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えーえんと

家に帰る気にあまりなれなくて、スターバックスで笹井宏之さんの短歌集「えーえんとくちから」を読んだ。短歌に宿る「その人らしさ」みたいなものにやられて、終始息がつまり、そこだけが動いているみたいにページをめくった。本の終わりで、笹井さんは亡くなってしまっていると知った。もう一度何ページか読みかえして、唐突に帰ろうと思って席を立った。バス停は夏みたいに暑くって、少しだけ泣いた。

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