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知らないお洒落で小さな

夜ご飯を家で食べられるようにはなったけれど、帰るともう寝る時間だ。今日はバスで割と何駅も乗り過ごして、随分と久しぶりに近所を歩いたら、青果店が改装していたり、知らないお洒落で小さな、美容室なのか喫茶店なのか雑貨屋さんなのか、外からはわからないようなお店ができていたりして、新しくなった夜道をとぼとぼと、けれど少し楽しくなりながら歩いた。
「私の悲しみに暮れる悪い癖 なんでこんなに疲れてるのか考えながら夜更かしてしまう」
と可愛らしい声でけだるげに歌っているのを聴きながら、遠めの間隔で明かりのともる公園沿いをゆっくりと歩く。
決してなにかを諦めたわけではないけれど、日に日に、求めることよりも、求められることに反応していたいと思うようになっていると思う。
愛することだけじゃなくって、愛された時に、照れたり、恥ずかしがったり、いい気になってちょっと失敗してみたり、人間ってそういうところに宿っているから。
自分に向けて思ったこんな事は、そのまま自分の好きな人に向けて思うことだ。わたしはあなたを愛しているから、自分がいなくても変わらないなんて、そんなことを皮肉でだって、いわないで欲しい。大切だって思っているのがわかるなら、大切なんだって思って、鼻高々になったり、にやにやしてこっちをいじり出したりして、思っているよりも自分って「いいもの」かもしれないって感じてほしい。あれ、全然こんなことを書くつもりではなかったのだけれど。
明日も会社。帰り、街に若者や外国の人があまりにもたくさんいていやになった。
いつになったらこのどうしようもない嫌世感はなくなるのだろう。

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