂本城の城下町であり、古くからは比叡山の麓に位置していたため、風情のある宗教都市の様相を残していた。その坂本駅から、徒歩で山側にゆるやかな坂を上って歩くと比叡山の守護神であり、全国山王社の総本社である日吉大社が鎮座している。この日吉大社は、全国の日吉神社、日枝神社、山王神社ら約3800社とも言われる神社の総元なのである。近江国では、一宮建部大社につぐ二宮の扱いを受けている。因みに坂本駅の横に小さな茶園があり、ここがお茶の発祥地だとされている。約1200年前に最澄が唐から持ち帰った種を植えられたのが始まりだとか。

ここから先は

2,370字 / 12画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?