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紅花のルーツとその産地について。


紅花(べにばな) 6〜7月の梅雨の時期から梅雨明けにかけて真黄色の花を咲かせます。

枝先に頭状花をつけ、鮮やかな黄色から、オレンジ色、そして徐々に赤色に変わっていきます。


現在では紅花染めなど染料として有名な花ですが、そのルーツはご存知でしょうか。



紅花はシルクロードを通ってやってきた


原産はエチオピア(アフリカ地域)といわれており、エジプトや地中海からシルクロードを通って世界へ広まっていきました。

紀元前2世紀頃には北方の遊牧民族の匈奴へ伝わり甘粛省付近で栽培されていたが、漢の武帝がこの地を占領した。

諸説ありますが、2〜3世紀頃には中国本土でも栽培がされており、日本には飛鳥時代の5〜6世紀頃に渡ってきたといわれています。

渡来当初は、中国(呉)伝来の染料という意味で「くれのあい(呉藍)」、また「すえつむはな(末摘花)」「紅藍(べにあい)」久礼奈為(くれない)」とも呼ばれていました。


日本に渡来してからは、近畿地方で栄え次第に全国に広まっていったといわれています。

安土、桃山時代から江戸時代にかけて、藍茜、紫根とともに代表的な染料植物として京染めなどに使われてきました。



山形の地で花開く


山形県に紅花が入ってきたのは、室町時代末期と考えられています。

江戸時代においては、土も肥えて水はけもいい最上川流域で急速に栽培が拡大し、紅花の一大産地となっていきました。


西暦1800年前後からの100年間は、最上川の舟運を通じて京都や大阪で人気となり、近江商人と山形商人が活躍しました。

東の「最上紅花」、西の「阿波の藍玉」として、江戸時代の二大染料といわれるほどに発展していきました。


最上紅花
紅花を染色用素材に加工した「紅餅」を最上川の舟運で米沢から酒田に集められたことから栽培が盛んに行われました。
「紅餅」を用いた紅花染め加工品
紅餅は、最盛期の江戸時代には舟運で酒田から京都まで運ばれ、華麗な西陣織や化粧用の紅などに加工され、当時の人々の暮らしを彩り支える存在となりました。
最上紅花はほかの地域の紅花よりも花弁からとれる赤の色素が多く、生産量も安定していたことで、高品質な最上紅花ブランドとして全国にその名が知れ渡りました。



紅花商人の活躍


最上川流域では、なぜ紅花の大産地が形成されたのでしょうか。

気候・土壌が栽培に適していたということもありますが、山形だけではなく全国的に栽培されていたので決定的な要因だったわけではないようです。


ではなぜ、最上川流域が産地になったのか。


これには最上川の舟運を利用した紅花商人の存在が大きくありました。

紅花商人たちは、山形から紅餅を京へ出荷し、京からの帰り荷として古着、塩、魚、お茶などを持ち帰っていたのだそうです。

舟運をうまく活用し、行きも帰りも商いを行ったことが発展の大きな要因となりました。


現在でも最上川流域の市町村には、紅花商人たちによって京から持ち帰られた江戸時代の雛人形(享保雛、古今雛など)がたくさん残存し、「山形雛のみち」や「庄内雛のみち」といわれるほど雛祭りが盛んに行われています。



紅花栽培の衰退と復興ののちに「山形県の県花」に


明治時代になると、四川省産などの中国紅花の輸入が盛んになったこと、化学染料アニリンが普及したことにより、山形の紅花生産は大きな打撃をうけ急速に衰退していったといわれています。

昭和40年代後半に山形産紅花の特性に着目した化粧品メーカーとの間で大量の契約栽培が行われたことがきっかけとなり、本物志向の染物業者や化粧品業者、草木染めの愛好者等の需要に応じた生産が行われています。

現在では、加工品の最上紅花や、切り花用のトゲなし紅花・しろばな紅花などが山形県内の村山・置賜地方を中心に栽培されています。

昭和57年には紅花が「山形県の県花」として定められました。



紅花の多彩な使われ方


紅花は江戸時代に染料として使われているように、現在でも様々な使い方で私たちの生活に活用されています。


<紅花染め>
紅花は古来から染料としてよく使われています。

<生薬>
乾燥させた花は紅花(こうか)と呼ばれ、血行促進作用がある生薬として養命酒などにも使われています。
また、葛根紅花湯、滋血潤腸湯、通導散などの漢方方剤に使われています。

<紅花油>
紅花の種子を搾った油は紅花油(サフラワー油)と呼ばれ、サラダ油として用いられたり、マーガリンの原料になっています。

<口紅>
紅花から赤色色素を抽出し、陶磁器製の猪口の内側などに刷き乾燥させたものです。
良質な紅は赤色の反対色である玉虫色の輝きを放ち、江戸時代には小町紅の名で製造販売されていました。


さふら中央


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