4月の日記/雨が降っていたからデニーズでデビルズブラウニーサンデーを食べる
4.1
雨が降っていたからデニーズでデビルズブラウニーサンデーを食べる。低気圧に脳みそが締め上げられるようになっているのが治まっていくわけでもないのだけれどまさに悪魔的な甘味こそ一番の処方箋だと思って長いスプーンでデビルズブラウニーサンデーを食べる。誰も座らないカウンターで休日に撮ったMVの編集をする。ほぼ絵コンテ通りにいって不安になったので1日寝かせることにする。お会計の時に「いつもありがとうございます」と言われて、思わず頭を下げる。
4.2
MV、他の編集も思い浮かばないし、早速公開する。「友達」という曲の、友達という距離感についてのMV。男女間で友情は成立するか、みたいな話、はしたないなあ、と思う。というか、この話題を出すこと自体がはしたないか。なんていうか、そういう「一般論」みたいなところから外れた「あなたとわたし」の間にいるのが友達であって、わたし達の関係に、「成立」みたいな言葉はずっと不要だと感じる。あなたがもし何らかの罪を犯してもずっと愛をあげる。すこし大袈裟に言えば友達であるとはそういうことだ。
曲中の「君の言葉はもう暗くはない この場所では暗くはない」という歌詞のところに、笑っている友達の顔がアップになるカットを入れた。絵コンテの段階からそこはかっちりと決めていた。
4.3
昼、いつもいく喫茶店で、ジャムが夏みかんのジャムになったって教えてくれた。自分くらいの歳の店員さんに「食べたことありますか?」と聞かれて、「ないですないです」と答える。店内にボン・イヴェールが流れていたので、「良いですね、音楽。いつも良い」と付け加えるように言ったら「僕が勝手に選んでるんです。え、音楽好きなんですか」と会話が広がった。好きな声のトーンだった。本屋さんみたいな静けさを損なうことに配慮がある声。
4.4
お昼、呪術廻戦とチェンソーマンの最新刊を読む。五条さんの最期なんかすごいよかったな。呪術廻戦はインスピレーションをいつもプライオリティの最上位に置いている感じが好きだ。戦い方自体が「感覚を自由にする」ことをテーマに置いているし、漫画の描き方自体も、決めているところはあるんだろうけれど、感性に身を任せることを大事にしているのが伝わる。キャラクターを形成する線の一つにもその勢いが流れ込んでいるのがわかる。わたしは釘崎が好き。強くてかわいいから。
4.5
会社でタイムリミットが厳しい仕事なのに言われたことを自分ができてなかったりして、優しい上司もピリピリとしていて「え、なんで?」みたいになってひどく落ち込む。「わたし、できるようになってきたかも」バイアスが途端に崩れる。そうよな、なんでちょっとしごできなように自分を思ってたのか。
過度に否定してもアレなので、ちょっと同僚に話をして、「気にしすぎなんだけどね」と自分で丸を打った。
4.6
ジブリ美術館に行った後ダウ90000の単独ライブを観て中華を食べて帰った。「魔女の宅急便」と「千と千尋の恩返し」のイメージボード集みたいなものを買ったのでリュックが死ぬほど重かった。甲府に帰って倒れ込むように寝る。
4.7
全然仕事が終わってないのの帳尻を合わせるために深夜まで働く。つっても日曜なので周りに人がいなくって結構良いペースで仕事ができた。ぼんやりとしながらも焦ってもいて、一つ一つ丁寧に終わらせていった。日付が変わった頃に急にやる気がなくなって家に帰った。日曜の夜の甲府の駅前の通りには本当に人通りが少ない。荒廃した世界のように若者が何人か屯して誰も注意することのないタバコをしゃがんで吸っている。
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