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初音ミク

 こう見えても(どう見えてんだ?)P である。いや

「俺、P だから」

 と、例によって調子よく吹聴していたのであるが。

「ほら、俺ってノマドワーカーじゃん」
「まあ、俺はミニマリストだからね」
「ほら、俺って YouTuber だから」
 …


 なんか目新しいものがあるとすぐになりきるのである。

 だから初音ミクのソフトも購入した。「P だから」を言うために。いや、作曲に打ち込むためにである。さあこれで作曲し放題だ。楽器がなくても作品を残せる、なんていい時代だ!


 と意気込んでいたのもつかの間、作業はめんどくさいことこの上なく、必死で取り組まねばならなかった。
 やっとのことで一曲できあがる。だがそれはミクがアカペラで歌うだけである。それ以上のことはどうやったらよいものか途方にくれた。

 どうやら、今自分は MIDI というものを扱っているのだ、ということまではわかった。さらに楽器に合わせて歌わせるためには、やっぱり本物の楽器があったほうがよいようだ。だが楽器からをサンプリング、なんてことまではとてもやる気にならない。というか楽器がない。

 よほど好きな人が夢中でやればやれるものなのだろう。「俺って P だから」を自称するためだけに学ぶのは、代償となる時間が大きすぎる。


 ただ、楽しくはあった。いつかもっと楽に作曲できるソフトができる日がきたら、また挑戦してみよう。ただもうまもなく「P だから」とミク自身が名乗りそうな気がするが。


#初音ミクの日

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