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遊戯王OCGにおける初手ドロー確率
当ノートでは「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム(以後『OCG』とする)」の初手における各種ドロー確率について計算した結果をまとめています。
読み進めるにあたり、以下点にご留意くださいませ。
掲載している確率は、原則として小数点第2位を四捨五入した値となっています。そのため奇妙な結果・表記になる可能性があります。
確率の合計が100%にならないことがあります。
「0.0%」という記載は0%を意味しません。計算結果の小数点第2位を四捨五入した結果として、そのような表記になっています。本当の意味での0%を表現する場合は「---」といった表記にしています。
初手で特定のカードを引く確率
a枚のデッキに、カード《★》をb枚投入したとき、初手で《★》をc枚引く確率は以下のとおりです。
確率は、1枚引く確率・2枚引く確率・3枚引く確率の順にスラッシュ記号で区切って表記します。
デッキ枚数 : 40枚
《★》の投入枚数 : 1枚
12.5% / --- / ---
《★》の投入枚数 : 2枚
22.4% / 1.3% / ---
《★》の投入枚数 : 3枚
30.1% / 3.5% / 0.1%
デッキ枚数 : 50枚
《★》の投入枚数 : 1枚
10.0% / --- / ---
《★》の投入枚数 : 2枚
18.4% / 0.8% / ---
《★》の投入枚数 : 3枚
25.3% / 2.3% / 0.1%
デッキ枚数 : 60枚
《★》の投入枚数 : 1枚
8.3% / --- / ---
《★》の投入枚数 : 2枚
15.5% / 0.6% / ---
《★》の投入枚数 : 3枚
21.7% / 1.6% / 0.0%
当たり前ですが、デッキ枚数が少なく、《★》の投入枚数が多いほどに初手で《★》を引きやすくなっていますね。
興味深いのは《★》を複数枚引く確率はデッキ枚数・投入枚数問わず、常に小さいということです。同じカードを複数枚引くことを避けるために、投入枚数を減らしたり、デッキ枚数を増やすのはあまり効果的ではないようです。
サーチカード込みの確率
サーチカードを考慮した確率も考えてみます。
サーチカードも《★》として扱うと仮定したとき、初手で《★》を1枚以上引ける確率を計算してみます。《★》の投入枚数は9枚まで計算してみます。
確率は《★》を1枚投入した場合、2枚投入した場合、3枚投入した場合、という具合に、スラッシュ記号で区切って表記します。
デッキ枚数 : 40枚
《★》の投入枚数 : 1 ~ 3枚
12.5% / 23.7% / 33.8%
《★》の投入枚数 : 4 ~ 6枚
42.7% / 50.7% / 57.7%
《★》の投入枚数 : 7 ~ 9枚
63.9% / 69.4% / 74.2%
デッキ枚数 : 50枚
《★》の投入枚数 : 1 ~ 3枚
10.0% / 19.2% / 27.6%
《★》の投入枚数 : 4 ~ 6枚
35.3% / 42.3% / 48.7%
《★》の投入枚数 : 7 ~ 9枚
54.6% / 59.9% / 64.6%
デッキ枚数 : 60枚
《★》の投入枚数 : 1 ~ 3枚
8.3% / 16.1% / 23.3%
《★》の投入枚数 : 4 ~ 6枚
30.1% / 36.3% / 42.1%
《★》の投入枚数 : 7 ~ 9枚
47.5% / 52.4% / 57.0%
40枚デッキで9枚投入しても初手で《★》を引ける確率は74.2%。4ゲームに1回は初手で引けないことを考えると、特定のカードに依存するようなデッキは安定感に欠けると言えます。
《強欲で謙虚な壺》《金満で謙虚な壺》で引く確率
a枚のデッキに、任意のカード《★》をb枚投入し、ゲーム開始時の5枚ドローで《★》が1枚も引けなかった状況において。《強欲で謙虚な壺》《金満で謙虚な壺》を発動したときに、デッキトップをめくって《★》が1枚以上現れる確率を求めます。
とりあえずサーチカード等込みで《★》を6枚積みできる前提で計算してみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1689418346706-TiA5cLc6Mk.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1689420375083-Y0ttYt6bpK.png)
《★》を引く確率は3枚めくり・6枚めくりの順にスラッシュ記号で区切って表記します。
デッキ枚数 : 40枚
《★》の投入枚数 : 1枚
めくって現れる確率 : 8.6% / 17.1%
《★》の投入枚数 : 2枚
めくって現れる確率 : 16.6% / 31.8%
《★》の投入枚数 : 3枚
めくって現れる確率 : 24.2% / 44.2%
《★》の投入枚数 : 4枚
めくって現れる確率 : 31.3% / 54.6%
《★》の投入枚数 : 5枚
めくって現れる確率 : 38.0% / 63.4%
《★》の投入枚数 : 6枚
めくって現れる確率 : 44.2% / 70.7%
デッキ枚数 : 50枚
《★》の投入枚数 : 1枚
めくって現れる確率 : 6.7% / 13.3%
《★》の投入枚数 : 2枚
めくって現れる確率 : 13.0% / 25.2%
《★》の投入枚数 : 3枚
めくって現れる確率 : 19.1% / 35.6%
《★》の投入枚数 : 4枚
めくって現れる確率 : 24.9% / 44.8%
《★》の投入枚数 : 5枚
めくって現れる確率 : 30.1% / 52.9%
《★》の投入枚数 : 6枚
めくって現れる確率 : 35.6% / 59.9%
デッキ枚数 : 60枚
《★》の投入枚数 : 1枚
めくって現れる確率 : 5.5% / 10.9%
《★》の投入枚数 : 2枚
めくって現れる確率 : 10.7% / 20.8%
《★》の投入枚数 : 3枚
めくって現れる確率 : 15.8% / 29.8%
《★》の投入枚数 : 4枚
めくって現れる確率 : 20.6% / 37.9%
《★》の投入枚数 : 5枚
めくって現れる確率 : 25.3% / 45.2%
《★》の投入枚数 : 6枚
めくって現れる確率 : 29.8% / 51.8%
こうして確率を見た感じでは、3枚めくりだと欲しいカードがドローできるか怪しいですが、6枚めくりであればそれなりの確率でドローできそうです。
《強欲で謙虚な壺》と《金満で謙虚な壺》は複数枚ドローすることで手数を増やすというよりも、特定の1枚を引くために使うカードだと思いますので、このあたりの確率は意識しておく必要があります。
《強欲で金満な壺》で引く確率
《強欲で金満な壺》で引く確率を求めます。
これまでどおり、任意のカード《★》が初手で引けなかった場合で《強欲で金満な壺》を発動して《★》を引く確率を計算します。
![](https://assets.st-note.com/img/1689422326439-dGNJsYm3QR.png)
確率の記載は、1枚ドロー・2枚ドローの順にスラッシュ記号で区切って表記します。
デッキ枚数 : 40枚
《★》の投入枚数 : 1枚
1枚以上引く確率 : 2.9% / 5.7%
《★》の投入枚数 : 2枚
1枚以上引く確率 : 5.7% / 11.3%
《★》の投入枚数 : 3枚
1枚以上引く確率 : 8.6% / 16.6%
《★》の投入枚数 : 4枚
1枚以上引く確率 : 11.4% / 21.8%
《★》の投入枚数 : 5枚
1枚以上引く確率 : 14.3% / 26.9%
《★》の投入枚数 : 6枚
1枚以上引く確率 : 17.1% / 31.8%
デッキ枚数 : 50枚
《★》の投入枚数 : 1枚
1枚以上引く確率 : 2.2% / 4.4%
《★》の投入枚数 : 2枚
1枚以上引く確率 : 4.4% / 8.8%
《★》の投入枚数 : 3枚
1枚以上引く確率 : 6.7% / 13.0%
《★》の投入枚数 : 4枚
1枚以上引く確率 : 8.9% / 17.2%
《★》の投入枚数 : 5枚
1枚以上引く確率 : 11.1% / 21.2%
《★》の投入枚数 : 6枚
1枚以上引く確率 : 13.3% / 25.2%
デッキ枚数 : 60枚
《★》の投入枚数 : 1枚
1枚以上引く確率 : 1.8% / 3.6%
《★》の投入枚数 : 2枚
1枚以上引く確率 : 3.6% / 7.2%
《★》の投入枚数 : 3枚
1枚以上引く確率 : 5.5% / 10.7%
《★》の投入枚数 : 4枚
1枚以上引く確率 : 7.3% / 14.1%
《★》の投入枚数 : 5枚
1枚以上引く確率 : 9.1% / 17.5%
《★》の投入枚数 : 6枚
1枚以上引く確率 : 10.9% / 20.8%
EXデッキからカードを飛ばす割に、特定のカードをドローできる確率はかなり小さいと言わざるをえません。
EXデッキを使わない、かつ特定のカードを手札に持ってくるというよりも手札が増えることによる手数の増加が利点となるデッキと相性が良いでしょう。
逆に、何としてでも特定のカードを引きたいという人は《金満で謙虚な壺》などのほうが適しています。
《強欲で貪欲な壺》で引く確率
《強欲で貪欲な壺》の場合の引く確率を求めます。
これまでどおり、任意のカード《★》が初手で引けなかった場合で《強欲で金満な壺》を発動して《★》を1枚以上引く確率を計算します。
発動コストでデッキトップから10枚を裏側除外する都合上、計算がややこしいことになっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1689436106665-7v5OY55da7.png)
発動コストで裏側除外される確率
引きたいカード《★》が初手で引けていない状況で《強欲で貪欲な壺》を発動したとき、デッキに眠っている《★》がa枚除外される確率は以下のとおりです。
確率は1枚除外・2枚除外・3枚除外の順で、スラッシュ記号で区切って表記します。
デッキ枚数 : 35枚(元は40枚)
投入枚数 : 1枚
裏側除外される確率 : 28.6% / --- / ---
投入枚数 : 2枚
裏側除外される確率 : 42.0% / 7.6% / ---
投入枚数 : 3枚
裏側除外される確率 : 45.8% / 17.2% / 1.8%
デッキ枚数 : 45枚(元は50枚)
投入枚数 : 1枚
裏側除外される確率 : 22.2% / --- / ---
投入枚数 : 2枚
裏側除外される確率 : 35.4% / 4.5% / ---
投入枚数 : 3枚
裏側除外される確率 : 41.9% / 11.1% / 0.8%
デッキ枚数 : 55枚(元は60枚)
投入枚数 : 1枚
裏側除外される確率 : 18.2% / --- / ---
投入枚数 : 2枚
裏側除外される確率 : 30.3% / 3.0% / ---
投入枚数 : 3枚
裏側除外される確率 : 37.7% / 7.7% / 0.5%
40枚デッキの場合。《★》を3枚投入しているならば、全部除外される確率は1.8%なので無視してよいでしょう。ただ、準制限だったりして2枚しか投入できない場合は7.6%の確率で全て飛んでしまいますので、ちょっと怖いところです。ピン刺しに至っては約3割の確率で飛ぶので、もはや飛ぶことを前提にデッキを組む必要があるでしょう。
デッキ枚数を増やすほどに飛ぶ確率が低減しますが、それだけ初手で引き込める確率も小さくなりますので一長一短です。
2枚ドローで引く確率
《強欲で貪欲な壺》の効果で10枚裏側除外した後の2枚ドローで《★》を引く確率を求めます。
例えば、40枚デッキであれば初手ドローによる5枚と《強欲で貪欲な壺》のコストで飛んだ10枚の、計15枚減らした25枚の状態から2枚ドローして《★》を引く確率を求めることになります。
確率は1枚引く確率・2枚引く確率の順で、スラッシュ記号で区切って表記します。
デッキ枚数 : 25枚(元は40枚)
デッキに残っている《★》の枚数 : 1枚
引く確率 : 8.0% / ---
デッキに残っている《★》の枚数 : 2枚
引く確率 : 15.3% / 0.3%
デッキに残っている《★》の枚数 : 3枚
引く確率 : 22.0% / 1.0%
デッキ枚数 : 35枚(元は50枚)
デッキに残っている《★》の枚数 : 1枚
引く確率 : 5.7% / ---
デッキに残っている《★》の枚数 : 2枚
引く確率 : 11.1% / 0.2%
デッキに残っている《★》の枚数 : 3枚
引く確率 : 16.1% / 0.5%
デッキ枚数 : 45枚(元は60枚)
デッキに残っている《★》の枚数 : 1枚
引く確率 : 4.4% / ---
デッキに残っている《★》の枚数 : 2枚
引く確率 : 8.7% / 0.1%
デッキに残っている《★》の枚数 : 3枚
引く確率 : 12.7% / 0.3%
40枚デッキ、かつ運よくデッキ内に《★》が3枚残っている状況でも、《★》を1枚以上引く確率が23%しかないことを考えると、《強欲で貪欲な壺》で狙った1枚を引くことに期待しないほうが良さそうです。
《強欲で金満な壺》のように、手数を増やす目的で使うのが適しているでしょう。
除外を考慮したドロー確率
最後に以下状況におけるドロー確率を求めます。
a枚のデッキに、引きたいカード《★》をb枚投入し、ゲーム開始時の5枚ドローで《★》を1枚も引けておらず、手札に《強欲で貪欲な壺》が1枚以上ある状態で《強欲で貪欲な壺》を発動したときに《★》を引く確率を求めます。
裏側除外される確率と2枚ドローで引き込む確率の双方を考慮して計算します。
確率は1枚引く確率・2枚引く確率の順で、スラッシュ記号で区切って表記します。
デッキ枚数 : 40枚
《★》の投入枚数 : 1枚
《★》を引く確率 : 5.7% / ---
《★》の投入枚数 : 2枚
《★》を引く確率 : 11.1% / 0.2%
《★》の投入枚数 : 3枚
《★》を引く確率 : 16.1% / 0.5%
デッキ枚数 : 50枚
《★》の投入枚数 : 1枚
《★》を引く確率 : 4.4% / ---
《★》の投入枚数 : 2枚
《★》を引く確率 : 8.7% / 0.1%
《★》の投入枚数 : 3枚
《★》を引く確率 : 12.7% / 0.3%
デッキ枚数 : 60枚
《★》の投入枚数 : 1枚
《★》を引く確率 : 3.6% / ---
《★》の投入枚数 : 2枚
《★》を引く確率 : 7.1% / 0.1%
《★》の投入枚数 : 3枚
《★》を引く確率 : 10.1% / 0.2%
裏側除外で、引きたいカードが飛ぶ可能性も考慮して計算すると、狙ったカードを引ける確率はかなり小さいことがわかります。
総評
《強欲で貪欲な壺》は特定のカードを引くためではなく、手数を増やす目的で利用するべきです。
発動コストの10枚裏側除外で飛ばされたくないカードは3枚積み、最低でも2枚積みにしましょう。どうしても1枚しか積めない(積みたくない)という場合は60枚構築に寄せることで除外される確率を低減できますが、それでも18.2%の確率で除外されてしまいます。そのため《強欲で貪欲な壺》発動前にサーチカードで手札に持ってくるか、あるいは飛ぶことを前提として戦術を組んでおく必要があります。
まとめ
以上より、各種ドロー確率に関する私見を列挙します。
特定のカードを手札に引き込む最良のドローは、ゲーム開始時の5枚ドローである。デッキ枚数を抑え、サーチカードを多数投入することで引く確率を上げることが肝要。
特定のカードに依存するデッキは《強欲で謙虚な壺》か《金満で謙虚な壺》を利用することでドロー確率を補強できるが、どちらのカードもデメリット・コストが大きいのでデッキを選ぶ。
特定のカードへの依存度が小さいデッキであれば《強欲で金満な壺》《強欲で貪欲な壺》の利用が好ましい。手数を増やして対応力・展開力を向上させれば勝率アップに繋がる。
初手5枚ドロー含めて、当ノートで取り上げたドロー方法で特定のカードを2枚以上引く確率は小さいことがわかる。
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