ふぉれすとどわあふ 三羽さんの企画
藤家さんの潜入作戦!そしてその後の地球への帰還について
③好き勝手に(ホントは”自由気ままに”)
ミユちゃんは何にも知らないが、帰還はけっこう大変だったのだ!
マサコ司令官の肩で、シマエナガ夫妻はそのもふもふの綿毛を震わせて、ミユちゃんの帰りを祈っていた。
マサコ司令官は月の裏の山陰に隠した宇宙船ペンギン号の中で震えていた。なにせ寒いのだ。日の光の当たらないそこは極寒だった。
「これなら地球の極なんて春ね」
「もうエンジン回そうぜ」小人が言った。
「ダメよ。見つかったらどうするの」
ビルはそれどころではなかった。森を脱出したと思ったのも束の間、あまりにも寒すぎると神経が誤作動を起こす。大量のセロトニンだかアドレナリンだかがブシュ―と音を立てて分泌され、反対に暑いと感じて、服を脱ぎ捨ててしまうのだ。ビルは家族がそうなるのを止めようと躍起になっていた。
ジョークはスベるし、頭は凍る。
そしてついに伝家の宝刀を抜いた。
「いいか、お前ら。服を脱いだやつはお仕置きだ」
彼らの動きがピタリと止まった。
「お仕置きって?」とマサコは訊いたが、ビルはあからさまにスルーした。
「そういえば、聞いてなかったな。マサコって古風な名前は誰がつけたんだ?」
「こんな時に訊くこと?」
「いや、すまない」ビルはしたり顔で、家族を見回した。
「ミユちゃんを奪還するぞ」
「OH!」こんな時に一番元気なのが小人くんだ。
「OH!貞治の背番号の上にはこう書いてある」
誰だ?スベッたのは・・・
勇んで山陰を飛び出したところ、ミユちゃんがスキップしながら、こちらにやってくるのが見えた。
なにせ月の重力は地球の6分の1。ちょいと地面を蹴れば、すぐに世界記録ほど飛べるのだ。
合流した本隊とミユちゃんはワチャワチャ言いながら、宇宙船ペンギン号でのんびりと地球への帰還を果たした。ってわけ。
【文字数数えるの忘れました】m(__)m
それはここから始まった👇(ツァラトゥストラはかく語りき♫が聴こえる)
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