5月8日(金) 偽の日

起床。インターネットでダラダラする。
今日はザ(在宅ワークの略称)だからのんびりとした気持ち。

朝食後どうしても「もうひとつの季節」を読みたい気分が立ち現れたため続きの8章を読む。この8章がむちゃくちゃに良かった。
それぞれの人物らしい固有の思考で駆動していく哲学的な会話の横で、力の限り遊ぶ子猫と子供。もうなんだかずっと良くて小説とはこれなのだと大いに感動した。全文書き写したいくらいだった。

勢いが止まらず最後の9章も読む。大きな事件は何も起こらなかった彼らの生活に初めて影が差し、ずっと切なく読んでいた。
初めてこの小説を読んだ三年前も同じ気持ちで読んでいただろうと思う。固定された小説の時間を繰り返すことで人間は年月の隔たりという概念から自由になれる・・・などと小説内の彼らのような言い回しを考えてみても彼らの感触には近付けない。一人一人を生かして喋らせる保坂和志は本当に凄い。

そして読み終わり、余韻に浸りながら一眠りした。
目覚めてもザまで時間があったためケーブルテレビを回しているとCNNj(アメリカのCNNが日本でも映るやつ)でcorona virus特集をやっていた。コーヒーを淹れて観る。

二人か三人のワイプが並ぶ画面は感染防止仕様、と見せかけてCNNはいつもそうだった。
しかし日本のワイドショーがいつものコメンテーターなんかをリモートで繋ぐのとは違ってアメリカ各地や世界の各都市と中継が繋がるためシンプルな画面でも迫力がある。
immunityという単語は「免疫」か?と類推したら合っており、不謹慎だけれどこういう世界共通の緊急時に英語のニュースを観るのは面白いなと思った。

ザの時間になり、沢山の音楽を聴きながら何かをした。
なかなか気が乗らないザの攻略法として昼休みに街へ出るのはどうだろうと思いつき、勤務時間中に髪を整えるなどした。
昼休みを迎えて昼食を食べたものの吐き気に襲われて食べ切れなかった。迷ったが気晴らしも兼ねて街へ出る。

外は夏めいた日差しに満たされていて気分が良かった。早くこうすれば良かったのだ。
お菓子を買おうかとお店を巡り最終的に「Cheeza 生チーズの[チーザ]カマンベール仕立て」を購入。
体幹トレーニングを始めたせいで昨日まで酷かった筋肉痛が治ったことに気付く。しかもちゃんと歩く姿勢が良くなりつつある気がした。長年のトレードマークである猫背がこのまま治ってしまうのか。

午後は断続的にCheezaを食べる合間にザをした。時々寝たり漫画を読んだりすらした。悲しいほどやる気がなかった。
全て終わって夕飯はカレーを食べてまさにNavyだったのだけれどどんよりと悲しいままだ。
原因はザというより昼食時の吐き気だった。あれがずっと続いている気がする。恐らく最近飲み始めたサプリメントの副作用だった。

もう駄目だ。保坂和志が読みたい。
明日は「ごちうさ」を研究して保坂和志を読んで本当の人生を生きよう。

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