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2023年映画感想

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2023年に劇場で観た映画作品の感想書きです。
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記事一覧

2023年の映画作品振り返り

 えーと、なんやかんやあって、新年がとうに明けておりますが、恒例の年間映画感想振り返りを…

Kuwayama Daisuke
3か月前
1

映画『市子』感想 哀れみを拒絶する哀しい人生

 2023年の映画納めも、淋しい作品を選んでしまいました。映画『市子』感想です。  戸田彬弘…

Kuwayama Daisuke
3か月前
4

アニメ映画『窓ぎわのトットちゃん』感想 幻想的な児童アニメに忍び寄る戦争の足音

 『ほかげ』『鬼太郎誕生』と同時期に公開された意味を考え続けています。アニメ映画『窓ぎわ…

Kuwayama Daisuke
3か月前
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映画『ナポレオン』感想 古い偉人観の破壊

 当時の英雄を、今の価値観で批評する、現代的な作品。映画『ナポレオン』感想です。  『エ…

Kuwayama Daisuke
4か月前
6

アニメ映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』感想 蘇る水木しげるのメッセージと、葬りさら…

 継承されるべきは昭和の夢ではなく、水木イズム。アニメ映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』感想…

Kuwayama Daisuke
4か月前
14

映画『ほかげ』感想 狂気という戦争の傷

 この作品で描かれている狂気が、現在進行形で生み出されています。今すぐ戦争を止めるべき。…

Kuwayama Daisuke
4か月前
1

映画『首』感想 ビートたけし自身を諷刺した時代劇コント

 たけし軍団やオフィス北野への鎮魂歌のように感じられました。映画『首』感想です。  日本を代表するお笑い芸人であると同時に、日本を代表する映画監督である北野武による、原作・脚本・監督作品。原作も本人による小説であり、主演の秀吉役も本人が務めています。ということで、久々の映画作品ということで、見逃す手はありませんでした。  北野作品は、最も好きなのは『その男、凶暴につき』で、その他の作品も結構好きなんですけど、『アウトレイジ』シリーズの後半は失速しているように感じられたので

映画『正欲』感想 孤独を抱える全ての人へ

 少数の人々だけでなく、誰にでもある孤独についての作品だと思います。映画『正欲』感想です…

Kuwayama Daisuke
5か月前
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アニメ映画『火の鳥 エデンの花』感想 永遠の命(名作)を得られなかったアニメ化

 うーん、あんまり誉められる出来ではないと思います。アニメ映画『火の鳥 エデンの花』感想…

Kuwayama Daisuke
5か月前
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映画『悪い子バビー』感想 時を経て鳴らされたオルタナ映画

 表層的な悪趣味さではなく、ちゃんと中身が正当に評価されてのリバイバル上映という、まさし…

Kuwayama Daisuke
5か月前
5

映画『愛にイナズマ』感想 現実をブッ飛ばす家族愛

 前作観て「現実について考えさせられるね」なんて感想のたまってる暇あるなら、これ観てテン…

Kuwayama Daisuke
5か月前
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映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』感想 負の歴史を刻み込む反省のドラマ

 ディカプリオのへの字口、今後のディカプリオ演技の、パブリックイメージになる発明かもしれ…

Kuwayama Daisuke
5か月前
4

映画『月』感想 虚空に消えてしまう問題提起

 観ている間はそうでもなかったんですけど、感想書こうと思い出す内に優性思想の考え方が腹立…

Kuwayama Daisuke
6か月前
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映画『アンダーカレント』感想 得体のしれない穏やかで平穏な日常

 ミステリでありつつ、今泉監督らしい日常の空気が描かれていました。映画『アンダーカレント』感想です。  豊田徹也さんの同名漫画作品を原作として、『街の上で』『窓辺にて』など、傑作を連発している今泉力哉監督が実写映画化した作品。原作は未読のまま、真っ新な状態で鑑賞してまいりました。  一応、サスペンス、ミステリー的な物語設定にはなっているので、今泉力哉監督作品の中では、異色な雰囲気を持つ作品に思えます。けれども、基本的には劇的な出来事が起こるわけではなく(あるいは起こって