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あぁ、僕たちはこんなふうに

会社の人たちは自分なりの楽しみを見つけるのが上手で、忙しい日々でご褒美を作ることができていたりして、それにお金を使うことで毎日を過ごしているみたいだった。
わたしはそれなりに今つらくって、今日の22時過ぎになってようやっと辛さに慣れては来たのだけれど、それでもやっぱりつらくって、だからお金をつかってなにか自分を喜ばせる術を見つけようとしてみた。
けれど時間なのだ。お金を払ってわたしがほしいものは。時間さえあれば、わたしは言葉を書くことができる。一方で時間制限がなければ書くことはむずかしいだろうから、すってんてんに会社から飛び出してもむずかしいだろうけれど、時間さえあれば、わたしはわたしに向き合うことができる。
途中までタクシーで夜風に揺られるという、謎なお金の浪費を今はしていて、大丈夫なのか心、と思ったりもする。けれどわたしが一層つよくて柔らかいわたしになるために、この大きなプロジェクトを乗り越えていきたい。あまりにも自分の手には負えないプロジェクトの中で、わたしを駄目にしたくないけれど、そういう修行と思ってはじめて、色づく仕事が沢山ある。

帰り道、仕事に関係するボイスメモを聴いていたけれど、どこかで意識がぷつんと遠のいて音楽をえらぶ。
「あぁ、僕たちはこんなふうに、今日をやり過ごす
矛盾だらけなんだけど 今夜もおやすみ」
高校生の頃すきだったアニメの、決して主役ではないキャラクターの歌を久しぶりに聴きはじめたら、不意に現実とかさなって思わずほほ笑んだ。

わたしはこのプロジェクトを終えて、終えたらまた大切なことをたくさん思い出して、毎日に愛を紡いで、そして次のプロジェクトがはじまる前に本当に大切なことをいま一度考えようと思う。

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