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これからの人生にまで少し作用しそうな
「歯医者が怖い」という定説のようなものを、この年までわかっていなくって、今日はじめての虫歯を治療して恥ずかしいくらいとくと味わう。マトリックスでみたような管のついた先端の尖った無機質な機械が「ウィーン」と大きな音を立てて脳を揺らしていく。多分少し神経の毛先のようなところを掠めていて、脳天が焦げ付くような痛みがおきる。「よく頑張りました」とお医者さんに言われて、「い、いたかった〜〜」と正直に言ったら少し楽になった。
それから午後は作っている本の最終調整に行った。初めて自分の本を出すことができる。どんな反応があるのか、どんな出会いが生まれるのか、少し大袈裟かもしれないけれど、これからの人生にまで少し作用しそうなものがもうすぐ出来上がると思うと、それだけで歯医者のあれこれを忘れて眠りにつけた。
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