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光の邑の住民たち 4

朝から、強い日差しが差し込んでいます。今日も暑い一日になりそうです。妻からの連絡は、途切れたままです。携帯は今も繋がりません。携帯の中継局は、停電時でも作動するようにバッテリーを供えているようですが、24時間程度で切れるようです。今後は、携帯電話も電力が戻るまで使えないものと思われました。

ただでさえ数の減っている公衆電話には、人の列ができています。しかし、誰もが有益な情報を得ることができませんでした。クーデターが起きて2日目に自治会は動き出しました。このマンションは、高齢者も多く、この暑さと不安で体調を崩す人が出てくると予想されたのです。マンションの集会室を解放して、相談の受付を始めました。また、救護班や食事班も結成され各自が役割を果たすべく動き出しました。これらは、災害時の訓練として事前に自治会によって練られた計画でした。救護班は、町内の開業医に協力をあおぎ、体調不良の住民の介護にあたりました。また食事班は、飲料水や食事の用意のない住民に対してそれらの提供を始めました。これらの資材も自治会が災害時用に常備していたものです。

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