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才能や個性は、偏見にすぎない。99%は技術である

27歳独身。彼女なし。そこそこの大学を出て、つぶしの効かない仕事をしている僕が、紳士から教わったのは、まったく聞いたこともない新しい成功法則だった――。「学び方を学べ」「才能は幻想。すべては技術だ」「必要なことはすべて調達できる」「日本を解散せよ」……、5年前に刊行され「今こそ読むべき!」と話題の書籍を特別に無料で公開。事業家・思想家の山口揚平さんが、新しい時代の新しい成功ルールを紹介します。

“作業”は、成果も君の給料も上げない


「残念がる必要はない。君自身でプロジェクトを作っていけばいいのだから」

「僕にできるでしょうか……」

「できるとも。なんでもプロジェクトとして考えると面白くなるぞ。何より主体的に取り組むようになる」

「主体的……」

「君の今の会社の仕事だってそうだよ。仕事のできない人は、仕事は“業務”を遂行することだと思っている。だが、仕事ができるビジネスパーソンにとって、この業務はやっぱり作業にすぎないんだ」

 確かに、僕は今まで言われたまま仕事をしてきたかもしれない。失敗してもそれを振り返ることなく、上司の顔色やお客さんの反応を見て一喜一憂していた。こんな仕事の仕方は変えなければならないと思った。

主体的に取り組まないものや、やらされ仕事は決して成果を上げない。なぜならそれは“作業”だからだ。会社と君の関係と同じだ。君は作業をこなしているだけだ。そして作業は成果を上げない。君の給料は低いままだ(笑)」

「そうか! 僕は自分がやるべきことが少しわかった気がします」

「いいかい。人生に小さなプロジェクトを、ひっそりとこっそりとたくさん作ってごらんなさい」

「小さなプロジェクト……」

「なんでもいい。モテるようになること、弁護士や医者になること」

「宇宙飛行士を目指すとか……?」

「そうだ!」

「無理でしょう。今からなんて」

「君が思うように、多くの人間が無理だと思う。だからこそ宇宙飛行士になった人間を人は羨望の眼差しで見る。だが、成功者達は皆、『計画・実行・修正』というとてもシンプルな学びのプロセスを継続しただけだ。少しずつ少しずつだ」

「なんだかぼんやりしていた『成功者』ってのが見えてきた気がします……」

「宇宙飛行士という大きな目標も、小さく計画・実行・修正を繰り返し続けることで叶えることができる。いつか必ず形になる。ならざるを得ないんだ」

「はい!」

「『スノーボール』というタイトルの本を知っているかい?」

「知りません」

「世界最高の投資家ウォーレン・バフェットの公式の伝記だ。タイトルは彼がつけた。“スノーボール”、つまり小さな雪のかけらを転がしていけば、やがて巨大なスノーボールができあがるってことさ。彼の資産形成も同じだ。小さな雪の固まりを転がし続けた。それが彼が世界一の億万長者になった理由だ」

「継続は力なり、ってことですね」

「そう。学校では国語の授業で、その言葉の意味を教えてくれる。しかし、具体的な方法は誰も教えてくれない。計画・実行・修正だ。おや? なんだか、目の色が変わってきたね」

「はい! なんか、やる気が湧いてきました! がんばります!」

「はい出た、『がんばります』」

「あ、すいません」

「君は純粋だね。いいところでもあるが」

 紳士は笑いながら話を続けた。

99%は技術である


「私は才能や個性という言葉を認めない。それは単なる偏見にすぎないと思っているし、できない人の言い訳に使われるにすぎない。人なんてたいして変わらんよ」

「そうでしょうか」

「君は自分の限界を感じているかもしれないが、そんなものは幻想さ。固定観念にすぎない。君はただ仕組みを知らなかっただけだ。君はさっき宇宙飛行士にもなれるか?と聞いた。私はなれると答えた。しかし、明日から君は宇宙飛行士を目指すかといったら、そうではない」

「ですね。僕は今から弁護士や野球選手になろうとも思いませんし……。どうしてでしょう?」

「それは、君の体質や興味を考えた時、野球選手になるまでにかかる時間やお金、つまり“コスト”が非常に大きいと思っているからだ。人生は有限だからね」

「そろばん勘定をしていると」

「読み・書き・そろばんを徹底してきた日本の教育は成功したが、その分、そろばん勘定によって多くの“夢”を潰してきてしまったといえなくもないな」

 紳士は少し考えて続けた。

「とはいえ、効率は重要な要素だ。得意で好きなことをやったほうがいい。特に数学、美術、体育は遺伝の要素が大きいから考慮したほうがいいかもしれない」

「なるほど、よくわかります。中学の同級生に、プロ野球選手を目指してたヤツがいるんですが、やっぱりそいつは小さい頃からずば抜けてましたから」

「ほぉ、その彼は今何をやっているんだい?」

「焼き鳥屋です」

「それはそれで、懸命な選択だ」

「そうなると時間やお金ってとても大事ですね」

「今から君がプロのフルート奏者を目指すとしよう。計画・実行・修正に基づいてプランを算出する。楽器の演奏は、習得までに長い時間がかかるし、講師などに教えてもらうことが必要な技術だ」

「時間とお金がかかりますね」

「お金は非常に大事だ。でも、それ以上に大事なのは、時間だ。この世界に生きるすべての人間に共通に与えられているもの、それが時間だ。お金の価値なんて、国の政策ひとつで左右される。しかし時間はフェアだ。1日は24時間しか与えられていない。どんなにがんばっても人の2倍生きることは難しい。その時間を増やすにはどうすればいい?」

「睡眠時間を削る」

「それも1つの手だ。だが、その増やし方はリスクも伴う。効率が落ちれば、結果的には時間のロスになる」

「ですね。徹夜してもいい成果でたためしがないです」

「徹夜は生産性を30%下げる。時間の使い方にも細心の注意が必要だ。慣れるまではね。実績のある経営者は、ほんのわずかなムダ時間も削ろうと工夫し、生産性を高める“かたまり時間”を確保するんだ。そして、特に時間の総量は、結局のところ、健康にかかっている」

「健康……」

「だから私はすべての知識の中で最も大事なことは、健康に関するものだとさえ思っているんだ。君は若くて元気だからまだ実感がないだろう。だがいいかい? 君の身体は、君が10年前に食べたものでできている。私はそれを『平成飯』と呼んでいる」

「『平成飯』……」

「私は若い時にとても貧乏だったからひどい食生活を送っていた。さらに、その頃の食べ物、つまり『昭和飯』は、今よりもはるかに健康に気をつかっていない添加物などが使われていた。安価な食品になればなるほど、それは顕著に現われた。栄養に関する知識も持っていなかった私は、30歳をすぎたあたりからガタが来たよ。おかげで30代は、自分の身体を自由に働かせることさえできなかった」

「30代でですか……」

「人生を80年としたら、30代は、一番活発に生命活動を行なう時期だ。しかし、私はそこを棒に振った。本来の身体を取り戻すのに10年かかったよ」

「10年……」

健康こそは最大の投資先さ。栄養と健康に関する知識だけは勉強したまえ。結果はだいぶ先になるが、その効果は明白だ。いいかい、21世紀はお金の時代じゃない。時間の時代だ。いや、時間が通貨そのものになるだろう。よく覚えておくといい

「実感が湧かないな……。すぐに効果が出ないものはやっぱり続かないですね」

「それには辛抱が必要だ」

「先ほどの『計画・実行・修正』のシステムも、効果が見えにくいものには通用しないのではないでしょうか?」

「そうだ。それは改善のサイクルだからね。そこで、他に、物事を継続するための新たな仕組みが必要になるわけだ」

機械とコーチをうまく使う


「まず、このスノーボールを持続させるための色々な方法を教えよう。結論からいえば、自分以外の存在、つまり機械と人間をうまく使うんだ」

「ロボットですか?」

「間違いではない。昔のSFでは、コンピューターよりも、人間の形をしたロボットのほうが登場が先だ。『2001年宇宙の旅』のHALがセンセーショナルだったのは、相手がコンピューターだったことだ」

だいぶ前の映画だが、確か宇宙船に乗り込んだ船員達が、一緒に乗っていたロボットに排除されてしまう、という内容だった。確かに、あれは恐かった。

「今の最大の機械はなんだと思う?」

「やはりパソコンでしょうか?」

「少し違うな。ITだ」

「IT……」

「ここでは機械と言おうか。機械はとても有効だ。行動の結果(ログ)を自動で溜めてくれて、可視化してくれる仕組みはどんどん取り入れるべきだ。運動、食事、仕事、投資、あらゆる行動のログ(記録)を溜めよう。今はスマートフォンのようなウェアラブルデバイスもたくさん出ているし、君が最初のセッティングさえすれば、あとは機械が自動的にデータを溜めてくれる」

「そうすると、検証が格段にしやすくなるということですね?」

「さらに、コーチがいると、なおいい」

「コーチ……」

何かを始めようとしたら、まず、記録(トラッキング)の仕組みとコーチをつけるんだ。コーチは君が計画を立てる時も、実行して、その結果を見て修正する時にも君の味方になってくれる。コーチは、君の知らない視点、つまり知識と客観性を持っている。あらゆるところで時間を短縮することができる」

「なるほど」

「さらに、コーチと親しい関係を築ければ、君が実行する時の小さなモチベーションや、時にはサボる時のプレッシャーにもなってくれる。いわゆるピア・プレッシャーというやつだね。君なら可愛い子がいいね。女の子ならできるだけイケメンのコーチをつける」

「マネージャーにかわいい子がいると、張り切る的なことですね」

「そうだ」

「でも、僕にはコーチを雇うお金の余裕がないですよ……」

「そこは機械で補うんだ。今は、スカイプなどを使って安くサポートしてくれる遠隔のコーチがどんな分野でもいるよ」

「ITか!」

「スカイプだけで、英語をマスターする若者は増えている。使ったお金は電気代とサーバー代だけだ」

「それなら僕にもできそうです」

「コーチはじっくり探してごらん。だが、すべてのコーチが首からコーチの名札を下げているとは限らない」

「というと?」

「すでに君が得たいと思っている結果を達成している人も立派なコーチだ。たとえば、お受験を成功させて子どもを入学させた親は、これから同じことをさせようとしている母親にとって、とてもよいコーチになるだろう。そして、そういう人に触れると、君は自然にそれを達成しやすくなる。イメージが湧くからね」

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