258.悪巧みのこと③

GWに入り、すっかり間が空いてしまった。
そういえば、この間の投稿で100週連続投稿だったらしい。
noteを初めて約2年、記事の数は258個にもなり、自分でも何を書いたか覚えていないほど。
それだけずっと彼のことを思い続けた2年なんだなとしみじみ。
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さて、前回のつづき。

翌朝はルームサービスのモーニングを食べてまた1回セックスして、12時のチェックアウト時間ギリギリまでホテルにいた。一緒にいられる時間はあと4時間。この4時間をどう過ごそうか。
私はついつい「一緒にいられればなんでもいい」と思考停止してしまいがちだけど、彼はネットで探してくれて、「科学館とかどうですか?」と提案してくれた。

関係は不純なのにデートはなんとも真面目でアカデミックな場所に。カップルも何人か見かけたけど、平日の昼間に科学館に来るカップルというのはどういう人種なのかとちょっと興味があった。
近くには有名なお城もあったけど、昔旦那と行ったことがあるし、城で歴史を感じるよりはサイエンスのほうが私も楽しめる。

不思議な鏡とか、竜巻を発生させる装置とか、なかなか面白かった。
人体の不思議のコーナーで、体の部位のボタンを押すとそこが光る人体模型があり、若いカップルの男のほうが「睾丸」を点灯させて、もうヤダーとか女が言って笑っていた。
私も負けじと?そのあとに睾丸を光らせて、彼からは「何してるんですか」と呆れられた。

プラネタリウムの予約をしていたので始まるまでの間で見て回ったけど、全部見きれなかった。

プラネタリウムでは寝っ転がっている上に暗いのでお互いすっかり眠ってしまい、貴重な彼とのデート時間の50分が昼寝タイムになってしまった。
まぁ、それはそれで思い出かな。

あっという間に新幹線の予定時刻の1時間前になり、早めに駅に着いた。新幹線の時間は私の方が少し早くて、私が乗る新幹線のホームまで来てくれた。
売店の窪みでさりげなくキスをしてきた。誰かに見られたかもしれないけど、ここに知り合いがいる確率は0に近い。別れが惜しく、最後までずっと手を繋いでいた。

約1ヶ月ぶりの逢瀬でお互いとても楽しみにしていたし、私は出張からの大移動だったので会えるのかとハラハラした。でも本当に会うことができて、約20時間ほど一緒にいられて幸せだった。
帰りの新幹線は予想通り寂しさでいっぱいになった。また次はいつになるかわからないけど、決まればまたその日に向けて楽しみができるはず。

彼はすっかり睾丸の中やら心やら色んなものが空っぽになってしまったらしく、翌日もまだ引きずって「仕事やる気出ない」などとメールが来た。彼がそんなふうになるのは珍しいけど、自分だけじゃないと思うと私も救われたし、さらに絆が深まった気がする。
一度会ってしまったら、やっぱり会わないと寂しいかというとそんなこともなく、離れているなりの楽しみ方もわかってきたし、何より彼が私を想ってくれていると心から信じられるようになったことで、時々連絡が来ない時があっても心は平穏でいられるようになった。


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