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光の邑の住民たち 7

会見の後、その日のうちにあと2回、同じ内容を録画で放送されました。他の放送はまだ何もなく、それ以外は、テレビもネットも映りませんでした。ただ、UFOが現れたのは、最初だけで、以後はUFOの映像が映し出されました。それでも、その映像を見ると感動が蘇りました。そして、映像を見終わると不思議と落ち着いた気分になりました。もしかするとあの光には、精神を安定させる作用があったのかもしれません。録画も2回目3回目と見るうちに現実感が湧いてきました。その日の夜は、雅子と静かに眠りました。

翌日より社会は活動を始めました。雅子は、久しぶりにUFOに乗って宇宙人と話をした夢を見たそうです。「時は、きたよ!」そう告げられたそうで、彼女は、元気に病院へ出勤していきました。僕は、営業所の所長に電話をし、今日は会社を休むと伝えました。所長は、ただ「わかった。」とだけ答えてくれました。本当は、納期の変更など顧客に連絡を取らないといけなかったのですが、昨日の放送を聞いた後では、とてもそんな気が起きませんでした。「新しい世界で生きていこう。」この決意は、僕を生まれ変わらせました。

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