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2023年映画感想

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2023年に劇場で観た映画作品の感想書きです。
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#映画鑑賞

映画『市子』感想 哀れみを拒絶する哀しい人生

 2023年の映画納めも、淋しい作品を選んでしまいました。映画『市子』感想です。  戸田彬弘…

Kuwayama Daisuke
5か月前
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アニメ映画『窓ぎわのトットちゃん』感想 幻想的な児童アニメに忍び寄る戦争の足音

 『ほかげ』『鬼太郎誕生』と同時期に公開された意味を考え続けています。アニメ映画『窓ぎわ…

Kuwayama Daisuke
5か月前
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映画『ナポレオン』感想 古い偉人観の破壊

 当時の英雄を、今の価値観で批評する、現代的な作品。映画『ナポレオン』感想です。  『エ…

Kuwayama Daisuke
5か月前
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アニメ映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』感想 蘇る水木しげるのメッセージと、葬りさら…

 継承されるべきは昭和の夢ではなく、水木イズム。アニメ映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』感想…

Kuwayama Daisuke
5か月前
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映画『ほかげ』感想 狂気という戦争の傷

 この作品で描かれている狂気が、現在進行形で生み出されています。今すぐ戦争を止めるべき。…

Kuwayama Daisuke
5か月前
1

映画『首』感想 ビートたけし自身を諷刺した時代劇コント

 たけし軍団やオフィス北野への鎮魂歌のように感じられました。映画『首』感想です。  日本…

Kuwayama Daisuke
6か月前
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映画『正欲』感想 孤独を抱える全ての人へ

 少数の人々だけでなく、誰にでもある孤独についての作品だと思います。映画『正欲』感想です。  朝井リョウによる同名小説を原作として、『あゝ、荒野』『前科者』で知られる岸善幸が監督を務めた作品。原作は未読ですが、柴田錬三郎賞を受賞するなど、高い評価を得ているそうです。その割にはあらすじが耳に入ってこないのが逆に印象的だったんですけど、この映画も前評判は高いものの、何を描いた作品なのかという情報は入ってきておらず、ミステリアスな感覚に惹かれて観ることにしました。  朝井リョ

アニメ映画『火の鳥 エデンの花』感想 永遠の命(名作)を得られなかったアニメ化

 うーん、あんまり誉められる出来ではないと思います。アニメ映画『火の鳥 エデンの花』感想…

Kuwayama Daisuke
6か月前
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映画『悪い子バビー』感想 時を経て鳴らされたオルタナ映画

 表層的な悪趣味さではなく、ちゃんと中身が正当に評価されてのリバイバル上映という、まさし…

Kuwayama Daisuke
6か月前
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映画『愛にイナズマ』感想 現実をブッ飛ばす家族愛

 前作観て「現実について考えさせられるね」なんて感想のたまってる暇あるなら、これ観てテン…

Kuwayama Daisuke
7か月前
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映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』感想 負の歴史を刻み込む反省のドラマ

 ディカプリオのへの字口、今後のディカプリオ演技の、パブリックイメージになる発明かもしれ…

Kuwayama Daisuke
7か月前
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映画『月』感想 虚空に消えてしまう問題提起

 観ている間はそうでもなかったんですけど、感想書こうと思い出す内に優性思想の考え方が腹立…

Kuwayama Daisuke
7か月前
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映画『アンダーカレント』感想 得体のしれない穏やかで平穏な日常

 ミステリでありつつ、今泉監督らしい日常の空気が描かれていました。映画『アンダーカレント…

Kuwayama Daisuke
7か月前
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映画『オオカミの家』感想 狂ったアートで表現する狂った支配構造

 鑑賞後の恐ろしさも強烈ですが、後日調べたバックグラウンドのおぞましさも強烈。映画『オオカミの家』感想です。  チリの、クリストバル・レオンとホアキン・コシーニャの2人組監督によるストップモーションアニメ映画。日本ではアリ・アスター監督が絶賛したという触れ込みで、公開前から話題となっていましたが、本国では既に2018年公開の作品であり、日本に届くまでは結構時間を要したみたいですね。  ストップモーションアニメというと、堀貴秀監督の『JUNK HEAD』が連想されますが、あの