【縣青那の本棚】 海流のなかの島々 アーネスト・ヘミングウェイ 沼澤洽治 訳
ー上巻ー
世界を股にかけて人生を謳歌してきた男、トマス・ハドソン。画家としての名声は確立されているが、今は世俗を離れ、メキシコ湾流の中に浮かぶ島に腰を落ち着けて、自分の仕事に没頭している。
そのハドソンを、3人の息子たちが夏休みを過ごすために訪れて来る。長男の通称〝若トム〟はハドソンの最初の妻の子供、他の2人、デイヴィッドとアンドルーは2人目の妻の息子たちだ。
作家で友人のロジャーを加えて、男達の夏休みはのんびりと過ぎていく……。
主な登場人物は全て男性で構