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鳳虹庵日記 3

2011年11月21日

続続・馬と鰐

最初の日記の最後に、次回はなぜ水神が馬を使うのかを書きますと言いながら・・・
すっかり忘れていました。

実は、馬も竜も同質と言ってよさそうで、観音さんの乗り物だったのです。
白馬に乗って現われた白山比咩神は、十一面観音です。
その前は、九頭竜として姿を見せました。
竜と観音さんは、同じであり、
竜神は、水の神であり、
観音さんは、水の女神であると言えます。

僕は水の女神を水姫と呼んでいますが、
この水姫は、十一面観音の他にも馬頭観音で表される場合があります。

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この絵は、生法寺にある飛竜観音さんです。
掛け軸だそうですが、この掛け軸を開くと必ず雨が降ると言い伝えられているそうです。
やはり、龍は、雨の神なのです。
そして、馬もそうです。
雨乞いに馬を使うことは最初に書きました。

馬の最高位が龍だそうです。
竜馬という名前もそんなとこからきているのかもしれないですね。

竜というのは、現在は実存しませんが、絵画等からその顔を見ると、
馬の顔が近いような気がします。
竜の顔って、馬面ですもんね。

しかし、決定的に違うのは、口だと思います。
竜の口は、大きく割かれ、牙が生えてるイメージがあります。
その顔は、何に近いのかなと・・・思いをめぐらすと鰐でした。
実際、ワニ学者の青木良輔氏は、竜の起源は、古代に長江や漢水に実在したワニの一種(マチカネワニ)であり、寒冷化により絶滅した後、伝説化したものだと主張しているそうです。

西洋では、ドラゴンと言えば、大トカゲですが、いずれも爬虫類というか・・・
ご先祖さんは、恐竜だと思います。
僕は、恐竜の化石から伝説上の竜の姿をデザインされたと思います。
だから、竜の種類によって微妙にイメージ違うのだと思います。
これに、エネルギー的な他次元の存在であるナガモノの概念が加わり、
ワニの胴が蛇のように伸びたり、角が生えたのが竜のイメージ像だと思えるのです。

ワニ目は、恐竜や翼竜が属する鳥頸類と並んで主竜類を代表する二大グループであるクルロタルシ類の唯一の現生動物であるそうで、なんと、鳥類とは進化系統上最も近縁の関係なんだそうです。
ここに、鳥と竜(ワニ)が近い間柄にあるという不思議な符合があります。
鳥は日神を表し竜は水神を表すことは、何度か書いてきました。

ワニは、悪の化身みたいなイメージがあり、古代エジプトでもセト神という悪神として描かれますが、反面、豊穣の神、ナイル川そのものとして神聖視されています。
これは、日本の川神のイメージに近いかもしれません。
氾濫という荒魂の面と、恵みの水や肥沃な土壌を与えてくれる和魂の部分を持つわけです。

セト神は、ワニの顔をしていますが、隼の顔をした太陽神ホルス神に倒されます。
これは、ナーガ(龍蛇)族を喰らうガルーダと同じ構図です。
しかし、これは、敵対ではなく火(日)と水の和合を意味していると思います。


日本では、ワニがいないので、ワニといえば、サメを意味しています。
おそらく、竜を説明するのにワニを喩えにしたものの、ワニがいないので、その特徴として、水中に住んでおりキバがするどい恐ろしい生き物と説明したら、サメを想起したんじゃないでしょうか・・・
神武天皇のおばあちゃん、豊玉姫は、その正体が、竜とサメの2バージョンの話があります。
元々、竜宮城から来たので正体は、竜なのですが、前に書いた理由で、竜=サメと記録されたのだと思います。

だから、性格上、竜と馬とワニは同じだと思うのです。

また、ワニを和邇と書く、和邇氏という名の豪族がいるのですが・・・
これは、また別に書くことにします。

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