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6月の日記-あんなに音楽好きだったから

6.1
仕事で仲のいい上司(お姉さん)とそこまで(というかむしろ)の上司(おじさん)と三人で車に乗ることになった。途中でそこまでの方の上司が「ん、いい森があるなぁ。クヌギかなぁ。ミヤマ(クワガタ)とか採りにいきたいんだよなぁ…」って呟いてて、「え絶対思ってないじゃん、なんで今いうん、これ」って思いながら相槌をした。帰りは仲のいい上司とふたりで、どちらが言うでもなく「ねえ、あれ意味わかんなかったよね」と話題に出しあって本人がいないのをいいことにケタケタ笑った(わたしたちはそれぞれにその人にかなり嫌なことをされている)。
山梨はあたり一帯が山だから、その分街灯の明かりが切実で、通り過ぎていくそれをわたしは綺麗だと思った。

6.2
仕事が終わるやいなやあずさに乗り込んで新宿へ。「どん底」でZINEの打ち合わせをした。飲み物の注文をしたら、振り向いたお兄さんが丸眼鏡で髪を肩くらいまでストレートでのばしてた。注文をこちらがいう前に「なんだか、僕たち他人とは思えないですね」としみじみ言ってくれたから、「ね、なんか、ね、私たち」と笑いあった。
お酒が最近めっきり弱くてトマトジュースを頼んだら、その場にいた人がレッドアイを頼んで合わせてくれた。
わたしたち、一緒に何かつくるんだって。いいですね、と静かに思う。

6.3
銀座のggg八木くんの展示をみて大大興奮。ストーリーズにあげたら連絡をくれてその流れで明日散歩することになった。八木くんは高校のふたつ下の後輩。わたしと友達が立ち上げた部活に入ってくれて、いっしょにホタルを観に行ったりした。10年くらい経っててすごい。わたしは八木くんのデザインとは畑が違うと思ってるから今後関わることはないかもしれないけれど、本屋でふと装丁が素敵で手に取った本が八木くんデザインだった時があって、そういう、なんていうの、やってることは全然違くても確かに良い。という尊敬の形をずっと持っている。
そのあとまた昨日とは違うZINEの打ち合わせ。あなたの作品がなぜすごいかということ、なぜわたしが好きかということを長尺で話す時間を自分から作ってしまって、そのときずっと目を合わせられなくて相手のブレンドコーヒーの皿のエッジをみてた。いろいろ案を出していただいたりもして、結果的にとても良いものができそう。

6.4
八木くんと会って渋谷を散歩。煙草吸ったり青山ブックセンターに行ったりそこでまた煙草を吸ったり。デザインに向ける強い愛が聴いていて気持ちよかった。
その後大学の同じ科の人たちと久しぶりに夜ご飯を食べた。仲の良かった人がご結婚されていて、そのお相手も来てくださった。2人の仲睦まじい様子をみているのが楽しかった。わたしが当時同じ科で一番仲良かった人が音信不通になってしまってて、すごく心配していたのだけれど、みんながその人が今いるところとやっていることを教えてくれた。あまり書きづらいことなのでここには書かないけれど、ピアノを弾いている映像が出てきて、聴いたら彼の音で、ちょっとぐっときた(帰りの電車で1人で聞いてちょっと泣いた)。「ピアノを続けていて良かったよね」と言われて、食い気味に「本当に。本当だよ。だってさ、あんなに音楽好きだったから」と思わず昔の思い出を話し出してしまった。わたしは嬉しかったのだ。本当に。

6.5
午後に出社。事務処理もろもろ。ままならなくてすぐに帰る。「のび太の鉄人兵団」を途中まで観る。昔のドラえもんのかけあい、にやにやしながら観る。

6.6
最悪飲み会。びっくりした。でもわたしにとっては基本仕事場での飲み会って最悪な印象があって(主にわたしが苦手なせいで)、だからこの最悪さもわたしだけかと思ってたら一緒に行った同僚みんな最悪だったって言ってて、なんか、安心した。

6.7
都留に行く。街を数駅分ぼんやりと歩く。人がいないわけではないが、やわらかく寂しい。夜、なぜか吉野家で特盛スタミナ丼(追い飯付き)みたいなのを食べたくなって食べてみる。残した。けど、失礼にならないぎりぎりまで、と思って食べる。追い飯から食べる作戦に出たが、そこがなくなった時点で既に我が軍はほとんどの兵力を失っていた。血糖値が上がったからか家に着いてシャワーも浴びずに寝る。

6.8
セリザワヒナタさんのMV撮影のため、岩崎くんと逗子でロケハン。前回の「友達」のMVは当日のみ来てもらったのだけれど、今回はロケハンから来てくれた。散歩しまくってもイマイチうまくいくビジョンが浮かばずわたしが「ぐぁ〜」とか「ぬへ〜」とか叫んでいるのに、一緒になって悩んでくれる(わたしはそうやって叫んでいても2人なら変質者にならないことに気がついて感動していた)。
海や坂や公園を巡りながらマーロウで美味しいプリンを食べたりマックでシェイクを飲んだり。夜はちゃんとした洋食屋さんで2人でパスタを食べた。ロケ地候補がたくさんの場所に散らかっていて、セリザワさんを怒らせないかしきりに不安げにしていると「そんな人なんですか?セリザワさん」とちょっと本気で岩崎くんが聞くので、「いや、ぜんぜん優しい人だけども、だけども!」と叫んだ。
映像を撮るためにロケハンで悩むの、苦しくて楽しい。

6.9
セリザワさんのMVを逗子で撮影。アイス食べてるシーンを撮りたくて、でも私と撮影の岩崎くんもアイスを食べたくて、みんなで食べながら撮った。昼は夢庵で食べる。「旅行じゃん」と言い合う。
撮りたいシーンの夕暮れまで時間があったので昨日に続けてマーロウでプリンを食べる。テラス席に通されて風が強かった。なんか3人で恋話をした。うけた。
帰り道はずっと編集どうするか考えてたのであんま覚えていない。深夜、甲府着。


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