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都会シック

8月から働くことになる甲府にいってみる。中央線特急で田んぼを切り抜けていくと、ふとカルデラに出来た街みたいな、山々に囲まれた場所に出て、近くを飛ぶ雲が影を落としているのが素敵だと思ったら甲府駅に止まった。
住む場所を探したりするべきだったけれど、電車内で考えた「言葉の書き方」みたいなものの仮説が気になって、デパートにある本屋に駆け込んで堀辰雄を買って、近くのカフェに入って読んでいたら夜前になって帰ることにした。笑えちゃうような話だけれど、全くいつもの休日と同じことをしていて、けれどそれが却ってわたしの「変わらなさ」を表してくれているような気もして、どことなく心地よかった。
帰り、三鷹駅に帰ってきた瞬間、そこにある明かりとか風とかにすごく安心した。友達に「君はホームシックにはならないかもしれないけれど、都会シックになると思う」と言われていたことを強烈に思い出す。これは絶対なりそう、都会シック。

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