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縣青那の本棚

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読書感想文まとめ。 自分なりに感じたこと、考えたことを書いてみた記事になります。 随時更新していこうと思います。
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記事一覧

【縣青那の本棚】 ピルザダさんが食事に来たころ ジュンパ・ラヒリ 小川高義 訳

短編集『停電の夜に』に収載されている作品である。表題作に続く2話目の小説だ。 ボストンの…

【縣青那の本棚】 共食いの島 スターリンの知られざるグラーグ ニコラ・ヴェルト …

*この記事にはショッキングな内容や残酷な描写が含まれています 実際に起こったことが書かれ…

【縣青那の本棚】 冷たい水の中の小さな太陽 フランソワーズ・サガン 朝吹登水子 …

これぞ小説、という、物語の出来栄えにハッとさせられた。 これが、やはりフランソワーズ・サ…

【縣青那の本棚】 海流のなかの島々 アーネスト・ヘミングウェイ 沼澤洽治 訳

 ー上巻ー  世界を股にかけて人生を謳歌してきた男、トマス・ハドソン。画家としての名声は…

【縣青那の本棚】 夏の吐息 小池真理子

短編集『夏の吐息』に所収された、表題作である。 『夏の吐息』という季節感満載の題名に惹か…

【縣青那の本棚】 停電の夜に ジュンパ・ラヒリ 小川高義 訳

    3月の中旬から終わりにかけて、ジュンパ・ラヒリの短編集『停電の夜に』を読んだ。 …

【縣青那の本棚】 秋津温泉 藤原審爾

これも、『異邦人』同様、若い頃、確かまだ20代だったと思しき時代に文庫本を買い求め一読した作品。その後、30代になってから一度、ある鄙びた温泉地に滞在していた折に再読したことがあった。なので、今回は3度目ということになる。 何度読んでも飽きない作品である。作中、幾度となく繰り返される〝秋津の不思議と澄んだ透明な空気〟という言葉が誘う落ち着いた美しい世界は私の心の底に静かに横たわっていて、いつでもじっと覗き込めば、水底に沈んだ遺跡のように、いつも同じ雰囲気を湛えた静謐なイメー

【縣青那の本棚】 最初の人間 アルベール・カミュ 大久保敏彦 訳

『異邦人』を読んで感銘を受けたので、その流れで買い求めたカミュの、私にとっては2作目。オ…

【縣青那の本棚】 異邦人 カミュ 窪田啓作 訳

ずいぶん昔、若い頃、20代の頃だったかと思うが、一度読んだことがある作品で、再読というこ…