一石二鳥だからな

二子玉駅にいってHomecomingsの畳野さんの弾き語りを聴いた。雨音が文字通りザーザーと微かになって、澄んだアコギの音と混ざって素敵だった。畳野さんは中位の、背筋の良い鳥のような顔つきで、凛として歌っていて、でもたまにちょっと笑って「雨すごい」とか言っていてチャーミングだった。
終わった後、確かに雨はひどくて、特に何もせずに帰ることにした。電車に乗ったら隣に小学校低学年くらいの少年が座って、覚えたてなのだろう、誇らしげに「一石二鳥だからな」と言っていた。お母さんが「棚からぼたもちっていうのもあるよ」と意味と一緒に教えると、車両全体にわたるような声で「じゃあ俺は棚からハヤシライスがいいな〜〜」と言って、わたしはそのフレーズを抱きしめたくなった。意気揚々と携帯にメモをとるわたしの隣では「いや、トマトシチューもいいなあ」と少年が温かいフレーズを生み続けている。