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【長編小説】 パリに暮らして

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ある目的を胸に、1ヶ月の予定でパリに滞在する〝私〟。間借りした安宿の環境はあまりにも厳しく、カフェで主に愚痴をこぼしていたところを、ある日本人男性と知り合う。彼は親切にも自分のア…
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「パリに暮らして」 第6話

 ――その週は、秋のパリにしては珍しく、暖かい日が続いていた。この時期のヨーロッパの平均…

「パリに暮らして」 第7話

 ――その日の夜遅く、携帯が鳴った。柊二さんからだった。仕事が片付かなくて、明日まで帰れ…

「パリに暮らして」 第13話

 柊二さんが、話を聞いてくれるかい? と言ったのは、その時だった。 「君は、実に三十年ぶ…

「パリに暮らして」 第17話

 ――アパルトマンに戻ると、柊二さんは電話台のところに駆けて行って電話帳を引っ張り出し、…