コロナ禍に見る日本人の凄さ
コロナ被害について楽観的な人が悲観的な人に対して蔑んで「コロナ脳」というようだ。私はさしずめ「コロナ脳」だろう。(笑)
今回、日本人は本当に凄いと再認識した。今までも,訪日外国人の殆どから日本人は清潔好きで、真面目で優しいという印象を持たれていた。海外でのサッカーやラグビー観戦時、きれいに掃除してから帰るところを海外から称賛されていた。真面目でルールを厳守し律義な国民性。個々人の個性、主張は強くないが、半面本集団で本当に力を発揮する。
このような国民性が今回の被害を低く抑えているのではないだろうか。
被害の少なさに対する楽観論者の論理は、私にはよくわからない。死亡率がどうの、再生産数がどうの言っているが、凡人の私にはしっくり腹に落ちない。楽観論者は、日本の死亡率は低く、大きな被害が出ないので、外出自粛で逆に自殺者が増えると。確かにそうかもしれない。
でも死者が8万人超えて、まだまだ増えている米国のトランプ大統領が2月に「完全にコントロールできている。死者はゼロだ。普通のインフルエンザと同じ。心配なんてNot at all!.」と言っていたことと重なる。
コロナ脳の私は、楽観論者の「元々日本では大きな被害など出ない。もうピークは過ぎて、後は収束する。」という意見とは異なり、対策専門家会議の西浦教授の、感染はまだ始まっていないだけだという考えを支持している。
まず、すぐ下のグラフを見てほしい。 被害の大きな欧州の、英、仏、伊、スペインとドイツ、米国の死者数推移のグラフである。よく患者数も比較対象にされるが、検査方法も数も各国バラバラなので、現段階では死者数比較が一番適当だと思う。
アメリカの死者数がずば抜けていて、日本が底に張り付いているので、比較にならない。そこで5000人で切ったグラフが以下である。
すごい傾きの死者数グラフだ。独は少し違うが、伊、英、西、米、写したように相似でまるで平行移動したかのようなカーブを描いている。あるポイントを超えると同じカーブを描いているのがわかる。
このグラフは、ざっくりと500人手前でグラフが立ち上がっている。そして加速度がついてもう止まらなくなる。感染者が追えなくなるのだろう。大体500人を超えると、その後2,3日で1000人そのまた2,3日で2000人に達している。あとは指数関数的に青天井。
この立ち上がるクリティカルポイント手前で抑えれるか、どうかが文字道理、生死を分ける。各国は初期にはあまり被害が出ないので、被害を過小評価したのではないか。2週間後に感染がわかるという非常に厄介な病なのである。
各国に比べると遅いペースではあるが500人に達した日本も、西村大臣や小池都知事が口を酸っぱく「今が正念場、ギリギリのところ」と言っている。いつまで正念場なんだと揶揄する人もいるが、本当にヤバいのでなかろうか。
評論家には、西浦先生の再生産数R=2.5の根拠がないと責めている向きも多いが、2.5だろうが1.7だろうが関係ない。難しい計算はよくわからないが、放っておけば、感染爆発するかもしれないということである。
しかし今は、4月16日の全国非常事態宣言以降の国民全体の行動変容によって、何とか感染爆発を抑えるところまで来ている。
スーパーに行っても街を歩いても、日本の律義さコンフォーミティさには感心させられる。老若男女を問わず、3蜜を避けようと努力している。中には止められているパチンコに行ったりしている人もいるが、例外レベル。楽観論者も強く批判しながらもルールはしっかり守っている。それが他国と大きく違う。これが日本の国民性なのだ。
それを浸透させたのは、各自治体の長の根気強いメッセージ発信で、その貢献は大きいと思う。特に小池都知事の。評論家の一部は批判しているが、継続的に真摯に都民にメッセージを送って、それは全国放送のテレビ等で全国民に伝わる。知事のリーダーシップは素晴らしいと思う。プロンプターの原稿を読みながら眼球が揺れて発表しているようではダメだ。
自粛要請ももう少しだ。感染者が収まっていようが、いまいが遅くても今月末までだろう。それ以上だと経済がダメになる。これはコロナ禍の健康被害と経済被害の合成を最小化する方程式なのだから。だからもう少しだけがんばろう。
もしこのまま抑えることができたら、また日本は、世界中から称賛されるだろう。「やっぱり日本人はすごい。都市封鎖もせずに、国に法律で縛られなくても、国民全体で秩序を守ってコロナを抑え込んだ」と。WHOのDrマイク-ライアンやDrマリアが「日本は素晴らしい。信じられない」と会見で発表するのを早く聞きたいものだ。
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