5月4日(月) ノーイベント グッドライフ

カバンがそよ風におよいで
吹きぬけたあとを
小石がおいかけてく
ななめにそそぐ陽は
今日もほほえんで
小道をまがった香りを
やさしく包み込んだ
♪ 情報処理部「せーのっ!」

「ゆゆ式」鑑賞10話目にしてOPの歌詞の良さに気付き、それからは噛み締めるように聴きながら観た。
最終12話まで観終え、続編のOVAも観終え、今の私にはもう何もなかった。

ゆずこ、唯ちゃん、縁ちゃん、その他のみんな。元気でやっていておくれ。
「ノーイベント グッドライフ」の精神を与えてくれて本当にありがとう。
私はこれから別のきらら作品や日常アニメを観るだろうけれど、君たちのアホで素敵な日々を決して忘れない。

というのが午前中にあったことで、「ゆゆ式」以外に向ける気力は全く無かった。昼はラーメンを食べるとベッドで寝落ちていた。
一度目覚め、改めてちゃんと寝る体勢を整えてフィッシュマンズを聴きながら目を閉じていると、フィッシュマンズをよく聴いていた2017年であるかのような錯覚に襲われた。

薄く眠りやがて起きた。2017年ではなかった。
睡眠はもう充分だと思われたが気力がどこからも湧いて来ず、一度運動をすることにした。そういえばこの三日間全く動いていなかった。
PassCodeを聴きながら30分間運動をすると生まれ直したかのようにスッキリした。

おやつを食べて本を読み散らかしてから、Maison book girlが四日前にアップロードしてくだすったライブ映像を観ることに。
https://youtu.be/L0SJQw7PLWM

凄く凄く凄く良かった。
小規模の会場でも一曲一曲をこれだけ豊かに演出できるのは凄い。それを本気の歌声で演じ切るメンバーが四人とも凄い。その一瞬一瞬を完璧に魅せるカメラワークも凄い。総じて良い映像だった。

メンバー一人一人、特に矢川葵さんの神秘性がいつにも増して高く、ブクガ初見でこの映像を観た人は殆どが彼女に心奪われるだろうなと思った。
和田輪さんの歌声や井上唯さんの気迫のコンディションも良く、総じて良いステージだった。

MCでは「Maison book girlとは何か」という私がしばし考えてきた命題にこれ以上ない答えを導き出したコショージメグミの言葉があり、何か自分の中でブクガに触れてきた歴史が大きく転換した気がした。
その後コショージさんが涙を堪えながら話す場面ではこちらも泣いてしまった。彼女に対する他のメンバーの対応も優しく、総じて良いグループだった。

セットリストの練り方も非常に好みだったし、今後ブクガを気にしている人が現れたらまずこの映像を勧めようと思う。
今日はそんなに充実しない日になるだろうがまあノーイベント グッドライフでいいやと思っていたがこの映像の視聴を選んで良かった。総じて良い時間だった。

夕飯は天ぷらで美味しく頂いた。
緊急事態は一ヶ月伸びた。自死する人も深刻に増えるだろうと思った。しかし他者の地獄に思いを馳せることを今は制限したい。自分は自分以外ではなく、今の自分を狂わせないように注力することだけが自分事だ。

外に出てみると、薄い水色の空に赤みがかった雲の帯が並び、半月より大きめの白い月が出ていた。
カメラを持って出直す。広角レンズではないから空の全体が撮れず苦戦したが、色々頑張っているうちにシャッターを切る手が止まらなくなった。

手鏡を取りに戻って手鏡越しの写真を撮ってみたり、メガネ越しに撮って変なボケを入れてみたり、シャッタースピードを落として左右にブラしてみたり、斜めに撮ってみたり、動画を撮ってみたりと、空が水色から黒に変わるまで心のままに遊んでいた。
別に遊ばなくとも日没直後の時間は何を撮っても綺麗で、意味もなく同じような構図で撮り続けるだけでも楽しかった。

こんな風に写真に没頭する夜は定番ではあるがかなり久しぶりだった。心の底から自分が生きているのを感じた。この時間を過ごしたかった、このために生きていると思い出した。いつまでも撮っていたかった。こうして写真を撮る時間さえ守っていけるならあとは何でも良かった。最高の日を生きていると思った。泣きそうだった。プレシャスだった。

この余韻に浸りながら夜を更かしていこう。

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