見出し画像

9月13日(月)〜9月23日(木) アーモンド

精神

9/13
移動中も労働中も『八本脚の蝶』を反芻しては鬱に呑まれそうになっていた。
昨日は「元気な時に読み終えて良かった」と思ったはずなのだけど全然トラウマになっているらしかった。

9/18
PMSなのか鬱と苛立ちが続く日々に、胡蝶蘭の一株が急速に枯れ始めたことが追い討ちをかけた。土砂降りの中タクシーで薬剤などを買いに行く。やれることをやり終える頃にはもう別れを受け入れ始めていた。

9/21
人間は「敬老の日」という抗鬱剤で回復したものの病気の胡蝶蘭は助かる見込みがなく、更にもう一株にも同じ症状が進行していた。恐らく水分量や環境管理を間違えてカビに感染させてしまった。
連休明けの労働に耐えながらほとんど上の空で自分を責め続けた。中秋の名月を無視して帰宅し新たに病気になった株を植え替える。助からなかった株とはお別れした。涙は出なかった。

9/23
植え替えた株は少しずつ葉が枯れてきているが今はまだ生きている。今はまだ生きてくれているというだけで慰めになる。「秋分の日」という抗鬱剤を服用しながら読書で自我を洗浄した。

食事

9/15
アーモンドミルクが頭痛を抑止するとテレビで見て、買って飲んだ。

9/16
アーモンドミルクのデカめのドリンクを飲んだ。翌朝3時頃腹痛で叩き起こされることなど知らず。

9/18
アーモンドミルクで懲りずにカフェラテを作成。苦かった。

9/19
ショートケーキかと思ったらベリーソースとチーズの効いためちゃ美味しいケーキを食べた。
夜は多分家で初めてヒレ肉を食べたのだけどいつも食べていたロースと違ってめちゃ美味しくて驚く庶民であった。

写真

9/13
初めてモノクロフィルムで撮った写真を現像しに行った。どんなもんかとドキドキしながらプリントを見ていくと、見慣れた我が街が時間を失ったように、まるで知らない姿で写し込まれていた。
自分が撮った写真とは思えなかった。デジタルのモノクロ写真とは根本から違う魅力が確かに乗っている。ハマりそう。

9/19
夕暮れの空と月が綺麗でしばらく撮った。夜の散歩で夜景も撮った。ちゃんと写真を撮っていると実感したのは久々で、だからこんなに鬱だったんじゃないかと気付く。

読書

9/13
前々日に買って読み始めた『失われた時を求めて 1』を行きの電車で読んでいくことにしてこの週は毎朝読んだ。面白い。
子供の自分だけが先に寝に行かされて母親と別れなければいけない苦しみ、が延々と回想されていた。祖母宅でまだ母達がテレビでも見ている中、一人で先に二階のベッドへ上がる時の心細さをずっと思い出していた。

9/15
寝る前に谷川俊太郎の詩を読むブームが始まった。

9/19
読みかけだったアンデシュ・ハンセン『スマホ脳』を読み終わった。人間の進化の過程から脳を解き明かす名著だった。いつ飢餓で死ぬか、襲われるか分からない環境で生き延びたのは警戒心が強かった個体で、その子孫である我々が不安に悩まされるのは当然のことであり、人間がデフォルトで幸福じゃないのは当たり前なのだと読んであ〜なんだそういうことか、それじゃしょうがないと気が楽になった。
木下龍也『天才による凡人のための短歌教室』を読んで寝た。翌朝起きた瞬間に短歌が二つ出来た。

9/20
宮内悠介の小説『偶然の聖地』を読んだ。世界のバグを直す世界医と、世界最大のバグであるイシュクト山を巡るSF群像劇。でありつつ中東の旅行記っぽさもある謎の書。
最初は引き込まれたもののどんどんワケが分からなくなって着いて行けなくなったが、第二部で全てが繋がり始めるとグイグイ面白くなって最終的に謎の感動に包まれた。イシュクト山という名を私はきっと忘れない。
この本は作者による註がページ内に書き込まれていて、連載時のウラ話や旅行の体験談やメタなツッコミなんかをオーディオコメンタリーのように本文と一緒に読めるのがとにかく画期的で面白く、ワケの分からない本を読み進める良い補助線になった。これ皆もっとやってほしい。

あと木下龍也の歌集『きみを嫌いな奴はクズだよ』を読み始めた。木下さんには一度ハマったのだけど最近Twitterで見たある短歌に泣かされて再ブームが来ている。

9/22
ドライヤーをしながら毎晩読んでいた『にゃるらのエッセイ集 自我』を読み終わった。Twitterで毎日投稿されている日記だけど、まとめて紙で読むことでにゃるらさんの自我をより身近に感じられて愉しい日々だった。
「他人の日記を読む謎の時間」という表現があったけど、にゃるらさんが思う以上にそれは人生の真髄付近に発生するありがたい謎の時間なのだった。

9/23
ソン・ウォンピョン『アーモンド』を読んだ。BTSの休日バラエティでナムジュン氏やユンギ氏が面白そうに読んでいたベストセラー。
失感情症の少年のお話で、意外なことにボーイミーツボーイだった。すごい引力で最初から最後まで揺さぶられながら一気に読み終えしばらく呆然とした。健常に感受性がある故の愚鈍さというものもあるのだなと考えさせられる。K文学はほぼ初めてだったけどめちゃ良かったからどんどん読みたい。

坂口恭平『土になる』も読み始めた。坂口さんと畑の関わりを読みながら胡蝶蘭への気持ちを整理していく。

東映

9/13
仮面ライダーカイザの日。『東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー』の最新回を聴く。
ゼンカイジャーでゾックス役の増子くんとフリント役のひなみちゃんがゲストで、俳優さんのゲストは鈴村神谷両氏の喋りに圧されがちなのだけど二人は自分達から沢山話していて流石界賊一家だった。ゼンカイメンバーは駒木根くんを筆頭に皆喋りが強い。イベントとか楽しみだ。

9/15
仮面ライダーバイスのソフビをスーパーで買った。悪魔の人形は逆に魔除けになりそうで心強い。が、バイスの造形はよく見ると普通に可愛い。

9/16
仮面ライダーリバイのソフビを別のスーパーで見つけて買った。やはり二人はセットでなければ。ついでに龍騎も買って持ち歩くことにした。戦わなければ生き残れない!
仮面ライダーチョコもパッケージが可愛すぎてリバイス買いした。※リバイ版とバイス版を二個同時に買うこと

9/19
『仮面ライダーリバイス』第3話、おもしれええええええええええ!!!一週間楽しみにしていた杉原監督回はやはりアクションの魅せ方が素晴らしかった。ベルトの内側から透過して見せる変身とか、空からの視点でダイナミックに動くカメラとか、やっぱり杉原監督とリバイスの相性はベストマッチであった。明るく見せかけた不穏な脚本もどんどん癖になるし、バイスちゃんの軽い発言が面白すぎてどんどん好きになる。
『機界戦隊ゼンカイジャー』第28カイは介人達が漫画になってしまう回で、漫画になったまま変身して戦ったりしていて凄く面白かった。介人もゾックスも毎回オモシレー男だから見ていて飽きない。
ここまで一時間の満足度が高いニチアサは初めてかもしれない・・・。

9/21
『東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー』の最新回を聴くと、『ザ・ハイスクール ヒーローズ』主演の美 少年の岩崎くんと那須くんがサプライズ電話出演をしていて驚いた。ラジレンからジャニーズJr.の声が聞こえて来るとは。
二人は鈴村神谷両氏に圧されることなく意外なほど沢山喋っていて感動した。ハイヒロは手を出さないまま終わってしまったのだけどこれから観ようかと思う。

矢川葵

9/17
前日に飲んだアーモンドミルクによる腹痛で3時頃目覚め、そのままダラダラネットを見てみると矢川葵さんのクラウドファンディングが昨夜始まっていた。グループが終わって事務所もやめた矢川さんが昭和歌謡のEPを出して再出発するためのプロジェクトだった。
矢川さんがまた歌ってくれるだけで嬉しかったのに、後ろ盾をなくしても夢を叶えようとチャレンジする姿に物凄い勇気を貰った。彼女がずっと拘っていた昭和歌謡というジャンルで物作りをしようとする情熱が本当に良かった。それでちょっと思い切った、でも別に矢川さんのためなら惜しくない額を投資した。今までの大感謝も込めて。

そのまま興奮して寝ることなく働きに出て、すると午前中のうちにクラファンは目標金額に達していたから驚いた。
フラフラで一日を終えて夜には矢川さんの生配信を見た。動いて喋ってケーキを食べる矢川さん。5月30日ぶりに声を聞いた。いてくれるだけで良かった。

9/21
しばらく経過を見ていたけどついにクラファンが目標額の2倍を達成していた。矢川さんに感謝し、矢川さんの幸せを願い、矢川さんの歌を切実に求める全ての人の気持ちが滲みてくるようで泣けた。

BTS

9/13
Boy With Luv』のJ-HOPE先生やっぱ良いよなあとハマる。(n回目)

9/14
サボり場(トイレ)でTwitterを見ていたら「黒スーツ」がトレンドにあり、タップすると黒スーツのBTSが出てきて変な声が出た。外交官パスポートを貰ったらしい。

9/15
朝からJ-HOPE先生のMVを沢山見る。J-HOPEブーム。

9/16
ジンくんが使っていると噂される香水を付けて寝た。

9/17
ジンくんの夢を見て起きた。

9/18
病気の胡蝶蘭に精一杯の処置をし、自己を崩壊させないために大阪でのファンミーティング『MAGIC SHOP』を観た。可愛らしい日本語MCとかっこいいパフォーマンスのギャップがエグい。7人とも神なんだが今回はジミンちゃんの魅せる多彩な表現の振り幅に大分やられた。
ファンミーティングだからかレア曲や初期曲を沢山やっていて初めて観る曲たちに釘付けだった。中でも『Tomorrow』が本当に衝撃的で後で和訳を見ながら聴いたらまた衝撃を受けてこれは私の歌だ、我が人生のテーマソングに加えるべきだと確信した。
その夜BTSは仁川国際空港を飛び立ちニューヨークへ向かった。コ口ナ出現後初の海外遠征、私にとっては初めて立ち会う海外遠征を前に何故か不安で一杯で、こんなにも無事の飛行を祈りながら眠ったのは初めてだった。スポンサーのルイヴィトンで固めた空港ファッションや機上から届くセルカはありがたかったが心は硬直したままだった。

9/19
BTSがNYに着いたっぽいと見てやっと心が落ち着いた。愛は人を弱くする。
休日バラエティ『IN THE SOOP』3話を観て大変気分が良くなった。ナムジュン氏が面白いと言った『アーモンド』を雨の川辺で一人読むユンギ氏が良かった。皆が即席で番組テーマソングを作っている所に帰って来るや否や雨の中を走って機材を取りに行くユンギ氏には目頭が熱くなった。あんなに機敏なユンギ氏は初めて見た。

9/20
国連総会のSDGsモーメントという枠でBTSがスピーチをするので、BTSが出て来るまで国連総会の生中継を生まれて初めて見守った。我が事のように緊張した。文大統領が出て来て沸いたのも人生初だった。最後でいいが。
それでいよいよ7人が壇上にいらしたのだけど英語通訳が被さって声が聞こえなくてサゲポヨだった。黒スーツでビシッとキメた国連総会仕様の7人特にジンくんとナムさんがかっこよすぎて通訳の内容もあまり耳に入ってこなかったが少しは拾って、あー流石だなあと思うなどした。
最後に国連の建物を使った『Permission to Dance』の映像が流れて非常に良かった。4:3アスペクトでちょっと古っぽい画質、スーツをそれぞれちょっと着崩してJ-HOPE先生はベレー帽を被っているそんな映像が昔のアメリカっぽくて、青空の下で歌われる『Permission to Dance』はスピーチのメッセージを補強する説得力があって、これがBTS、全世界のユースの代表として立つスターなのだと心から誇らしく思った。

9/21
改めて昨夜のスピーチを聴く。若者はコ口ナで時代を失ったロストジェネレーションではなく、むしろ新たな習慣や挑戦を迎え入れているウェルカムジェネレーションと呼ぶべきではないか、というメッセージだった。若者代表として呼ばれた彼らの、怒りさえ滲むようなはっきりとした言葉に胸を打たれる。新しい価値観を先頭で作れる人達だ。

9/22
初期の映像を漁るのに最近ハマっている。電車で初期のアルバムを聴く。改めてこのチームは最初からクライマックスでやばい。

9/23
『IN THE SOOP』4話を観る。『アーモンド』読了後に『アーモンド』を読むユンギ氏を見られて満足。気に入った文章にペンで線を引いていたけれどどこに引いたのか、あの物語に何を想ったのか気になった。あと朝から二人で走りに行くジンくんとJ-HOPE先生が良かった。
午後は気怠くなって何をするか悩んでしまったが、こういう時のために音楽があるのだと思い出して『BE』を聴いた。『BE』だけは電車で聴かないようにしている。でも『BE』に限らず音楽は移動し「ながら」聴くためのものではなく、本当は家でリラックスしながら、あるいは一生懸命聴くものだった。『BE』を聴き終わると気分が良くなっていた。彼らが精魂込めて作る音楽を私も真摯に愛したい。明日は新曲の公開日だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?