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気品ある抑制

「ナウシカ考 風の谷の黙示録」を読む。ナウシカの漫画版は最初に読んだのが高校生の時で、分厚い2巻ものが高校の図書館に置いてあって、当時受験で相当忙しかったはずなのに、のめり込むように読んだ。そう、「単語テストやらなくっちゃなあ」と思いながらページを捲る手が止まらなかったことを覚えている。
それから家に7冊版を買って、4回くらい折に触れて読みかえしていて、その度に新しい視点や共感があったりする、いわゆる「人生にとって大切な本」の一つになっている。
今回の読書はなんだか今までの疑問の答え合わせ、というよりも、25歳になってもう一度ナウシカを読んだって感じが強くって、本の作りに依るところが大きいのだとは思うのだけれど、なんだかその追体験がとても心地よかった。会社で働くようになって、急激に色々な「なんとなくわからなかった物事」に気持ちが乗っかるようになってきた。強烈な矛盾と自我が日々に横たわっている、それが社会なのだということが体感的にわかりながら、美しいわずかな人々が持つ、気品ある抑制に輝きを見て、わたしは今日も仕事帰れないなあとか思ったりして。

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