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ほろよい読書

好きな文章を書く人に出会うと、その人の作品ばかり読んでしまったりする

きっとたくさん素敵な作品はあるのに”出会わないこと”を選択しているようで
けど、好みじゃない文章を作業的に読み切るのも好きじゃない

熱烈に読書が好きなわけでもなく、時間があって読みたいものがあれば読む程度
毎日読書してないのに趣味って言えない!なんて思ってた時期もあったけど
好きなもんは好きだからいっか、と開き直ったのがこの数年

好きな作家さんの共通点を見つけたのも数年前
それからは本選びの基準になっているから、わーよかった!という感想が増えた

今回は、読んだことのない作家さんの作品を読みたい気分だったので
お酒にまつわる短編小説集『ほろよい読書』を購入

ちょっと仕事が立て込んでいて息抜きしたいとき、
帯にあるように”ごほうびの一杯”の感覚で1つずつ読めた

織守きょうや
「ショコラと秘密は彼女に香る」

お名前から男性かと思ったけど、表現が繊細で自然と共感できるだったので
調べたら女性でした(本当に無知ですみません)

お互いを尊重し合う2人の女性のお話
学生時代は仲良く一緒に過ごしていたけれど、1人の結婚から距離ができ
会うこともなくなって何十年もしているのに、まだ暑中見舞いが届く
姪っ子が何かを察し禁断の愛かと詮索するが、
真実はもっともっと美しい愛のお話でした

女性ならではの、結婚するとかしないとか、子供を産むとか産まないとか
選択肢は簡単に並べられるけど、選ぶ本人は簡単に選べないもの

誰かの選択に対して
女性なのに、その年齢なのにってあれこれ外野はうるさいし
そのうるさい人自身も自分の大切な人だったりする
誰かの設定した”私の幸せ”が、本当に私の幸せなのかなって
自信がないからあとで後悔するかもしれないって不安にもなったりする

そんな、ある程度大人になってからずーっと付き纏ってくるものから
自立した女性は魅力的な年齢の重ね方をするんだろうな、と思えた作品

好きに生きる
何かに負けずに好きに生きること、大切な人に好きにしなさいって言えること
本当の愛のようなもの
美しくて、好きに生きることで人を幸せにしているお話でした

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