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ゆっくりと掃除機をかける

0907
駅中のサイゼに初めていってみたら、やっぱりサイゼで、制服姿の若者たちで賑わっていた。吉祥寺のサイゼは行ったらほぼ必ず知っているクラスメイトやらがいて、ドリンクバーに行く時にちょっと話したり、そのノリで席に座ったりしていたのを思い出す。好きだけどなんかすごい内輪な感じだなあ、とか思っていた。

0808
高校の時からなんだかんだずっと仲の良い友達と電話だろ、というくらいのDMのやり取りをする。多分わたしたちは悪口の深さが合っている、それはずっと仲が言い訳だよね。
年齢的に全然可能性のある結婚や子育てについて、ちょびっとだけ触れる。「まだ考えられないわ、子供すぎて」2人してそんな感じですぐにまた悪口に向かった。

0909
金曜の夜に家にいれたことが実は引っ越してきてから二回目くらいなもので、土曜朝に出すプラごみがわんさか溜まっていたので、それを外に出すとつっかえが取れたみたいに気持ちがよかった。早く寝ようと思えば思うほど寝れなくって、2時とかになって窓から甲府の街をぼうっと眺めた。盆地だからかちろちろと揺れながら輝く灯り、この街は星みたいに綺麗。

0910
ペーパードライバー講習なるものを受ける。立川で受ける。そもそもどこがアクセルなん、くらいの気持ちで三年ぶりに乗った車は、いざ進んでみると意外と危なげがなく、自分で怖いという気持ちを過剰に作ってしまっていた部分もあるのだと気がついて心が安らかになったりした。今住んでいる山梨はとにかく車がないと観光地にいけないから、友達が来た時にどうしても困ると思って、運転ができるようにならなければと思ったのだった。わたしの良い部分でも悪い部分でもあると思うけれど、何かをやりたいと思うときに誰か他の人が存在として必要だったりする。自分の足で立てよ、と思う日も、人間らしいねえ、と思う日も。
昼下がり、車で駆け抜けた道路はなんだか気持ちがよかった。「ブレーキの掛け方がうまいね」と言われた。ゆっくりと均一にかけていくと、車はまるでよく飼い慣らされた獣みたいに、音もなくスムーズにとまってくれた。

0911
友達と街を歩いた。代官山の蔦屋書店にいって大きなプードルのしっぽに「クイックルワイパー……」と静かな笑いをもらしたり、中目黒駅周辺のオブジェが全部呪霊にみえて怖がったり(2人とも呪術廻戦がすき)、渋谷TOKYUの喫茶店で少し真面目な話をしたりした。今日でとりあえず1ヶ月はいける、と思った。元気になるというか、なんというか、もちろん、自分と同じような人とばっかりいては世界が狭くなってしまうと思うのだけれど、それでも「ああ、1人ではないんだ」と感じると元気になるよね。家に帰ってからゆっくりと掃除機をかける。

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