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シブサンポ 道編【2023/3/30更新】
はじめに
『シブヤのサンゾク』が完結しましたので、その際に使った資料等をまとめておこうと思い立ちました。もし作中にあった場所を見てみたい!という奇特な方がいらっしゃいましたらご参考にどうぞ。あくまで参考にした場所なので、本作に登場する人物・団体・名称等は架空であって実在のものとは関係ありません。ご承知の置きの程、よろしくお願いいたします。
内容は随時、気が向いた時に更新していきたいと思います。
▼シブヤのサンゾク本編
渋谷駅エリア
●渋谷駅(ハチ公改札前)広場
ニホンの首都、トウキョウのビッグシティ。シブヤ。その中でも、シブヤ駅は多くの人が行き交っている。ハチ公像はシブヤの人気者だ。この像は一日に何百枚もの写真を撮られているのだろう。
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やっぱハチ公像は外せませんよね。また、ここにはかつて青ガエルという愛称の東急電鉄の緑色をした車両がありました。『三つ足の青蛙』もそこから着想を得ております。
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2023年3月の渋谷駅前。生憎のお天気でしたが海外の観光客も多く、それこそハチ公像と写真を撮るために列ができて大変に賑わっていました。
●スクランブル交差点
交差点を抜けると建物があり、二階には大手コーヒー店が入っていた。そのカウンター席から、スクランブル交差点を見下ろせるようになっている。チハヤは視線を感じて、逃げだすように左手の『ドウゲン坂』を上った。
この写真はその『大手コーヒー店』の中から撮影したものです。この日は雨だったんですね。大手コーヒー店は皆さんお気付きの通り、スターバックスです。あそこからスクランブル交差点を渡る人の観察するの楽しいんですよね。
それをチハヤ氏は嫌がっていたようですが。
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犬神は叫ぶ。どこか嬉々とした声だ。シブヤ駅の建物から逃れるため、犬神はミヤマス坂側にある高架橋の線路を駆けていく。
「待て!」
シカは犬神と同じ道を使って追おうとするが、電車が通過して行手を塞ぐ。犬神の落とした身体の一部が轢かれて、びちゃっと弾けた。高架下から液体が溢れている。
奥に見える山手線の走っていた高架橋をうまいこと使って犬神は逃げたわけなんですね。そしてMAGNET by SHIBUYAの大液晶に入り込んだというイメージで書きました。
ちなみにスクランブル交差点はYouTubeでライブ映像をずっと流しています。なので、渋谷に取材へ行けない時にはこれを見てイメージを膨らませたりしていました。
▼スクランブル交差点とハチ公前広場の場所
道玄坂エリア
雑踏の中で二人はそんな声を掛け合った。チハヤはぶつかる度に、急流に溺れて岩にぶつかるような心地になった。その度に湿った舌打ちが聞こえる。実際にはこちらからぶつかっているのだから無理もない。チハヤは手を振り払おうとするがイブキはそれを許そうとしなかった。
ドウゲン坂を下る。転がり落ちるように下る。重力に任せて、惰性で、導かれるように足を動かした。二人は止まろうとはしなかった。
※しぶや百軒店〜円山町あたりは裏渋谷とも呼ばれる場所で、クラブやラブホが立ち並ぶ夜の場所って感じです。夜に歩くにはちょっと怖い道かもしれません。
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●SHIBUYA109
イブキは頭上を指さした。チハヤはビルを見て息を呑む。
『106』の赤い看板の上に青緑(ろくしょう)色をした蛙が描かれている。青蛙の頭には王冠が被さっていた。しゃがみこんでいて、舌がべろりと垂れていた。青緑のペイントで嘲笑うように『106』を見下ろしながら左手の親指で指差している。『サムズ・ダウン』と言われているそれだ。
もしかしなくても『106』ではなく『109』です。言わずもがな渋谷のランドマークですね。高校生くらいのときに福袋を買うために頑張ったような気がします。若かった。
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●しぶや百軒店
赤い鳥居のような門がある。そこには『シブヤ100軒店』と書いてあった。緩やかな坂道だ。そこには店がひしめき合っている。ラーメン屋やタピオカ屋の飲食店、18禁のどぎつい黄色の看板と女の子の無料紹介所があった。チハヤは顔を背けるようにして、ひたすら足を前に進める。
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シカの根城、名曲喫茶店『LEO』がある通りになります。名曲喫茶店『LEO』のモデルは、この通りにある『名曲喫茶ライオン』です。
▼鳥居があるのはこの辺です。
●ランブリングストリート
朝方のランブリングストリートは夜の延長戦のようなもので、踊って飲み疲れた人間が道端(みちばた)に落ちていることだろう。金髪の男が向こう側から歩いてくる。千鳥足(ちどりあし)の模範生だ。重りにしかならなそうなネックレスと指輪を嵌めた男で、金属が擦れる音と共にすれ違う。
ドウゲン坂編では『ランブリングストリートの猫又』がキーワードになります。ジャコモのある場所としてよく単語として出てきた道ですね。ジャコモというのはイブキが所持しているラブホテルであり、一時的にチハヤの住処にもなっていました。ジャコモのモデルになったラブホテルも渋谷にありますが、ランブリングストリートには「ギリギリ」ない場所だったような気がします。
動画は撮っていたのですが写真は撮っていなかったみたいなので、参考資料に見ていた動画を共有いたします。
▼ランブリングストリートのローソンにポイントを合わせました。住所でいうと円山町なんですね。
●道玄坂地蔵
イブキとチハヤはマルヤマ町の細道、『ドウゲン坂地蔵』の横を通り過ぎた。チハヤはここを通り過ぎる時、息を止めてしまう。地蔵の視線を感じるような気がするのだ。人類平等に救いを渡すお地蔵様。その地蔵の唇には、何故か薄紅がついている。穏やかな表情が、その紅で印象が変わってしまう。どこか妖艶に見えてしまうのだ。
チハヤは武骨(ぶこつ)な手を合わせて、ドウゲン坂地蔵に頭(こうべ)を垂れた。
「地蔵菩薩(じぞうぼさつ)か。いい顔しているな」
「そうかな。正直、私はちょっと不気味だなって思ってたんだけど」
チハヤは申し訳なさそうな小声でぼやいた後、目を細めた。
「一番私達を見ていたのは、このお地蔵さんかなって思ってさ」
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こちらのドウゲン坂編表紙のバックにいるのは、この道玄坂地蔵様がモデルになっています。実はまだ本物を見たことがないので、次に渋谷へ行った際には行ってみようと思います。
●円山町
『マルヤマ町』。裏シブヤ。シブヤの花街。三業地。
三業とは料理屋と待合茶屋、そして芸者屋のことを指す。要はマルヤマ町とは芸妓遊びのできる場所ということだ。しかし、芸妓の数は少しずつ減っていったのだという。今は料亭も数を減らし、ラブホテルやライブハウスが侵食してきている。しかし、完全に姿を変えてしまったわけではなく、混ざり合って煮込まれたような、そんな街だ。
細い路地に入っていく。道はネオンサインで埋め尽くされていて、霧雨(きりさめ)も手伝って朧(おぼろ)げに光った。『小便禁止』と立札が立ててあるパーキングに車を停めた。
「雨などものともしない、留(とど)まり続ける場所。マルヤマ町よ」
円山町はあまりフィールドワークができていない場所だったりします。「ドウゲン坂編 マルヤマ町」にて三味線の音が聞こえる〜なんて書きましたが、かなり創作入っています。多分聞こえないと思う。ただ三業地だったっていうのは本当です。
▼道玄坂地蔵がある場所。この付近が円山町エリアと言っていいのではないかと思います。
金王坂エリア
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●金王坂歩道橋
坂を上っていくと、シブヤ駅の通り抜けができる道へ出る。その先はシブヤの東地区だ。しかし抜ける為には、歩道も含め三層に渡る大きな交差点を越えなければならない。そこは雨で霧のように見えなくなっていた。
その手前に『金王坂』と書かれた歩道橋があった。チハヤは思わず、目を凝らして見つめる。歩道橋に人影があった。その人影は漆黒のレインコートを被っていて、黒い影のようだ。歩道橋の手すりに座って、股をおおっぴらに開き足をぶらぶらさせている。そして足が異様に白い。
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この場所を地図に示そうと思ったんですが、Googleマップでうまく示すことができませんでした。大体この写真の現在地って書いてあるところにあります。渋谷駅から宮益坂を登り切ると歩道橋が見えてきます。246号を下る坂が金王坂、下りきると立体交差点。その先に渋谷リバーストリートがあります。
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●立体交差点
『コンノウ坂』の歩道橋をあっという間に越えていく。そして下り坂を降りていくと、入り組んだ交差点に出た。
イブキの車が走っているのは、一般道の十字路である。その上に歩道橋が通されていて、さらに上部に高速道路がある。三層にわたる交差点に空は見えなかった。
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この写真の下にあるのが引用文に出てくる立体交差点です。コンノウ坂歩道橋を通り、この立体交差点を抜けてチハヤ、シカ、イブキは『夢番地』へ向かっていくのですね。
●渋谷リバーストリート
チハヤはイブキの言葉に頷いて、シブヤ駅付近の高いビルを背に遊歩道を歩いていく。花見の季節を終えた葉桜が、雨に濡れてつやつやとしている。左手には大通りがあって建物の隙間から、車が走っているのが見えた。
遊歩道と大通りの間は橋が架けられている。その下には川が流れていた。底が見えない不透明な水質だ。
「……そうか。ではここに流れているのもシブヤ川だな」
「そうよ。シブヤ東地区のシブヤ川は暗渠になっていないのね。ここはタマガワ線の電車が走っていた。地形的にもその名残があるみたい」
遊歩道を歩いていると、セメントで出来たベンチに白線と番号が書かれていた。
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※●金王神社
シブヤのサンゾク自体には登場しませんが、「金王坂」の由来になった神社です。あれだけ賑やかな渋谷もここに入ると防音作用があるのかってくらい静かになります。
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宮益坂エリア
電車のガード下をくぐって狭い路地に人がひしめく、赤提灯の『のんべえ横丁』を横目にミヤマス坂を上る。道の反対側を見るとバスターミナルがあり、多くのバスがシブヤと他の地区を繋いでいる。
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●のんべい横丁
犬神は人の姿を保ったまま、かつて己の社があったビル群の屋上で胡座をかいていた。片手に朱色の盃を持ち、下界を覗きこんでいる。
ビルの真下には『シブヤのんべえ横丁』と呼ばれる路地がある。この路地は人が肌と肌を突き合わせて、面白い話と旨い飯を肴にして酒を飲む。夕日が微かに差し込んで、その橙が店名の入った赤提灯の明かりを連れてくる。
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●宮益御嶽神社
「……さて、このあたりに犬神の宮があったはずだ」
「本当だ。こんなところに鳥居があるんだね」
チハヤは左奥に佇む鳥居を見つけた。鳥居はビル群に侵食されつつも、確かな存在感があった。
「否、この鳥居は別の宗派のものとして建てられたものだ。かつての宮は今の『ミヤマス公園』のあたりにあった」
「え、ミヤマス公園ってこの『ミヤマス・パーク』のこと?」
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宮益坂のビルが乱立する中で、石の鳥居が毅然と構えていると、不思議な気持ちになります。
●MIYASHITA PARK
「え、ミヤマス公園ってこの『ミヤマス・パーク』のこと?」
チハヤは驚いて、奥まったところにあるエスカレーターへ視線を向けた。
『ミヤマス・パーク』とは、公園と商業施設が組み合わさったシブヤの低層複合施設のことである。舟のような横長の形をしていて、ハイブランドの店から流行りの店まで広く網羅されたシブヤで人気がある施設だ。
「嬢ちゃん、臆することはない。シブヤはいつだって嬢ちゃんの味方だ!」
チハヤは目を開く。涙で世界がぼやけて色が混ざり合い、現実とは思えないほど、シブヤは美しく光った。
ふたりはミヤマス・パークへ戻り、ツイン・アーチに引っかからないようシカは何歩か空中を走った後に、ミヤマス・パークの人工芝に降り立った。
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シカはチハヤの言葉に振り返ってだまりこくった。その間にエスカレーターを登りきり、足をとられて「うおっ」と小さな悲鳴をあげた。
「危なかったぞ、嬢ちゃん!」
「ごめんって」
シカをもう一度エスカレーターに乗せて、背中をぽんぽんと叩いていた。
「ソマさんにちゃんと会って話せたらいいのにね」
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●スクランブルスクエア
「シカ、勝手にどっか行かないでよ」
「そうは言うけどな! こんなにシブヤを見渡せるのは初めてなのだ。かの物見の松の何倍ある高さだろうか。右側のアレがずっとミヤマス坂、垂れ下がるようにコンノウ坂。こっちの左側の道を登ったら、あのあたりにワシらの根城があるだろ」
チハヤとシカは『スクランブル・サルコー』にある屋上の展望台にやってきた。
シブサンでは『スクランブル・サルコー』なんて書きましたけれど、もしかしなくてもスクランブルスクエアのことです。短略的すぎるよな。
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その他のエリア(coming soon…)
●松見坂
「チハヤ嬢ちゃん、ここが『ドウゲン物見の松』跡地だ。ワシの思い出深い場所でな。ここに、それは大層な松が植えてあって、ワシがその松によじ登って行き来する人間を観察したのさ。そして同胞に指示をして、往来する人間の身ぐるみを剥いだものだ」
「私はジジイの思い出話を聞きながら散歩する為に、シブヤにきたわけではないのだけど」
松見坂も実在します。ただ道玄坂とはそれなりに距離があって、松見坂は正式には渋谷区のお隣、目黒区にある坂になります。その昔、物見の松という大きな松があって道玄という名の山賊が、よじ登っていたんだとさ。
●代々木深町小公園
チハヤが言う通り、その物体は新設されたシブヤの公共トイレだった。朧げに案内板が光っている。青い男と赤い女のピクトグラム。その下に緑色の文字で『だれでもトイレ』と書かれていた。まるで遊具かのような造形だ。
「妖術まがいなことをする大工もいるのだな。──そこまでくれば大工ではなく呪術師か。なんでまた、そんなことを」
●代々木公園
●キャットストリート
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