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創作大賞感想  保護犬だった僕と植物人間になったパパ(エッセイ)sanngoさん 



保護犬だった僕と植物人間になったパパ(エッセイ)を読んで


この度、ご縁をいただいて・・・と言いながら相当ゴネた感想文が苦手な私。ですが書かせていただきます。やはり書かねばなりますまい。
少々ネタバレありです(ご了解をいただいております)。すみません。


これはゴンという名前の犬が語るエッセイです。ゴンの目を通して、鼻を通して、耳を通して語られる家族の姿です。聡明な犬はもしかすると、私たち人間よりも深く感じ、考えているのではないか、そう思わせてくれます。

保護犬だったゴン。引き取られて家にやってきたゴンはすぐに順位を理解しました。やがて病に?ケガに倒れるパパ。それがゴンのバディとなります。そしていつもそばで笑っているママ(実は筆者)。
パパといつも、できる限り一緒にいたい。そんなゴンの気持ちが意地らしい。
しかしパパは町の人気者。どんな場面にも駆り出され、ゴンの前からいなくなってしまいます。集会、宴会、たまにプライベートな旅行、そしてお祭りにも。でも人混みや大きな音がゴンは苦手。そんなゴンの繊細さを物語るいいエピソードも収められています。

ゴンはパパのいつもと違う振る舞いに敏感に反応します。それで心配してしまうのです。その辺はママそっちのけかもしれません。パパを探し回るゴン。拗ねて反抗するゴン。そんな姿に驚きつつ、癒されます。

そんなある日、パパの体の不調に気付きます。どんなに止められても、その気付きを訴えようとするゴンの姿は、傍から見ている読者からしても悲痛です。

そして怒涛のクライマックス。思いもよらないことが重なって、3人の見知らぬ男にパパを連れ去られてしまいます。それでもゴンはバディであるパパの帰りを待ちます。待って待って、待ち続けます。
それからどうなるのでしょうか!表題にありますので、隠しても仕方ないのですが、ゴンにはさすがにわかりません。しかしいつの日か、それを悟ったようにも思えます。
ここからはママ(筆者)の心情にも思いを馳せてください。どんなに心細かったでしょうか。どんなに辛かったでしょうか。いやいやこれ以上は語りますまい。(語っとるやないかい!)
ここからは本編をお読みいただいて、思いっきり泣いてください。
私はまた読んでしまうと脱水症状になりそうなので、この文を書くにあたっては最終章は読まないでおきました。
また泣きたい時に、この一編を思い出して嗚咽したいと思います。
みなさんにもぜひ、この数奇な物語に触れていただきたい。読んでいただけましたら、それだけで私は満足です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

第一話は👇


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