光の邑の住民たち 2
後に、「解放の日」と呼ばれる1週間は、ある夏の日の朝に突然訪れました。
僕は、いつものようにテレビのニュースを見ながら出勤の準備をしていました。すると、突然速報が入り、ニュースのキャスターが、「只今、ニュースが入ってきました。突然のクーデターにより首都が・・・・・た、大変です!」慌てふためいたキャスターの表情を最後にニュースは途切れました。それだけでなく、突然の停電に見舞われたのです。テレビはおろかエアコンも切れました。ブレーカーを確認しても停電したとしか考えられず、スマホもネットに繋がらない状態でした。おかしい、サーバーがダウンしているのか?ただの停電騒ぎではない。僕は直感的にそう思いました。
僕の妻、雅子は地元の病院に勤務していて今日は夜勤明けの予定でした。直ぐに雅子の携帯を呼び出したのですが、繋がりませんでした。一体何が起こっているのでしょうか?しばらく思案した後、僕は会社へ出勤しようと思いました。情報を得る為とそれと一人では不安だったからです。幸い、自転車通勤の僕に、停電とはいえ通勤を妨げるものはありません。20分程自転車をこぐといつものように会社にたどり着きました。心なしか車も渋滞しているように感じましたが、いつもと変りない風景がそこにありました。通常、雨なら電車通勤に変えているのですが、今日は、晴れていて助かりました。というか夏の空は相変わらず強い日差しでした。
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